舞台『スリル・ミー』2013年の感想です。
良知真次さんと小西遼生さんのペアについて書かせて下さい。
沢山の間違いと、ひどい私見をお許し下さい。
「スリル・ミー」は、それぞれのペアによって、全く違う作品を観ているようです。
そして、それだけではなく、良知・小西ペアは、2012年7月と2013年3 月とでは、別の物語のようでした。
役者が二人と、ピアノが一台だけの舞台は、どのようにでも変化させられることを思い知りました。
(←演奏は、前回は落合崇史さん、今回は朴勝哲さんです)
2013年の良知さんの私は、素直で可愛い普通の子に見えました。
(←2012年の私は、強い自我を持つ、激しさを秘めた性格に感じられました)
今回の私は、19歳という設定よりもさらに若く見え、17歳くらいの少年のようでした。
私のたたずまいからは、彼といないときの生活が感じられました。
そして、この事件で私の親御さんは、どんなに苦しんだことだろう、と思いました。
賢くて優しい私は、ご両親にとって、自慢の息子だったのです。
それに対して、裕福ですが酷い家庭で、愛を知らずに育った彼(小西遼生さん)。
そして、まだ幼い私には、彼の苦しみを理解することが出来ません。
二人が廃屋に放火した次の日、彼の部屋を訪ねた私は、自分のしたことが、父に知られるのが怖い、と訴えます。
その後、犯罪がエスカレートして、二人は窃盗を行うようになりました。
盗みの後で彼は、次は自分の父親の事務所を狙うことを提案します。
彼「金庫の番号は、どうせ弟の誕生日だ!」
(←おそらく、彼の父親は、彼を虐待し、弟を溺愛していたのだと思います)
怒りと苦しみを吐き出す彼。
ですが、私はもう、彼への恋情に引きずられ、恐怖に耐えながら犯罪を繰り返し、その結果、冷たくあしらわれることに、耐えられなくなっていました。
彼の痛ましい言葉に対して
「もう、たくさんだ!」
と叫んでしまう私。
(←もしこのとき、私が彼の苦しみに寄り添うことが出来たら、何かが変わっていたのではないか、と無理なことを考えてしまいました)
私は彼に、抱きしめて欲しいと迫ります。
心が壊れて、人を愛することが出来ない彼に、自分の恋情と渇望を激しくぶつける私。
そんな二人が、身体を重ねる冷たく寂しい夜。
二人の殺人が発覚し、逮捕されたときも、高額なお金で敏腕弁護士を雇ったのは、私のご両親でした。
ご両親は、必死に息子の命を救おうとしたのだと思います。
そして自分は、そのような親御さんがいながら、恋のために殺人を犯す私が、2012年には理解できませんでした。
2012年の良知さんの私の悲劇は、自我の強すぎる『性格の不幸』のように思えました。
ですが、2013年の私を見ていると、どんな人にでも、道を踏み外し、地獄に落ちる危険性があるような怖さを感じました。
(←2012年の私には、自分の行いに対して、はっきりと悪人としての自覚があったように思いました)
良知さんは、ご自分のブログで
『白黒つけるのではなく、芝居はグレーを残す役者として挑戦の毎日』
とおっしゃっていました。
2013年の良知・小西ペアのスリル・ミーは、舞台全体に、柔らかくほの暗いグレーの空気が漂っているようでした。
(←舞台が、セピア色に色褪せた、古い写真のようにも見えました)
そして、朴さんのピアノが、許されない罪を犯した二人の悲劇を、優しく包み込んでいるようでした。
まだ続きます。
二次創作すれすれの私見をお許し下さい。
(´д`;)
読んで下さって、本当にありがとうございます。
(^-^。)。