「青空の扉」に収録されている曲

 

「あれから二人」

 

この想いがどこに辿り着くのか

今はまだわからないけど

重ねた唇の その柔らかな温もり 感じてる

 

いつも放課後 君が 教科書を抱えて

グラウンドを歩く姿 遠くから見送っていた

校舎の窓にもたれて 16才の夏

 

あれから二人 別々の夢 追いかけ 街をさまよい

あれから二人 別々の愛 失い 

今夜 いたわるように ふれあう

 

俺のレコードを 聴いたことがあると

からかうように話す君の 髪をかき上げる癖も

笑い声も 仕草も あの頃のまま

 

駅のホームで君を見たとき 夢中で追いかけた

思い出話 途切れる頃には 気付いた

今でも君が 好きだと…

 

君が駆け抜けた日々の 痛みも喜びも

感じる 君の肌から 君の吐息から

 

傷つく事も 失う事も 覚悟の上で 恋に落ちる

裏切る事も 奪い取る事も 恐れず

今夜 いたわるように ふれあう

 

失くした愛も くじけた夢も かかえて

いたわるように ふれあう

 

 

ご存じの通り省吾は、不倫を描いた曲がやたら多い

一口に不倫と言っても色々な形やパターンがあって

省吾の不倫の曲も単色単パターンでは無い

この曲はきっと「ダブル不倫」の歌なんでしょうね

 

作品の材料に自分の事が入っているように見えます

省吾が不倫しているという訳ではなく

あくまでも物語の材料(笑)

 

主人公はミュージシャン

「俺のレコードを聴いた事がある」と

からかうように話す君の…

 

片思いだった同級生なのか 高校生の時の彼女なのか

イマイチ彼女の元位置がわかりませんが

その彼女に本当に久しぶりに偶然出会ったのか…

省吾自身が本当にクラス会などに参加したのか…

近い人に聞いたエピソード話なのか…

まあそれはどうでもいいけど…(笑)

 

実際あったシチュエーションを材料に使ったのでしょう

しかし、CDでも配信でもないからね

小道具はレコードだから(笑)

昭和のおじさんやおばさんは惹かれてしまう訳です(笑)

 

この作品は数多い省吾のバラードの中で

「私の好きな省吾バラード」ベスト3に入っています

私もこの年齢だから

別に不倫が羨ましいわけでも

あこがれているわけではないです…(笑)

 

私がこの曲に惹かれる理由は

 ①歌詞とメロディが驚くほどピッタリ

 ②聴き手にあるあるのノスタルジーを感じさせる

 ③偶然の再会なのかクラス会などでの再会なのか

  会話内容や心の声があるあるのリアリティさを

  聴き手に与えてくれる

 ④大人の恋愛である

 

要するに単純な話 こんなんが好きなんやね〜(笑)

 

でも細かく分析すると野暮ったくなるからあかん(笑)

 

毎回言っていますが

省吾が書く詞はドラマの脚本的な描き方をする為

場面場面が映像としてイメージしやすい点と

画の色合いが明確に出やすい点

 

この曲の物語は3つの「時」に分かれている

 

いつも校舎の窓にもたれて彼女の姿を目で追っていた

片思いのような高校時代 

色合いは褪せたセピア色

 

クラス会か二次会で再会したのか

駅で偶然見かけ追いかけ声掛けて再会したのか

高校卒業してから結構な年月がたっての再会

その後、お茶したり お酒したり 親密さが増していく

彼女の笑い声、髪をかき上げる癖、仕草

昔のままだと認識しながら高校時代を思い出している

そしてまだ彼女に恋心を抱く自分に気付く

原色に薄いフィルターが掛かった色合い

 

そして現在、今……

高層ホテルの一室で二人は重なり合っている

色合いはハッキリした原色だが暗い

スタンドライトの間接照明だけが小さく滲むように光る

 

この3つの「時」のエピソード話と

それぞれの「時」が持つ色合いが

交互に切り替わりながら曲が進んで行く

 

ノスタルジアな青春時代の思い出と

良かった事も傷ついた悪い事も

歩んできたそれぞれの人生の足跡が

頭の中で交錯しあって

心が揺らぎながらも単純に重なり合う

 

お互い異性としての親しみとタイミングが合えば

ごく普通の流れなんでしょうか

 

年齢を十分重ねてきた大人同士だが

今は全く先の事を考えられない

ただ絶えず

いたわるように触れ合っている

 

とにかく素敵な曲です

 

 

本当に省吾もKAIなどと同様

演歌っぽい泥臭さが売りのロックシンガーですね

 

昭和の日本人が好む

「背中で泣く」とか「背中で表現する」とか

「自分の気持ちよりも相手の事を考えた愛情表現」とか

「一歩引いて躊躇した心の揺れ」とか

「さまざまな男と女の傷痕」など

それぞれの言葉で表現して

それをメロディアスな曲調に乗せて歌い上げている

 

今では流行らない、鼻で笑われそうな

昭和日本人特有の「美徳」「美学」のようなものかしら…(笑)

 

だから省吾とKAIの共通点は

ストレートな純愛ソングが少ない(爆笑)

 

去年のFFFのMCでもボソっと省吾さん言ってたね(笑)

KAIは自虐的に笑い話のようにいつも言ってる(笑)

 

そういう国民性の部分やそういう時代でもあり

それが普通…だった

ミュージシャンの性格もあるけどね…(笑)

 

ドリカムの美和ちゃんが

ストレートに「好きだ」とか「愛してるよ」って

「真っ直ぐな純愛」を歌い、爆発的に売れ始めた時

びっくりしたと同時に

歌詞聴いて 訳なく泣けてきたもんね(笑)

 

これは年齢も関係しているかもしれない

今55才の美和ちゃんの年上の人達はビックリした人が多い

でも年上の人達も その後やたらこの直球にハマったね〜(笑)

私もドリカムは未だ欠かさず夫婦でライブに行っている

 

時を戻そう(笑)

 

だからこそ古手のミュージシャンに

若いファンが増える事が非常に嬉しい

平成生まれの方々が親の影響で省吾を聴いたり

ライブに参加したり とても素敵なことと思います

 

先日も女優の小芝風花ちゃんが

お母さんの影響で大ファンになったKAIBANDの曲を

KAIに貰ったギターで弾き語りをして話題になりました

 

23才の女性が42年前の曲「氷のくちびる」

KAIが今の風花ちゃんと同じ年齢の時に書いた歌詞

「抱かれても一つになりはしない心で~」の部分を取り上げ

「何てセクシーな詞なの~凄くな~い?」なんて言ってる

昭和の日本人が好む演歌っぽい泥臭い歌詞をです(笑)

 

素晴らしい事ですよね

日本の音楽界にも歴史や歩みがきちんとあって

若い方々もきちんと過去も理解し

非常にレベル高く受け継がれている

 

寂しい事だが、もうしばらくすると私たちが聴いてきた

ライブに参加してきたミュージシャン達の生の姿や声を

観たり聴いたりする事が少なくなってくる

 

私たちの青春時代の代名詞的存在の人たちがこの先

一人一人亡くなり居なくなっていくんですよね

当たり前の事で 仕方ない事ですよね

聴いてた私たち自身の年齢がかなり重なりましたから…

 

時を戻そう(笑)  くどい…(笑)

 

前々前回のFFFを覚えていますよね

「THE MOONLIGHT CATS RADIO SHOW」の回です

 

 

2部構成の2部はオリジナル曲 のみのセットリスト

 

「花火」

「あれから二人」

この2曲を連続で歌ってくれたんだよね

 

バラード曲の時の礼儀

「声には出さず口ずさみ一緒に歌う」

本当に嬉しかったな~

声出さず!思いっきり歌ったわ~(笑)

 

この日のFFFは一生涯忘れないだろう

好きなバラードを演ってくれた事もあるが

 

2017年10月29日(日)名古屋センチュリーホール

当日は台風の影響で開演前は どしゃぶり ずぶ濡れ状態

省吾も「みんなが帰る頃は台風は過ぎて晴れてるから」

 

 

その通り、終演後は空気がとても澄んでいて

綺麗な月と星がやたらまぶしい夜の中

車を飛ばして帰ったな~

 

 

「浜田省吾」のファンであろう省吾の奥様は

省吾の曲を毎回楽しみに聴いているんでしょうね

 

この「青空の扉」のアルバムもこの曲も

もう24年前なんですね

時がたつのは早いな~(…しみじみ)

 

発表した平成8年の頃も

奥様はじっくりと聴かれたんでしょうか?

 

あくまでも妄想ですが…(笑)

 

奥様一人 家のステレオでこの曲を聴きながら

 

「そういえば省吾、前に広島の高校のクラス会がある

 いつも欠席だから今回は参加だと行ったな~」

「有名人だから結構チヤホヤされて

 困ったとか言ってたな~」

「この主人公は うちのご亭主様だよな~」

 

などと色々思いを巡らせたかもかもしれません(笑)

 

「浮気はしてないと思うけど

 うちのご亭主様、この曲の内容は願望なんだろうな~

 きっと色々妄想しながらこの曲を書いたんだろうな~」

 

悪いことされたり裏切られた訳ではないのに

何故か少しだけ面白くありません(笑)

 

「今度、チクチク虐めてやるか」などと24年前

奥様は意地悪そうに微笑んでいたのかもしれません(笑)

 

省吾 どこかの窓にもたれ 43才の夏