エコ?エゴ? | 上海夢覚録

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上海系他中国ネタ、たくさんありそうなので、これでいきます。

 最近ビックサイトの展示会を訪問し、
二次電池や水素に関して様々な見聞を
する機会に恵まれた。

 燃料電池自動車に水素をチャージ
するスタンドは「水素ディスペンサー」
というのだそうである。
 確かにすげえけど、今のガチガチの
高圧ガス保安法をどういうふうに
緩めるのだろう。
 
 これらの圧力は40MPaとか70MPa
とかいうべらぼうな高圧、わかり易く
かつての単位系で申し上げれば方眼紙の
1マスに400kgとか700kgの力が
かかっているという異様な高圧である。
例えば内圧100kg/cm2としてもそれが
漏れ出ている所に指を近づければ、
指がスポンとちょん切れて飛んで
いきまっせ!

 まあガソリン車と言えどもシートの
まん前か真下でガソリンが常時爆発して
エンジンが動いているので、危ないと
言えばそれまで。水素自体もさほど
難しい技術がなくとも車に搭載し、
安全走行も可能と言えば可能だが、
平素高圧の圧力容器をこしらえている
小生にとって、高圧=危険という意識は
あまりにも重く、消えそうにない。
 本当に3年後とかに実用化されんのか?
まだ信じられん。

 セルフのガソリンスタンドにヤンキー
兄さんが煙草をふかしながら入ってくる
ような感覚で水素スタンドに入ってくると、
危ないだろうね。本当に安全とエコを
重く考えるのであれば、がんじがらめの
警報装置を付け、監視員でも雇うしか
ないだろう。



 また、エコ=エゴは考えてみるとごく
最近ひどいのがあった。テレビである。

 薄型大画面液晶テレビとアナログ放送の
中止、これで発生した「負の側面」を
思い出して新技術や新インフラを構築
せねば大問題になる。
 チューナーを取りつけてもデジタル放送
に適応できないブラウン管テレビが山林や
海岸べりに何台不法投棄されたか、これが
テレビだからまだ問題が小さかったという
だけで、例えば使わなくなったガソリン
スタンドをすぐ更地にして家を建てられる
のか、そこで使っていた機材は家庭の
粗大ゴミを処理するがごとく容易に、
なおかつ正しく処分できるのか、、、

 これらの問題に関してお国や大会社は
どうお考えなのか。

 テレビで得したのは家電メーカーや
量販店。バックマージンをもらった政治家
やお役人。
 そして一般庶民もポイントで得した。
いちおうウィンウィンにはなったが、
恒久的ではなく一時。目先の得。テレビ
なんかそんなに何度も買い替えないから
たいした経済効果は出なかった。
 そしてブラウン管テレビの不法投棄。環境
を考えればこれほどマイナスなことも
滅多に無い。これはエコ?エゴ?

 うちのかみさんなんかポイントで貰った
金券も全て現金化して銀行口座に
ぶち込んだ。これはエコ?エゴ?

 一時のへんちくりんな宗教チックな熱狂は
往々にして失敗するよね。

 特に「エコ」に関しては報道は誘導的な
言い方をしているだけで、庶民や企業の
「エコ意識」は決して高いようには
思われない。
 平素よく感じるのはお上の誘導で
無理矢理「エコ」の型にはめられてみんな
苦労しているということぐらいか。
 製造業の現場人たちは親に「宿題をやれ!」
と怒鳴られて嫌々宿題をやっている小学生と
同じようにエゴににしかならない偽物の
「エコ」にまつわる決まりを遵守させられて
いるような気がしてならない。