「あらマット、今日はなあに?」
「ハイ、ジェン。君はいつもアレをするときどうしてる?」
「んん、そうね、まず皮をむいて指の腹で軽くこするわ」
「そして?」
「そしたら周りを軽く撫でながら…頃合いをみてつっこむの」
「どっちの指で?」
「人差し指…いえ中指だったかしら、んーよく覚えてないわ」
「そうなんだ、みんなよく覚えていないんだ。あるいは…どっちの指にしようか、いっそ二本指にしようか、なんて迷ったりね」
「そうよく迷うわ」
「そこでコレを使うのさ」
「コインね」
「おっと、ただのコインじゃないよ、ジェン、よくみて」
「マット!こっち側には『中指』、裏には『人差し指』って書いてあるわ!」
「こいつをテーブルの上に放り投げさえすれば、もう迷うことはないってことさ」
「すてき!」
「ふつうのコインだったら表が出たらどっち、裏だったらこっちって決めなけりゃならない…」
「うんざりするわ」
「それに見た目はふつうのコインだから、どこにでも持ち運べる、例えば飛行機の中へもね」
「ビジネスクラスで急にもよおしてももう迷わないってワケね!」
「そのとおり」
「でも二本欲しくなったらどうしたらいいのかしら」
「心配いらないよ、このコインがあるならね。中指に人差し指を添えるか、人差し指に中指を添えるかもこいつで簡単に決めることができるのさ」
「おおマット、なんてすばらしいの!でもこんなに高性能だと値段が気になるわ…」
「だいじょうぶ、いま失業者が街に溢れかえっているからね。そいつらを時給2ドルで大量に雇い入れることにより、ひとつあたり100ドルを切る値段で提供できるんだ」
「ピンハネ、いえボッタクリかしら」
「そう、いまなら電動で震える卵形の…なんていうのか忘れたけれどこいつも付けて98ドル、98ドルでいますぐお電話を!」
「なお送料は別途頂戴しますわ、んーん、待ちきれない!わたしもすぐ電話しなくちゃ」