私のインターネットアクセスは毎日一回か二回である。同じ日なのに6回とか15回の時もある。それも間隔が一分後、二分後、五分後と非常に短く、頻繁に切断と、コネクトが行われているのである。これではインターネットを接続状態に保つことすら不可能となる。しかもコンピュータースクリーンにはその時間に切断中とのメッセージは一切出なかった。切断された状態なのにアクセスを続けていた不思議な状態である。
通常の電話もコンピューターで管理されているから、顧客の記録は電話会社に残っていて、すぐに取り出せる。そのデータを元にして、この明細書は人間の手により、後から追加記入をした、いわゆる改ざん捏造明細書以外の何物でもないと確信を持ったのである。
早速テレストラへ電話を入れた。お互い明細書を見ながらの話し合いとなった。「それはインターネットプロバイザーの責任で、そちらへ苦情を言って欲しい」と逃げた。「プロバイザーに聞いたら、テルストラが原因だというから電話した」と、私は嘘を付いた。「それならコンピューターの故障だと思うから、テクニシャンに相談して欲しい」ときた。「私はコンピューターのテクニッシャンである」と云うと、急に相手の態度が変った。
そしてもう一度、明細書を見るように言って、「そちらが指摘した部分は全部取り消すから、それを引いた金額だけ支払えば良い」と言い出した。まだ苦情の云いたい箇所はあったが、この抗議で確かに効き目があった。次から私には絶対オーバーチャージはしないだろうと思い、OKと云って電話を切った。
次の月は何の問題もなかった。カレンダーの記録は続けていて、それと正確に一致していた。以前の抗議で、もう二度とオーバーチャージをしないだろうと安心していたその矢先、その次の月、ローカルコールが異常に回数の多いことに気が付いた。さては又やり出したなと思い、早速明細書の送付を頼んだら、今度は手数料が5ドル50セントいると言うのだった。しかたなく取り寄せて比較してみると、以前と全く同じパターンで、インターネットだけが、短間隔に切断したり、コネクトしたりを繰り返していた。この明細書の手数料にしてもおかしな話である。電話会社が間違った請求書を発行し、それを確かめるための要求であり、こちらには何の落ち度もないのである。
以前マーケットでオーバーチャージの件で数人のストールホルダーに聞き回ったことがあった。その時、空きストールで婦人衣料を売っている女性に出会った。偶然にも彼女はつい最近までテレホンサービスの仕事をしていたと言う。それもテルストラの顧客から、苦情を受け答えする係りの一人で、毎日たくさんの電話を聞き、一日で3000件以上にも達したことがあったそうだ。彼女は非常にきつい感じのするおばさんだった。
この職業のことを、テレマーケティングという。日本でのテレホンセンターである。大勢の人を雇って一箇所に集め、そばに電話とコンピューターを置いて、数社から委託を受けて、顧客専門に電話のサービスを行う下請け業者である。
依頼した会社は、電話によるすべてのサービス業務を扱ってくれるから非常に便利だが、そのかわり、すべての情報提供とその他に業務内容の説明もせねばならない。個人情報を伝えることはもちろん、顧客との受け答え、対応、サービス全般の方法も教えねばならないのである。
自宅に居ると頻繁にドネイションとか勧誘の電話がかかってくる。インド人アクセントの強力な人が多く、どうもテレマーケティングチェーンの経営者がその系統かも知れないのだが、非常に厚かましく、しつこいので困っている。彼らは私達の個人情報のすべてを手にしているようである。
昨今、問い合わせとかで電話会社やインフラ会社、プロバイザーに電話をすると、必ず住所、氏名、生年月日を聞かれる。その確認にパスしないと、話しは聞いてもらえないシステムになっている。この国には個人情報保護法という法律があるのか、ないのかは知らないが、私たちの個人情報がこれらの会社を通じて漏れていることだけは確かである。
もっとも私が移民として、この国に入国した時点で、オーストラリア政府より番号が付けられている。日本で問題となった国民総背番号制で、私のすべての情報と財産まで政府によって完全に把握されているのである。