枝幸に別れを告げ、オホーツク国道を南東に下っていく。

 海はどこまでも青く、森は深い緑の中、今は北海道の自然が黙っていても笑いかけて来るような季節である。

 雄武町に入ってまもなく、幌内川を通り過ぎた。この川の上流には北見山地が広がり、明治・大正の頃は上流のほとんどの場所から砂金がとれたという。
 

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 ここから網走までは164km、今日の宿泊先となる紋別までは55kmの距離である。

 

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 雄武市街まで、もう一走りした。
昼食時となったので、道の駅「おうむ」に入った。

 道の駅「おうむ」は、オホーツク国道238号沿い雄武町市街にまちのシンボルとして建っている。ここにはスカイキャビン(展望台)があり、オホーツク海の日の出や流氷を眺めにくる人々には絶好の施設であるが、僕は食事だけということでの利用となった。
 ここの名物は韃靼そば、700円の「韃靼コロッケそば」というコロッケ付きのそばを注文した。

 

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 韃靼そばが何物か知らなかったので、インターネットで調べてみた。

 そばは、大きく分けると三種類ある。 普通そば(普通種)、だったんそば(ダッタン種)、宿根そば(宿根種)の3種類。
 

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 そのうち、食用に栽培されているのは、普通そばとダッタンそばの2種類。

 僕らが常食としているのは茶色い実のなる普通のそばで、このそばは甘みがあることから「甘ソバ」と呼ばれ、世界各地で一般的に栽培されている。

 韃靼そばは、別名「ニガソバ(苦蕎麦)」とも言われ、独特なさわやかな苦みがある。このそばは、中国雲南省、四川省、チベット自治区、内モンゴル地区、ネパールなどの、高度2000メートル以上の山岳地帯で栽培されている。

 そして、主要生産地である中国運南省を中心とする高原地帯に住む少数民族の彝族(いぞく)が、ダッタンそばを主食にしている。
 

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 彼らは生活習慣病の発生率が低く、健康・長寿な民族だという。

 実はダッタンそばは古くからその効能を認められていて、中国「明」の時代に書かれた「本草綱目」に「苦蕎麦」という項目があり、昔から漢方薬のひとつとして使われていた。
 また、金の時代の「政和政類本草」という薬草書の中に、「ダッタンソバは胃腸を丈夫にして、気力を増す」という記述もある。
 現在ダッタンそばは、現代人の生活習慣病を予防し治療する自然食品として特に注目を浴びており、「血液がサラサラになる」ということで何度もとりあげられている。

 ちょっと苦みばしった男の味がするような、700円の「韃靼コロッケそば」を食べたあと、少し血液の流れが良くなったような気がしたような・・・しないような昼食だった。 雄武町を過ぎ、興部町を過ぎて、紋別の北西10kmのオホーツク海沿いにあるオムサロ原生花園に到着した。

 オムサロ原生花園はオホーツク海に面した砂丘地帯に約1kmに渡って続く海岸と、渚滑川の河口にある湿原が融合した海岸性原生植物の群生地。6月下旬から7月下旬にかけて海浜と湿原両方の色鮮やかな花たちが、オホーツクの夏を彩る。

 ここは自然の宝庫で、園内の遊歩道を散策すると真紅のハマナスをはじめとする約50種もの美しい原生の草花を見る事ができる。
 

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 駐車場横にはネイチャービューハウスがあり、1階には休憩施設や特産品の直売店、花を紹介した掲示板などがある。
 

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 また、冬は流氷を眺望することができ、流氷岬とも呼ばれている。厳冬の季節にここに来て、流氷を見てみたいとも思うが、今は今の季節を楽しむことにする。