おバカな私はこの映画に出会うまでノワールという言葉を知らなくて、フランス人監督の名前かなって思ってたのよ💧
映画のジャンル名なんだね😅
って調べてみた結果、「皇帝のために」はかなりフィルム・ノワールの特徴に基づいて作られているんだ✨って思ったんだよね。
フィルム・ノワールが生まれた背景(1950年代までの特徴)
まず、フィルム・ノワールが生まれた背景が面白いので以下にメモしておく。
第2次世界大戦中にナチスの迫害を逃れてハリウッドへ亡命した映画製作者たちによって作られ始めたそうだ。マイナーな映画会社から低予算・短期間で製作しなくてはならなかったため、以下のような厳しい条件があったらしい。
•上映時間が1時間半前後に抑えられている
(メインとなる華やかなメジャー作品と二本立てで上映可能にするため)
•他の映画で作られたセットを使い回し
(大都市が舞台が多い)
•無名俳優を起用
•脚本家は短期間で多数の作品のシナリオを量産
(違いを際立たせようと極端に破綻した性格の人物を登場させたり、物語進行を無理に混乱させて観客の印象を変えようとした。)
•厳しい倫理コード
(直接的な性描写、暴力シーンがNGのため隠喩で表現)
•モノクロ画面
(作品に緊張感を与える効果に寄与)
しかしこうした一見不利な条件にもかかわらず、ハリウッドに異質なカテゴリーを確立させ、結果的に1950年代のアメリカ社会で広く観客に受け入れられることになったそうだ。
1960年代以降の変化
フィルム・ノワールは1960年代に一度衰退するんだけど、その独特な物語構造や映像表現手法は世界各国に広まり、その後も多くの映画に流用されていったらしい。加えて以下のような変化が見られ、作品の趣がかなり変わったらしい。
•カラーフィルムが標準に
(あえて白黒にすることもある)
•倫理コードの緩和によって、ベッドシーン・暴力描写や卑語の使用がOKに。
フィルム・ノワールは各地に広まり、香港ノワール、韓国ノワールなどとなってそれぞれがある意味ジャンル化して定着していったんだんだね〜✨
フィルム・ノワールの一般的特徴
フィルム・ノワールは学術的な定義はないらしいけど、Wikiにフィルム・ノワールの特徴が列挙してあったので「皇帝のために」にあてはめてみた。(赤字)
- 舞台設定(現代の大都市)→釜山
- 視覚的スタイル(コントラストを強め陰影を強調した画面)→暴力シーンは暗い画面
- テーマ(犯罪、詐欺、離別、精神疾患など)→犯罪
- 登場人物の性格(ハードボイルドな男性主人公→イファン、謎めいた女性→そんなに謎めいてないがマダム?でもイファンの相手役はむしろサンハだろうか。)
- 物語手法(時系列を複雑に行き来する構成、説明省略の多用など)→この手法のために物語が難解になっている。
- 全体的なムード(社会に対するシニシズムや憎悪、閉塞感)→世界観はまさにこれ
ねっ!
「皇帝のために」はフィルム・ノワールの特徴に基づいて作られていると思わない?
あ、でも他の韓国ノワールあんまり見たことないけどね(小声)💦
では次の記事でネタバレ解説を試みま〜す🖐️
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