(これも以前のブログですが、現代も同じ状況ですので再掲載します)
私は毎週土曜日の早朝には必ずガラージセールに行ことにしている。マーケットは土、日曜の8時前にはオープンしないと事務所から苦情が入る。それで急いで見て廻り、その後すぐに店に入って開けるのである。
ガラージセールは通常7時からやっているが、夏になると6時から始めるところもあって、この時期だけは数多く見て廻ることが出来、良い品物、ぼろくち商品なども手に入りやすい。
店はおもにセコンドハンドの品物ばかりを販売しているから、この買い付けは私の仕事の一部でもあり、買う喜びと共に、遠慮なしに他人の家におじゃまをして、その家の内装とか生活環境を観察出来る楽しみがあり、レクレーションとしても最適である。
仕入れはこの他にオークションでも手に入れている。しかし落札金額がかなり高いのと11%の手数料がいる。私の場合落札品は電子機器が多いので壊れていたら災難である。オークション前日にテストは出来るが、詳しいチェックをしようとすると係員があまりいい顔をしない。遠慮しながらでは充分なテストは出来ないのである。その点ガラージセールでは気に入ったように点検出来る、それに一般家庭の人はたいてい正直なので壊れていれば言ってくれる。ガラージセールは原則として返品は利かないが、故障がないとして売った場合、壊れていれば苦情に来てトラブルになるから、どうしても真実を言うのである。
中にポーカーフェイスで「テストをしていないから分からない」という人がいる。この場合99%は壊れていると取るべきである。私の場合限られた時間内で見て廻っているから、ほとんどその場でテストはしない。そこで売り手の言葉とか微妙な顔付きで判断をする。まる7年もこの商売をやっていると、その的確さが自然と身に付いてきた。
それに教材だと思って買うから、たとえ修理不能でも研究用として内部パーツの構成を見ることが出来、技術の向上となる。細かく分解してしまえばそのパーツの再利用も可能である。今までそれらを貯めていたら相当量の部品が集まった。このようにして私はあらゆる種類のオーディオ機器の修理が出来るようになった。古い製品でも部品があるから修理が可能で、同時に故障箇所を見つけ出す面白さ、一日中やっていても飽きの来ない楽しい作業である。
昨今、新品で格安の中国製品が出回り、修理するより買い替えの時代で、中古製品の販売は非常に難しくなった。メイドインチャイナ製は外観のデザインがきわめて良い。でも部品や特に材質が粗悪で保障期間が来ると壊れるように作られている。また交換部品はほとんど手に入らない。つまり修理が出来ないように設計、製造されているのである。私も何度か試みたがパーツを接着剤等で固定しているので外すことすら出来ない、壊れたが最後ゴミ箱へ捨てるしか方法がないのである。考えてみれば実に資源の無駄使いだと思うが、それをやっと世間の人々も気付き始め、古くても品質の良い日本製オーディオ機器を探しに来る客が出始めた。私は修理と共にオーバーホール、内部の掃除も徹底的にしているから、たとえば30年前のチューナーやアンプ、レコードプレイヤーでも、再び10年くらいは使えるようになる。それに古いモデルのオーディオはありふれたパーツを使っているから、部品も手に入りやすく修理も簡単である。日本ではPSE法が制定され、このような品物は売れなくなったが、でも新製品なら絶対安全かというとそうとも言い切れない。全体に手抜き工程でチャチに出来ているから、PSEマークが付いていたとしても、年数が経つほどに、危険度は増して来るだろう。
昨今流行のCDコンポーネントステレオは小型でたくさんのディスクが挿入出来、操作も簡単だが数年経つとCD部分がすぐに壊れる。これは電子部が繊細なデジタル回路に対して駆動部はおおざっぱなアナログ駆動に出来ているからである。レーザー光レンズとか小さな可変抵抗のホコリや錆、ギヤーの油切れ、それにゴムベルトが古くなって、たるみが原因である場合が多い。顧客からそんな修理品も多く、これらは何の問題もなく修復出来る。でも駆動コントロールユニットのLSIチップが壊れていることも多くて、この場合ボード全体を取り替えねばならない。そうすると、部品の入手が困難だったり、又は非常に高く付いたりするので、諦めざるを得なくなり、買い替えとなる。こうなるとメーカー側の販売戦略の一環に入ってしまうことになる