毎月、この日になるとみね子さんを思い出さずにはいられない、という日がある


『ついたち』がその日のひとつ


みね子さんは結婚してから団地に引っ越すまでの17〜18年くらいはアーケードのある商店街のすぐそばで暮らしていた

便利なところだったけれど、生活が苦しかった頃は、魚一切れだけ買うのが恥ずかしくて、幼い息子にお使いさせたらしい


団地に引っ越してからは、「ここは不便やなぁ。王子町が良かったなぁ」と大阪市内の商店街を懐かしみながらも、仲良くなったご近所さんと散歩がてら少し離れた市場まで買い出しに出かけるようになる


今と違って大型冷凍冷蔵庫なんてなかったし、毎日のようにその日食べる分を買い物に行くのが当たり前の時代だったから、新聞の折込広告を見ては買い物カゴ片手にあちこちへと歩き回っていた


そんなみね子さんが買い物に行かない日があった

どんなに特売でも、どんなにご近所さんが誘ってくれても、何がなんでも


それが毎月一日

みね子さんの言葉だと『おついたち』


みね子さんを育てたキクさんの教えなのかなぁ

と みね子さんの娘は想像するしかない


「あんなぁ。今日は絶対お金出せへんの。おついたちにお金出すやろ、そしたらな、その月はどんどんお金出るんやで。」


大阪の商売人さんたちの験担ぎかもしれないけれど『いつもニコニコ現金払い』がもっとうだったみね子さんの一日の財布の紐は堅かった


みね子さんの娘は、そんなん迷信や!と思いながらも『おついたち』には買い物を控えるようになった

これを『躾』というか『呪縛』というか…


今日は一日、買い物は昨日のうちに済ませて、このブログを綴っている