11:作用量とその量子(3)

 

 素事象と素事象の間のスカラーな間隔を単位と見なすことは自然に考えられる唯一の選択ではありません。たとえば、時間の測定法では周期がベースになっています。このように、事象に順序性が観測される場合、周期関数f(s’[0])を関連付けることが出来ます。この周期関数の偏角もまたスカラー・パラメーターなのです。

 この偏角の変数が2πの周期で変化する場合、次のように記述されます。

 f(s’[0])=f(s’[0]+2π).

 すると、パラメーターs’[0]は自然のパラメーター(固有作用量)s[0]=m[0]・tと関係式s’[0]=2πs[0]=2πν[0]tで結ばれることになるのです。

 これらの関係によって質量と周波数との間の関係が明らかになります。また、固有作用量の傾き∂[k]s[0]はエネルギー・運動量のベクトルで、時間的スケールで対象と結ばれた座標系においてはゼロと異なる唯一の成分である静止質量に換算されます。したがって、まったく同じ物理量がそれぞれの経緯的事情によって質量、エネルギー・運動量、周波数と呼ばれていることが分かります。

 ここでは作用量と時間が実数であることを前提に議論を進めています。しかし、ご存知のように、すでに時間に虚数を対応させた座標を使うことに取り決めているのでした。したがって、単位時間当たりの事象数である質量を正の実数にするためには、エネルギー・運動量のベクトルとして実数の作用量の傾きではなく、虚数の作用量の傾きを決定し、そしてp[k]=i∂[k]s[0]としなければなりません。

 ここでおさらいですが、アフィン接続空間中の自然な方法で選ばれた曲線と「位相」∫δθが結ばれ、また「位相」が複素数である場合、周期関数である振幅ψ=exp∫δθもこの曲線と結ばれています。また、スケールが理想的でない(特殊な、特異な)点を特徴とする「位相」∫δθの虚数部も、恒等的にゼロに収束しない場合は、この曲線上で標準パラメーターの1つになっています。この場合、位相の虚数部と作用量は線形関係で結ばれ、振幅は事象数をベースに形成された周期関数と見なされます。

 実は、正規(固有)計量によって発生する計量スカラー・パラメーターも、標準パラメーターであり、かつ固有作用量と線形関係で結ばれています。これは全く自然なことです。なぜなら、計量スカラー・パラメーターも軌道に収まっているスケールの数と考えられるからです。スケールが軌道のいたる所である事象数を含んでいて、事象が素的である場合、ここに比例関係があることは明らかです。