みね子さんはよく『ことわざ』を使った


育ててもらった祖母キクさんの影響なのか、父親の影響なのか、今となってはわからないけれど


みね子さんさんが寮母さんをするようになると買い物はみね子さんの娘の仕事になることが多かった

みね子さんの娘が頻繁にお使いに駆り出され、目的の品物が見つからなかった時に『欠品』状態で帰ってくると


「なんでお店の人に聞かへんの?奥から出してくれたかもしれへんのに」

「問うは当座の恥、問わぬは末代までの恥言うねん ちょっとたんねたら(たずねたらの関西弁)済むことやのに」


今のみね子さんの娘ならそんなことお茶の子さいさいだけど、小学生の頃にはお店の人に声をかけるのさえ勇気のいることだった


スーパーがなかった頃、フォーク並びなんてマナーもなく我先にお店の人とアイコンタクトが取れたもん勝ちの大阪のおばちゃんと小学生のみね子さんの娘は店先で戦うしかなかった


店頭に商品がなかったり、売り切れの札があったりすると内心『よっしゃ』


「お母ちゃん、売り切れてたわ」とか「なかったわ」と言い訳ができる…

はずだった


が、敵もさるもの

みね子さんから出てくる言葉は

「ありがとう」よりも先に

「なんでやの、お店の人に聞かなぁ 問うは当座の恥…」となる


そしてもう一度お使いに行かされる

大人に混じって混戦を制して「おばちゃん、〇〇ありますか?」とけっして大きくはない声を出すことになる


最悪、その店に商品がなかったりすると別の店まで遠征することになる


そう、2度目のみね子さんの指令のメモにはそこまで書かれているのだ


みね子さんの娘は買い物があまり好きではない

ヘルニアで腰を痛めてからは尚の事、ネットスーパーがご贔屓


もしかしたら、子どもの頃のトラウマかなぁ…なんてね