第3231回 陸軍参謀本部の反発のお話【済南事件】【昭和の伝道師】 | 模型公園のブログ

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第3231回 陸軍参謀本部の反発のお話【済南事件】

 

 

       2024年4月28日日曜日の投稿です。

 

 

☆昭和の伝道師【戦中・戦後のパイロットの物語】第2807話

 

 

 

 

 

【前話 第3217回の続きより。】

 

 

  昭和三年こと、1928年5月3日金曜日の午前9時頃、

 

日本人女性 高熊 うめ さんら、日本人約400名が共産革命を

 

叫ぶ国民党の革命軍に襲われまして、その内、12名が集団リンチ

 

を受けて殺害され、大勢が重軽傷を負う事件が発生したのです。

 

その事件の事を、事件が発生した済南と言う地名を取って、

 

済南事変とか、済南事件と呼ばれています。

 

 

 

 

 

この写真は、高熊 うめ さんの検視の写真とされている

 

写真で、両手を切り落とされ、目をえぐられ、両目に石を

 

入れられ、鼻を削がれ、耳を削がれ、乳房を削がれ、お尻の

 

穴に木の棒を突き刺された遺体で発見されたそうです。

 

足に、足袋を履いていたそうで、それで日本人の女の人と

 

わかった程度、ひどい状態であったそうです。

 

 

 

 

 

【混成第11旅団 旅団長 斎藤 瀏 陸軍少将 長野県出身 陸士12期卒】

 

 

 

昭和三年こと、1928年5月8日の暗い日の出前に、現地に

 

到着した、小倉歩兵第47連隊を主力とする部隊は、斎藤 瀏 

 

陸軍少将の采配の元、見敵必戦の精神で共産革命軍に強襲攻撃を行い、

 

 

 

 

 

 済南城に突撃し、共産革命軍と3日程度市街戦を展開し、

 

敵を退却させ、済南城を占拠したのです。

 

 

 

 

 

 

 

共産党は当初は、

 

「年貢を無くし、小作農を無くし、生産された富を公平に

 

分配し、貧乏人を無くし、みなさんが平等の暮らしを実現

 

しましょう。」

 

 

などと宣伝していたのですが、

 

「共産主義には宗教は必要ありません。」

 

「共産主義の妨げです。」

 

 

などと言い出し、お寺や教会を破壊し、僧侶や神父を

 

広場で公開処刑し、商店や銀行や、いろんな場所で、

 

 

「全ては国家の財産、共産党の物だ。」

 

 

などと申し立てて、持ち主から略奪行為を行い、

 

抵抗したら資本主義者と呼ばれて処刑されたのです。

 

 

 

 

そのような事情で、共産党革命軍が日本陸軍に撃破されて

 

退却したら、みなさん自分の財産が助かる訳でありまして、

 

現地では当時歓迎されたそうですが、これに腹を立てた

 

人達がいたのです。

 

 

 

 

 

そのうちの一人は、当時の大蔵大臣 高橋是清 元総理大臣で

 

ありました。

 

当時、大蔵省には支那大陸で戦争を行う戦費などなかったのです。

 

前年、昭和の金融恐慌が発生しまして、大変な時に、戦争など

 

ダメだと言う訳です。

 

 

「斎藤は、勝手に戦争を始めてけしからん。」

 

 

と言う訳です。

 

当時の田中義一内閣総理大臣 兼 外務大臣も、前年に国民党の

 

蒋介石総統らと東京府で面会し、和平を進めていた当時、交渉相手と

 

戦争は避けなければならなかったのです。

 

 

 

 

【 上原 勇作 陸軍元帥 陸軍の薩摩閥の重鎮 鹿児島県出身 】

 

 

それで、斎藤 瀏 陸軍少将を命令違反と称して処罰しようとする

 

動きが内閣を中心に進められることになり、それに待ったをかけた

 

人が、陸軍の薩摩閥の重鎮の上原 勇作 陸軍元帥のグループで

 

あったそうです。

 

斎藤 瀏 陸軍少将は、上原 勇作元帥の子飼いの部下であったのです。

 

「田中は、何をおかしなことを言うのか。」

 

「斎藤は、殺された日本人の仇を討ち、孤立していた日本人

 

を助け、果敢に大軍相手に勇戦したのであって、どうして

 

処罰の対象になるのか。」

 

 

「おかしいではないか。」

 

 

とこんな主張だったそうです。

 

これに多くの陸軍の将校が上原勇作元帥に同調したのでした。

 

 

 

 

そして、

 

「奸臣 高橋是清、田中義一を斬るべし。」

 

と言う人達が出て来たのでした。

 

今、思えば、高橋是清 元総理は226事件で

 

殺害されるのですが、この当時から陸軍の過激派に

 

恨まれていたようです。

 

 

【次回に続く。】