「トーマの心臓」のあらすじと感想です(9)赦されるアンテ。 | 1904katuoさんのブログ

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スタジオライフの舞台、『トーマの心臓』のあらすじと感想です。

沢山の間違いとネタバレ、激しい私見をお許し下さい。

台詞も順序も不正確です。

ご容赦下さい。

前回の続きです。



(1974年のドイツの物語です。

中高一貫の男子校が舞台になります)


レドヴィ(関戸博一さん)から、トーマの死因を知らされたエーリクは、ショックに打ちのめされながら、寮に帰って来ました。


(←エーリク役は、及川 健さん、久保優二さん、田中俊裕さんのトリプルキャストです)


すると、舞台右側の階段で、オスカーと5人組が、お喋りを楽しんでいました。


(←オスカー役は、岩崎 大さんと、仲原裕之さんのダブルキャストです。

岩崎オスカーは、及川エーリクとペアになります。

仲原オスカーは、エーリク全員と共演します。

私は仲原オスカーのみの観劇でした)


それを見たエーリクは、オスカーに掴みかかり、叫びます。


エーリク「君だって知ってたんだ!

トーマのこと!!」


驚いたオスカーは、周りを慮って、エーリクを夜の中庭に連れ出します。

そのとき、舞台左側では、レドヴィが暗闇に、そっと身を隠していました。

舞台後方では、オスカーに恋するアンテ(宇佐見 輝さん)が、柱の陰から様子を伺っています。


しかし、彼らの存在に気がつかないオスカーとエーリクは、トーマの死について話し始めます。


エーリク「トーマが好きだって言ったとき、ユーリは、なぜ信じなかったの?!

なぜ、トーマを死なせたの!!」


(←ユーリ役は、山本芳樹さんと、松本慎也さんのダブルキャストです)


トーマの話題に驚き、耳をすませるアンテとレドヴィ。


エーリク「…どんなふうに、彼は死んだの?」

オスカー「この春、最後の雪の日に、陸橋から飛び下りて…」


動揺しているエーリクを落ち着かせようと、オスカーは、誠実に説明します。


エーリク「…ユーリは、それを聞いて?」

オスカー「変わらなかったよ。

…と言うより、努力して変わらないように見せてたよ」


自分にとっても辛い話を、オスカーは、エーリクを労るように、優しく言い聞かせています。


エーリク「ユーリは…本当にトーマが嫌いだったの?

あんなふうに、トーマが自殺しても…」

オスカー「さあ…。

たとえ、あの茶番劇がトーマを…」


その会話を聞いた瞬間に、『茶番劇』を仕組んだ当事者であるアンテは、凍り付いた表情で、立ち尽くしていました。

振り向いたオスカーは、青ざめたアンテに気がつき動揺します。


(←アンテは以前に、大好きなオスカーを、親友のユーリから引き離す計画を企てました。

そのために、友人のトーマに、優等生のユーリを落とす賭けを持ちかけて、二人がカップルになるように仕向けます。

しかし、その『茶番劇』は、ユーリの知るところとなり、トーマは死の半年前、ユーリから冷たく拒絶されていたのです)


トーマの死が自殺だったと知り、自分が原因を作ったと思い込んだアンテは、絶望して二階の通路に駆け上がります。


オスカー「アンテ!待てよ!!」


必死に彼の後を追いかけるオスカー。


オスカー「アンテ!違うんだ!

聞けよ!違う!!」

アンテ「あっちへ行け!

あっちへ行って!!」

オスカー「関係ない!

お前のせいじゃないんだ!!」


錯乱したアンテは、通路の上で転び倒れながらも、助け起こそうとするオスカーが、自分に近づくことを拒絶します。


(←二階通路の中央部分には、手すりがありません。

そこで倒れ、パニックを起こしたアンテは、とても不安定で、危険な状態に感じられます)


そのとき、エーリクと共に彼らを追って来たレドヴィが、静かな声で告げました。


レドヴィ「君のせいじゃないよ」


その言葉に、はっとするアンテ。


レドヴィ「…僕、トーマの図書券を持ってるんだ。

…盗んだんじゃないよ。

彼が自習室に忘れて行ったんだ」


不安定な通路の上で、皆がレドヴィの優しい声に耳をかたむけています。


レドヴィ「トーマの図書券ね。

ユーリが読んだ本の後を追ってるんだ。

君が賭けのことなんて、持ち出すずっと前からだよ…」


盗癖を抱え、孤独の中で生きてきたレドヴィは、アンテの苦しみを理解し、真実を話すことで彼を救います。

このときのレドヴィは、聖母のような慈愛で、傷ついたアンテを包み込んでいました。



興奮状態が治まり、茫然としているアンテは、オスカーに助け起こされます。

その後、『赦された』アンテは、通路の右側に立つ、エーリクのもとに歩み寄りました。



アンテ「ごめん…」


エーリクの腕に触れ、泣きながら謝るアンテ。

それは、生前に謝ることが出来なかった、トーマに向けた言葉のようでした。


オスカーは、泣き続けるアンテの小さな肩を優しく抱きかかえながら、通路から去って行きました。


もしかしたらアンテは、これまでずっと、トーマの死に責任を感じて、怯え続けていたのかもしれません。


そして、一見ふてぶてしく振る舞っていたアンテが、激しい罪悪感に苛まれる姿を見たことで、オスカーの彼に対する反感は無くなりました。

小さくいたいけな存在を守る兄のように、アンテの肩を抱くオスカーからは、傷つけ合う二人の関係が、確かに変わったことが伝わってきました。


しかし、エーリクの中には、ユーリに対する不信感と、やりきれない憤りが残ってしまいました…。



まだ続きます。

読んで下さって、本当にありがとうございます。