第844回【判例】国民が国会議員の給料の返還を求める裁判の判決について。 | 模型公園のブログ

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第844回【判例】国民が国会議員の給料の返還を求める裁判の判決について。

 

 

                2021年6月20日 日曜日の投稿です。

 

 

 

 

事件番号 令和3年【行ウ】第171号

 

事件名  不当利得請求権行使請求事件  

 

判決日  令和3年【2021年】6月3日木曜日

 

原  告  市民団体 代表者 B 他5名

 

被  告  国 代表者 法務大臣 上川 陽子

 

裁判所 東京地方裁判所

 

裁判官 清水 智恵子 裁判長【 第47期 】 

 

請求の趣旨

 

 2019年の参議院議員選挙で当選したAは、その後、公設秘書が

 

選挙違反で逮捕され、連座制が適用されて、当選が無効となった。

 

また、議員A 自身も選挙区内の政治家に現金を配布した行為に

 

ついて有罪が確定し、執行猶予附きの判決を受けた。

 

当選後、ほとんど「 入院中。」 などと申し立て、参議院議員

 

としての国会への登院を行っておらず、 当選後から、失職する

 

までの期間に国から受け取った、議員歳費や、その他

 

通信交通費など約4,942万円を、国が、支払いを行った

 

議員Aに対して返還を請求するように求める。

 

 

判決  1 原告の請求を棄却する。

 

     2 訴訟費用は原告の負担とする。

 

 

 

当裁判所の判断。

 

 有権者が国に違法な支出を是正するよう請求できる

 

と定めた法律上の規定が無く、歳費返還も訴訟の対象に

 

ならない。

 

よって、理由が無いので、第1回口頭弁論を開かず、訴状審査

 

のみで原告の請求を棄却する。

 

 

 

 

 この裁判の原因の事件の経緯について。三毛猫??

 

 2019年に行われた参議院議員選挙の数ヶ月前、人手を

 

増やすために、少し多めの給料を提示して、数人の選挙スタッフ

 

兼 地元の私設秘書を募集し、「 いずれは政治家に。」

 

と希望する3人を、候補者 Aは雇用契約を結んで採用した。

 

その後、Aが参議院議員に現職を破って当選した。犬ルンルン

 

当選して、数週間して、A 参議院議員は、3人に対して、

 

一方的に給料の減額を要求し、3人は、A 参議院議員と

 

対立し退職、 その後、週刊誌などに、Aの選挙違反や、

 

疑惑などを暴露する内容の文章などを投書し、 選挙期間中に、

 

選挙カーのウグイス嬢に法律で定められた金額の倍の費用を

 

実際支払い、領収書を複数に分けて、虚偽の日付を記載して

 

いることなどが暴露され、 差配していた先輩秘書が逮捕

 

されるに至り、さらに選挙区内の県議会議員、

 

市議会議員に多額の現金を配布していたことが判明し、

 

A 参議院議員が逮捕されるに至った。

 

 

 

 

 

判決の解説。

 

 税金を国に納付している国民の6名の市民グループが、元参議院議員A

 

にではなく、Aに対して、議員歳費他を支給していた 国 に対して、

 

返還するよう請求してほしいというそういう国民の声を行政に伝えようと

 

計画して裁判を行おうとしたようです。三毛猫ハート

 

ところが、裁判所は、裁判を一度も開くことなく、判決文を出して、

 

棄却したという裁判です。

 

 

明治23年制定 民事訴訟法 第二編 第一審の訴訟手続き。

 

第一章 訴え

第百三十七条 【 裁判長の訴状審査権】

 

訴状が第百三十三条 第二項の規定【 当事者及び法定代理人】

 

【請求の趣旨及び原因】に違反する場合には、裁判長は、相当の

 

期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければ

 

ならない。

 

2 前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、

 

命令で、訴状を却下しなければならない。

 

この民事訴訟法 第百三十七条に基づいて、

 

請求の趣旨について、どう言う法律や、過去の判例に基づいて

 

請求しているのかを文章に記載していなかったのが、敗訴の原因

 

と思います。

 

この請求の趣旨の瑕疵を是正した文章を、東京高等裁判所に

 

提出すると、判決がひっくり返る可能性があります。三毛猫ハート

 

 

 

 

 僕が事件担当弁護士であったならーー。

 

 第一審 東京地方裁判所の判決文は日本国憲法 第三十二条

 

の憲法に違反した判決である。

 

 

 

日本国憲法 第三十二条

 

 何人も裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。

 

 

つまり、一度も法廷を開かず、原告や被告の申立を聞かずに 

 

原告の請求を棄却するのは日本国憲法 第三十二条に違反して

 

います。

 

と申し立て。

 

 

日本国憲法 第十六条

 

 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は

 

規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に

 

請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたために

 

いかなる差別待遇も受けない。

 

と言う、 この日本国憲法 第十六条の法律を主軸にして、

 

裁判を行えば、光明が見えてきそうな思いがあります。三毛猫ラブラブ

 

そして、

 

 

 

日本国憲法 第九十八条

 

 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、

 

命令、詔勅及び、国務に関するその他の行為の全部又は一部は、

 

その効力を有しない。

 

 

 

と言う法律に基づいて、 第一審の東京地方裁判所の判決文は、

 

日本国憲法に違反しており、破棄して、相当の裁判を求める。

 

とこんな申立をすると、なんとかなりそうな思いがあります。

 

 

 

結語。

 

 世間一般常人が思うに、ほとんど業務を行っておらず、5千万円程度

 

のお金を受け取り、そのままと言うのはおかしいと申し立てる 

 

市民団体の6名の皆さんには、少し同情する思いが僕にはありますが、 

 

問題は、議員歳費など支払った、国が、A元参議院議員に歳費返還

 

請求を行うのは、請求権があると思いますが、納税者とは言え、

 

第3者の立場の原告他5名が、請求権や、それを求める根拠があるのか

 

どうなのかという事については、 今後、研究の余地がありそうです。

 

ところで、2021年6月14日月曜日に、敗訴した原告他5名の

 

みなさんが、東京高等裁判所に判決を不服として、控訴手続きを

 

されたようで、原告や弁護士の活躍を注視しています。

 

 

              

 

 

    三毛猫  じゃあ みんな また 今度ね。ハートラブラブ

 

 

【 次回に続く。】 【 転載コピー自由です。】