最近いろいろと話題になっているトルコであるが、今回はこのトルコの国の先祖であるトルコ系民族とその大移動にスポットを当てる。
 
トルコ系諸民族は古くから内陸アジアのアルタイ山脈周辺の草原の道(ステップ=ロード)で活動した騎馬遊牧民であり、中央アジアのトルキスタンに定住してからはイスラーム化して広くイスラーム世界に広がり、現在でも中央アジアから西アジアにかけて広く居住している。
 
歴史に登場したトルコ系民族国家を時代順に列挙すると、丁零→高車→鉄勒→突厥→ウイグル→→カラ=ハン朝→ガズニ(ガズナ)朝→セルジューク朝→ホラズム→オスマン帝国→現代のトルコ共和国となる。
 
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トルコの建国は552年、突厥の建国が祖国誕生と見なされ、その後トルキスタンの成立とトルコ人の西方定着となる。
次にトルコ人のイスラーム化が起こり、11世紀以降はトルコ人の国家の興亡の歴史となる。
 
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トルコ系部族の一つセルジューク朝が11世紀に小アジアに進出する。
この後モンゴル帝国に征服されるが、再びトルコ系のティムール帝国(中央アジア)とオスマン帝国(小アジア)の時代となる。
中央アジアではティムール帝国衰退後のトルコ系国家としてカザーフ、キルギス、ウズベク、新ウイグルなどが生まれる。
 
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 一方オスマントルコは、13世紀後半から1923年までの600年以上もの期間、現在のトルコを中心として領土を拡大しながら大帝国として繁栄した。
 最盛期は16世紀、その後領土は次第に縮小。
 
 トルコ人は、もともとは今のモンゴルや中国西域(タリム盆地あたり)に住んでいた人々で、今はギリシャのお隣に住んでいる。
 
 大移動のレガシー(大いなる遺産)のように、中央アジアには、トルコ系の国々(カザフスタン、キルギス、ウズベキシタン、タジキスタン、トルクメニスタンなど)が名を連ねている。