「無意味な花園」のあらすじと感想です(1)激しい雨。 | 1904katuoさんのブログ

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空想組曲番外公演、『無意味な花園』のあらすじと感想です。

沢山の間違いとネタバレ、激しい私見をお許し下さい。



・(脚本、演出) ほさかよう さん

登場人物

・(姫沼のぞみ ・高校教師) 松本紀保さん

・(雨宮 涼 ・姫沼が副担任の高校生)

西井幸人さん

・(芝原律子 ・涼と交際中の同級生)

趣里さん

・(佐川 滋 ・姫沼に好意をよせる、同僚の教師)

瀧川英次さん


・(上演期間) 9月2日~9月7日

・(会場) サンモールスタジオ



舞台上は、後方も左右の壁も、床も黒一色でした。


舞台中央には、白いベッドが置かれています。

(←他には、ほとんどセットはありません)

ベッドの上には、布製の古い、女の子のお人形が置かれていました。


女性の独り暮らしと思われる部屋の中は、脱ぎ散らかした服が散乱しています。

舞台右側には、開いたままの赤い傘が置かれています。


やがて舞台が暗転すると、暗闇にノイズのような、激しい雨の音が響きます。


雨の音が静かになり、舞台が明るくなったとき、姫沼先生(松本紀保さん)が、自分の部屋の中で、後ろ姿で立ち尽くしていました。


(←先生は、40歳くらいの目立たない女性です。

膝丈のスカートの、地味なグレーのスーツを着ています。

茶系のベージュのブラウスのボタンを、一番上まで留めています。

眼鏡をかけて、髪は、後ろで無造作に結んでいます)


やがて、我に返った姫沼先生は、慌てて部屋の片付けを始めます。

彼女が散らばった服を拾う度に、服の下からは、咲き乱れる花たちが現れます。

彼女が、急いで集めた沢山の服を、ベッドの下に押し込んだとき、殺風景だった部屋は、色鮮やかな花園に変わりました。


(←この花園は、人間には見えない、心象風景のようです。

黒い空間に白いベッドが置かれ、その回りを花園が囲む光景は、美しいのに、少しグロテスクです)


そのとき、舞台の左端にある部屋の玄関の前に、姫沼先生の生徒、雨宮 涼(西井幸人さん)が立っていました。


(←玄関のセットはありません。

ドアは、パントマイムで表現されます。

雨宮は、一見今どきのイケメンで、幼さと色っぽさを合わせ持っています)


思いつめたような、悲しい表情で、ドアをノックする雨宮。

しかし、先生がドアを開けると、彼の態度は、突然にお調子者に変わります。


雨宮「いやぁー、すっごいね、雨。

見て、(服も髪も)ビッチョビチョ!」


彼は、スーパーで買い物中に先生に会い、その後の突然の雨に、傘を借りに来たのです。

濡れ鼠のような雨宮を見て、先生は、彼を部屋に上げてしまいます。


雨宮「おじゃましまーす!」


屈託なく部屋に入った雨宮は、借りたタオルで、先生の髪をワシャワシャと拭き始めました。


雨宮「先生も拭かなきゃ」

姫沼「いいよ!あるから自分の!」


以前から、雨宮に惹かれている自分に戸惑う先生は、動揺し慌てて距離を取りました。

一方、雨宮は、制服の白いシャツの前をはだけて身体を拭いています。


姫沼「…風邪引いちゃうね」

雨宮「まぁ、いいんだけどね。

風邪くらい。

なんならちょっと、引きたい気分だし」

姫沼「え、何で?」

雨宮「いろいろあるんだよ。

俺らくらいのお年頃には」


明るく笑っていますが、寂しそうな雨宮。


無断で彼女のベッドに座った雨宮は、布団を掛けて隠してあったお人形を見つけます。

そのとたんに、慌てて人形を奪い返す先生。

彼女は、人形を抱きしめながら、雨宮から逃げるように部屋の中を移動しています。


雨宮「先生も脱いだら?

風邪引くよ」

姫沼「…そんなに濡れてないから」

雨宮「ちょっと透けてるよ」

姫沼「嘘!?」


雨宮にからかわれ、先生は動揺して、ジャケットの前を抑えます。


その後、先生は、コーヒーを淹れるため、キッチンにお湯を沸かしに行きました。

先生が部屋に戻ると、雨宮は思いつめた表情で、彼女の使ったタオルを握りしめていました。

動揺し、見ないふりをして、キッチンに戻る先生。

彼女が戻って来た気配を感じて、慌ててタオルを離す雨宮。


雨宮「…先生さ、今、彼氏とかいるの?」

姫沼「…やめて、そういうの。

ちゃんと自覚してるから!

勘違いとかしてないから!

全部分かってるから!」


恋愛経験が無く、自信の無い彼女は、必死に叫びます。


姫沼「…ごめん、大きい声出して。

お願い、帰って…」

雨宮「興味あったよ。

俺、先生に興味あったよ」


雨宮は、優しく奪うように、先生に口づけます。

驚愕している彼女に、彼は、好きになったきっかけを話します。


クラスの掃除当番がさぼったとき、代わりにゴミを捨ててあげていた先生を見てから、好意を持ったのだと。


雨宮「浴びてきなよ、シャワー。

風邪引いちゃうから」


先生は、茫然としながらも、彼の言葉に従い、シャワールームに向かいました。

一人、ベッドに座って、彼女を待っている雨宮。


そのとき、雨の音が止みました。

やがて、思いつめた、辛そうな表情になり、部屋を去って行く雨宮。


(←雨宮は、無邪気に明るく振る舞ったり、誠実だったかと思うと、醒めた目になり、チャラいバカな子のように笑いながら、一人になると、苦悩する表情になります。

彼が本当は何を思っていたのかは、後半まで明かされません)


一人残された部屋で、先生は、絶望を滲ませながら、静かに独白します。


姫沼「シャワールームで、皮がめくれるほど身体を洗って上がってくると、彼は部屋にいなかった。

私が生まれて初めて期待した、身の程知らずな展開は、ばっさりと斬り捨てられた。

…また、私は選ばれなかった…」



まだ続きます。

読んで下さって、本当にありがとうございます。