休職に入る少し前から



また以前のように



遠くから彼が私の様子を見ていることに気づいた。




毎回ではないけど、



一日一回、



働いている様子を確認しにきているみたいな。







決して目は合わせないし、



言葉も交わさない。





私が遠くから見ている彼に気づいていること、


彼が知っていたかは


分からない。







だけど私は、


彼のそんな姿を見られるだけで


充分だった。






「私のこと、


まだ気にしてくれてるんだ」





それだけで嬉しかった。






そんな彼の姿を心の支えにして、




彼に会えなくても



大丈夫な自分に近づけていっていた。









そして休職前、


最後の出勤の日。





彼はその日も、


出勤してからしばらくして、


私の様子を見にきていた。








私はいつも通り働き、



同僚たちに挨拶を済ませ、



退勤してから、



彼を探していた。




たまたま通路で彼の後姿が見えて、追いかけた。





「休職前の挨拶しなきゃ」





周りに人がいる中、



私が近づいていくと、



彼はとても驚いた顔をしていた。






私「今日休職前の最後の出勤で、、」



彼「そうなんですね」



私「これ、皆さんで食べてください」





周りから少し離れて、


2人になれる場所に彼が移動した。





彼「休職いつまでですか?」



私「とりあえず半年くらいですけど、、

  延びると思います、まだ分からないです」



彼「実家の方に戻るんですか?」



私「こっちにいるつもりです」





短い会話をして、




私「また、お願いします」





時間が迫っていて、



足早に立ち去った。







「私はまたここに戻ってくるから」



「これで最後じゃないから」





私は、この気持ちを込めて



「また、お願いします」



と言った。







彼に伝わったかな?







私が休職から戻る前に、



彼が異動でいなくなるかもしれない。





それは分かってる。






だけど、



これで終わりにしたくないから、



「また、お願いします」



って言ったんだよ。