エミー賞受賞、世界中でこれだけ話題になっているなら、と、Disney+で全10話、見終わった。

 

秀吉没後の豊臣家・三成vs徳川家康という図式にありながら、その他の登場人物がありえない設定になっている事にまず驚きを感じる。ガラシャが按針の通訳という設定、淀殿とガラシャが幼少期遊び友達だったという設定、関ヶ原は御旗が家康に付いたので決戦当日に無血の戦に終わった設定など、不思議な話に首を捻りつつも、暫くするとそれにも慣れ、史実とは別の次元のフィクションとして本編を見進めると、評判通り、よい作品だと納得する。

 

■よかった点。

まず、CGのスケールの大きいこと。巨額の費用が使われている。NHKとの差が歴然。CGの元となる大阪城やその城下が緻密に制作されている。夜のシーンも多く、光が絶妙で、故に恐怖を煽る。綿密に計算された設計がよく判る。

 

イエズス会(ポルトガル)vsイギリスという対立構造を日本の戦国ドラマに持ち込むあたり、流石アメリカ人の発想。当時の日本人からすると、カトリックとプロテスタントの違いを主張されても正確な理解は難しかったと思うが、家康(本作では虎永)が、宗派の違いではなく、対立関係に目を付けるあたり、流石。

 

本編の主演は鞠子(アンナ・サワイ)。この人の英語はすごい。私の持論だが、本当に英語が上手い人は、ささやく英語が上手い人。whisperって、難しい。

 

■そりゃないでしょ、という点。

いとも簡単に切腹を申し出る。主君はそれを止めない。また、簡単に無実の一般人の首をはねる。武士道をはき違えていませんか?これだと単なる封建主義の暴君だ。外国人の原作・脚本に対して、日本人から異論はなかったのかしら。

 

主君の不在時に、敵側の使者を大砲でぶっとばす。初陣前のガキンチョがそんなことできません。このガキンチョは懲りずにまた使者を闇討ちしようとして、失敗する。これだと、指揮命令系統が滅茶苦茶な軍隊です。あり得ません。

 

 

関ヶ原が無血に終わったので、vol.2は設定が難しいですね。