「東海道四谷怪談」のキャラクターです(2)。 | 1904katuoさんのブログ

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砂岡事務所プロデュース、『東海道四谷怪談』の登場人物です。

 

写真は洋装バージョンです。



一方的な独断と偏見をお許し下さい。

前回の続きです。



・(下段の左端)

小仏小平(こぼとけこへい、北村健人さん)

足腰が不自由になった、主人の病気を治すため、伊右衛門(平野 良さん)から秘薬を盗む。

そのために小平は、伊右衛門に捕らえられ、亡くなったお岩(田渕法明さん)との不倫の罪を擦り付けられて、無惨に殺された。


縛られ、猿ぐつわをかまされた小平は、閉じ込められた押し入れの中で、お岩が毒を飲まされ、絶望の中で死んでゆくのを、なすすべもなく見ているしかなかった。

そのとき、他人であるお岩のために、身を切られるように心を痛め、泣いている小平の魂が、本当に美しかった。


(←原作では、小平からの薬で回復した主人は、赤穂浪士として討ち入りに加わります)


・(下段の左から2番目)

お梅(今川碧海(あおい)さん)

高野(吉良)家の家臣である、伊藤喜兵衛(なぎだ武さん)の孫娘。

伊右衛門を熱愛する、10代の美少女。


伊右衛門の後妻として嫁いだとき、お岩に申し訳なく思ったし、お岩の赤ちゃんを見て、『可愛い!』と微笑んでいた。

お梅の不幸は、祖父と母と乳母が、彼女を甘やかし、善悪を教えなかったことだと思う。


・(左側から3番目)

伊藤喜兵衛(なだぎ武さん)

今の時代だったら、公文書改ざんの責任を、部下に擦り付ける政治家のような人物。

孫(お梅)可愛さのあまり、伊右衛門の妻である、お岩に毒を盛り離縁させようとする。



しかし、なだぎさんが演じて下さったおかげで、愛嬌や人間味も感じられた。

お梅の嫁入りの夜、亡霊(の幻?)に錯乱した伊右衛門に斬り殺される。


・(右側から3番目)

お槙(土倉有貴さん)

お梅の乳母。

毒薬のことは知らなかったが、伊右衛門とお岩を離縁させる目的で、民谷家を度々、訪れていた。

それを知らない、お岩は、子育てを手伝ってくれるお槙と、喜兵衛からの贈り物に、心から感謝していた。


しかし、お槙の伊藤家に対する忠誠心は篤く、喜兵衛の死後、お家が取り潰され、困窮したお弓(お梅の母、白瀬裕大さん)を支えていた。

(←土倉さんは、伊右衛門の母のお熊も演じています)


・(右側から2番目)

奥田庄三郎(水貴智哉さん)

松の廊下の刃傷事件で、断絶になった塩谷(浅野)藩の浪人。

主君の仇討ちのため、非人(乞食)に身をやつし、敵の情報を探る。


直助(桑野晃輔さん)に、恋敵の与茂七(白又 敦さん)に間違えられて、刺し殺された。

出番は少ないが、水貴さんの庄三郎は、若く純粋ゆえに、痛ましいほど清冽だった。


水貴さんは、役変わりで、伊右衛門の悪い仲間の秋山長兵衛も演じている。


(←私は一回目の観劇では、がらの悪いの秋山が、水貴さんだと分かりませんでした。

役者としては新人なのに、大変に過酷な役変わりを演じきった、水貴さんの強さに感動しました)


・(右端)

宅悦(たくえつ、植本純米さん)

表では、お灸の店、裏では売春宿『地獄』を経営している。


面倒見が良いが、厄介ごとには関わりたくない、庶民的な人物。

時代背景が曖昧な作品の中で、植本さんの宅悦は、舞台上に江戸の空気や人生観を、鮮やかに甦らせていた。


植本さんは、役変わりで、お岩とお梅の父親の四谷左門も演じている。

真面目一途な武士の左門は、清濁合わせ飲む宅悦とは、佇まいが別人だった。

個性がバラバラであることが魅力の、今回の『四谷階段』を、古典に引き戻して締める、素晴らしい役者さんだった。



登場人物の紹介は以上です。

次回は、また舞台の感想を書かせて下さい。

読んで下さって本当にありがとうございます。