店長に事情を告げると、商談用のテーブルに案内された。電話が置いてあり、そこから店長直々にビッグポンドへ連絡を取ってくれた。ところがなかなか相手が出て来ない、「同じ系列の会社なのに、何をもたもたしているのだ」と思った。彼は「つながるまで時間がかかりそうだよ」と、私に目で合図をしながら電話機を片手に待っていた。

昨今、大組織の会社に電話をかけると留守番電話のようなアンサーリングフォーンに切り替わって、請求書の問い合わせは1番、一般業務は2番、3,4,5、多い会社では10番位あって、用件によって、次に押す番号を指定し、そのあと長い間待たされる。相手は機械の音声だし、まったく味気ないシステムに変わってしまった。

近年、あらゆる機器がハイテクニック化され、いろんな意味で便利になった。でも相手側との距離がどんどん開いて行く気がする。面前に大きなカーテンが降ろされ、他と完全に遮断された状態、コミュニティ全体が不親切で冷たく感じるようになった。

電話も先方の態度が一方的で、サービス面は急激に低下し、そして以前よりもずっと手間や時間がかかるようになった。受ける側は好都合かも知れないが、電話する方としては全くやりきれない。本当に不便になったものである。何時からこんな世の中になってしまったのだろう。本来電話の目的はテレフォンコミュニケーション、対話が最重要ではなかったのか。

20分後やっと電話が通じた。事情を話し、「入会手続きをしたテルストラの店長からだ!」と伝えたその日から、二度とインターネットが途中で切れることはなかった。やっぱり、そうだったのである。ビッグポンドは、インターネットアクセス中はテルストラが電話料金を得ることが出来ない。それで時間が来ると切れるように設定し、業務協力していたのである。同系列の会社だったから仕方がないとは思うが、そして苦情を云う客にだけ、その設定を解除していたようだ。周囲に確かめてみたら、やはり同じ問題で悩んでいる人がいた。

それ以来、私はプロバイザーの移り換えを始めた。いわゆる他社へのはしごである。当然アドレスも変わるが、そのつどメールの相手に通知すれば良い。これはプロバイザーによってコンピューターの設定方法が異なり、そのセッティングのやり方を知る上でも必要であった。各社が値下げ競争激化の最中、契約期間も短かったので、丁度良い機会となった。

ワンテルワンネットから始まってビッグポンドへ移った。次はオースターネットへ移転し、続いてプライモスへ換えた。それからオプタスへ移転して、最後にディジプラスで落ち着いた。これでほぼ各社の設定方法がマスター出来、大きな自信となった。将来これが、私のパソコンサービス業で非常に役に立ち、生活の糧となっていった。

同時に一抹のテルストラへの不信から、電話会社も換えることにした。プライモスは他と比べ、小さな会社だが、ラインレンタル(基本料金)が安かったので入った。しばらくして、請求書が送られてきた。インターネットはローカルコールだと前に述べたが、その回数が異常に多いのに気が付いた。内容を詳しく確かめたいので明細書を送って欲しいと電話したら、「手数料が4ドル50セントだ」と言う。おかしな請求だと思ったが、それでも良いからと頼んだ。

送られてきた明細書をみると時間ごと、頻繁にインターネットの接続が行われていた。早速会社に電話すると、「我社はローカルコールのみ管轄外で、必ずテルストラを通すことになっている。テルストラから送られてきた請求書に、数セント、当社のコミッションを追加して、そちらへ請求するのだ」と不満げに言った。「それでは何のためにラインレンタルを取るのか?」と聞いたら、「そのような契約になっているから」と答えた。そう云えば請求書を送られて来るのが遅すぎる。一ヶ月以上もかかっているのである。こうなったら、どうすることも出来ない、諦めざるを得ないのだ。

その数ヵ月後、電話会社をオプタスへ換えることにした。たまたま勧誘の電話があって、OKと云っただけである。この国では、その手続きはすごく簡単で、電話で同意するだけで自動的に前者がキャンセルとなり、番号もそのまま移動される。本当に便利な制度である。

ところが、この会社は、聞くところによると、他のどの電話業者よりも悪質な請求をして有名であることが分かってきた。