【悪性症候群について】


表 1.
Levenson らの悪性症候群診断基準
    
以下の大症状の 3 項目を満たす、または大症状の 2 項目+小症状の 4 項目を満たせば確定診断 

大症状
1)発熱 2)筋強剛 3)血清 CK の上昇

小症状
1)頻脈 2)血圧の異常
3)頻呼吸 4)意識変容 5)発汗過多 6)白血球増





表 2.
Pope らの悪性症候群診断基準 
    
以下のうち 3 項目を満たせば確定診断

1.発熱(他の原因がなく、37.5°C以上)
 
2.錐体外路症状(下記症状のうち 2 つ以上)
1)鉛管様筋強剛 2)歯車現象 3)流涎 4)眼球上転 5)後屈性斜頚 6)反弓緊張 7)咬痙 8)嚥下障害 9)舞踏病様運動 10)ジスキネジア 11)加速歩行 12)屈曲伸展姿勢 

3.自律神経機能不全(下記症状のうち 2 つ以上)
1)血圧上昇(通常より拡張期血圧が 20mmHg 以上上昇)  2)頻脈(通常より脈拍が 30 回/分以上増加)   3)頻呼吸(25 回/分以上)  4)発汗過多 5)尿失禁
上記 3 項目がそろわない場合、上記 2 項目と以下の 1 項目以上が存在すれば NMS の可能性が 強い(probable NMS)
1.意識障害 2.白血球増加 3.血清 CK の上昇




表 3.Caroff らの悪性症候群診断基準
以下 5 項目全てを満たせば確定診断
1.発症の 7 日以内に抗精神病投与を受けている事(デポ剤の場合 2-4 週間以内) 
2.38.0°C以上の発熱
3.筋強剛
4.次の中から 5 徴候
1)精神状態の変化  2)頻脈  3)高血圧あるいは低血圧  4)頻呼吸あるいは低酸素症  5)発汗あるいは流涎  6)振戦 7)尿失禁 8)CK 上昇あるいはミオグロブリン尿  9)白血球増多  10)代謝性アシドーシス
5.他の薬剤の影響、他の全身性疾患や神経精神疾患を除外できる
1 平成26年1月 訂正




表4.DSM-IVの神経遮断薬悪性症候群診断基準 (3332.92 ) 
    
A.神経遮断薬の使用に伴う重篤な筋強剛と体温の上昇の発現 
B.以下の 2 つ(またはそれ以上)
1) 発汗
2) 嚥下困難
3) 振戦
4) 尿失禁
5) 昏迷から昏睡までの範囲の意識水準の変化 6) 無言症
7) 頻脈
8) 血圧の上昇または不安定化
9) 白血球増多
10)筋損傷の臨床検査所見(例:CK の上昇)

C.基準 A および B の症状は、他の物質(例:フェンシクリジン)または神経疾患または他の 一般身体疾患(例:ウィルス性脳炎)によるものではない

D.基準 A および B の症状は、精神疾患(例:緊張病性の特徴を伴う気分障害)ではうまく説明されない



https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1j03.pdf




自分用メモ。


【悪性症候群】
飲んでから数日くらいで出る。
熱が出る。
心臓ドキドキする。
血圧があがる。
息が苦しい。
汗が出る。
尿失禁する。
筋肉が硬直する。
錐体外路症状がある。(下記)


【錐体外路症状(EPS)】
※ドーパミンD2受容体の過度の遮断、アセチルコリン増加で起こる。

手足が震える
じっとしていられなくなる
体がこわばる
正常に歩けなくなる
動作が遅くなる、または動けなくなる
よだれが出る
背骨が前傾姿勢になる
無表情で一点を見つめる
字が小さくなる
白目をむく
首が上を向く
あごが前後左右にずれる
唇や舌が突き出る
口が閉じられない
上手く声が出せない、かすれる
ものを上手く飲み込めない


【ジストニア】
振戦 手、頭、声帯、体幹、脚、など身体の一部のリズミカルな震え
舞踏運動 チック、首を回すなどの無意味な運動
片側バリズム 激しく四肢を投げ出すように動かす(何かを振り払うように四肢を小刻みに動かす)自分の意思ではない運動
アテトーゼ バリズムよりゆっくりと、アクションが大きい運動、
歯車現象 腕がスムーズに動かずにガチガチと機械じかけのように動く




【賦活症候群】

アクチベーションシンドローム。抗うつ薬、新薬(SSRI、SNRI)で特に起きやすい。

飲み始めて二週間以内に起こる。

自殺、自傷、不眠、敵意、衝動性、パニックなど。




【セロトニン症候群】

薬の増量時に起こりやすい。飲んでからすぐに出る。

軽躁、興奮、錯乱、高熱。

※悪性症候群は筋強剛、セロトニン症候群は不随意運動に出る。




【パーキンソン症状】
便秘になる
尿を出す回数が増える
立ちくらみがある
いくつかの手順を踏む行動が計画できなくなる
もの忘れがひどくなる
においがしなくなる
夜眠れなくなる、日中眠くなる
気分が晴れない
身の周りのことへの関心が薄れる
日常動作をする気力がなくなる
疲れやすくなる
肩や腰、手足の筋肉に痛みがある
体重が減る


または、筋肉が緊張する。


※ドーパミン不足により起こる。









長期服薬になるほど、不快な症状は増えて、寿命も短くなり、入院患者には人権がなくなる。




今でも精神科病院は、精神薬によって患者を殺し続けている。