宮城県から岩手県南部にかけて食されている郷土菓子に「がんづき」があります。小麦粉と黒糖を練ったものに重曹を入れ、蒸して膨らまし、表面に黒ゴマをちりばめているのが「黒がんづき」で、小麦粉と上白糖にもち粉や牛乳を混ぜて蒸し、クルミをトッピングしているのが「白がんづき」です。黒がんづきは全県下で食べられていますが、白がんづきは沿岸部に多い傾向があります。
がんづきの名前の由来は、丸い蒸しパンに黒ゴマをちりばめた姿が月に向かって飛ぶ雁(ガン)に似ているからとか、食感が雁の肉のようだからとの話がありますが、白がんづきの添加物がクルミであることを考えると、合点がいく由来ではなく、もっと違う由来のような気がします。
黒がんづきは、製造が簡単であることから、家庭でおやつとしてよく作られました。一方、白がんづきは家庭よりお店で作ったものを購入する場合が多かった気がします。
ふわふわの黒がんづきとしっとりとしてもちもちとした白がんづき、皆さんはどちらが好きですか?
白がんづき(左)と黒がんづき(右)
(執筆 斗田浜 仁)