母から電話があった。
私からではなく母から電話がある場合は大概彼女が不穏な時。今回も漏れなく半泣き状態だった。

 

母の主張は「お金がない。」「アクセサリーがない。」「私には何にもない。」ということ。

 

約50人の老人が住むホーム。何かあっては困るからと高価なものや高額なお金、貴重品は出来るだけ置かないように言われている。至極真っ当なルールだと思う。
入居当初は体験入居と言って連れて行ったので、新たに入金のない貯金通帳や保険証を持ち、いつも身に着けていたダイヤの指輪も着けたままだった。
それを徐々に私が持ち帰っている。

 

しかし母のように物欲まみれで生きてきた人にはそれが耐えられないらしい。流行のミニマリストにはなれないのね。

 

とにかく電話で泣かれて「あなたは何も私の欲しいものはくれない。」などと言われ、私も我慢を続けることが出来ず、喧嘩に。

 

お母さん「お菓子とかパンとか毎回持って行ってるでしょ?」と言えばおばあちゃん「そんなの子供だましじゃない!」と言われ、お母さん「冷蔵庫や洋服掛けるラック買ったでしょ?」と言えばおばあちゃん「私が頼んだものじゃない。」と。
お母さん「じゃあ、何が欲しいの?」と聞くとおばあちゃん「洗濯機かしら。」と頓珍漢なことを言う。
もちろん洗濯はホームでしてもらえるので、洗濯機などいらないし、部屋に置くところもない。


↓ひもじさを防ぐためにこちらも結構頑張っている


 

みつかったカメオを一度持って行って母にあったよと見せ、持ち帰ったのだけれど、彼女にはその記憶が既にない。そしてどこにあるかわからず、業者さんと探したことも覚えていない。その上で「あのカメオはわたしのお金で買ったんだから、あなたに渡さなければ良かった。」と言われた。

 

↓当時のカメオの話

 

私としては新型コロナが少し落ち着いて出かけられるようになったら、その際に身に着けるように持って行こうと思っていたのだけど、そう伝えると母は「眺めるだけでも見ていたい。」と言う。

 

正直、妄想性障害の被害型で大切なものほど仕舞い込み、どこへやったか忘れ誰かに盗まれたと騒ぐ母にジュエリーを持たせるのは事件を起こすようなものだけれど、そんなに悲しいなら無くしてもいいから持って行こうかと悩んでいる。

 

私にとっては眺めるだけのジュエリーなんぞ、何の意味もないと思うのだけれど母がそれで少しでも落ち着けるならそばに置いておくのもありなのかもね。

 

しかし今回はだいぶ暴言を吐かれ、私も冷静でいられなかったな。反省。