イヌの腎不全・尿毒症 イヌもネコもヒトと一緒です | Dr.dorothy ドロシーの心と身体に役立つブログ

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猫が大好きな救急女医が心と身体の健康を目指すコーナー
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実家で生活していた〝ボタン〟が2023年7月7日七夕🎋の日の朝4時15分、天国に旅立ちました…

母親はこの子と生活して16年、さまざまな想いがあった事と思います。
私は仕事のため最期に立ち会うことは出来ませんでしたが、仕事が終わってから実家に会いに帰りました。

 

 

  ボタン 腎不全と診断

ボタンの発症からの経過

2023年 2月27日

後ろ足のふらつき、食欲低下、多尿あり動物病院受診。

B.T 37.3度、HR 28×6bpm

血液検査BUN>130,Cr 3.7, P 15.7,Na 163, K 3.7

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血液検査より腎不全と診断。

2-3日に1回、約100mlのラクトリンゲル点滴を開始

 

2023年(令和5年)3月29日

血液検査BUN95,Cr 3.2, P 10.6,Na 146, K 4.8

高P(リン)血症に対しレンジアレン開始(1包/日)

2023年(令和5年)5月某日大学病院受診時

BUN 80, Cr 2.0, P 7, SDMA 60

 

2023年(令和5年)6月某日

BUN 200 over

P 20

SDMA 100 over

 

 

腎機能低下:高P(リン)血症

腎不全と診断するに至った血液検査はヒトと同じです。

BUN(尿素窒素)Cr(クレアチニン)を確認します。

そして腎機能低下があるとP(リン)が上昇をしてきます。

Pは体内に存在する電解質ですが尿から排泄されるものです。

腎機能低下が激しいと、このリンが排出されず高P(リン)血症をきたします。

⇒この高リン血症は体に様々な悪影響をもたらします。

 

早めにSDMAをcheckしよう!

腎機能低下を早期に発見する検査として動物には「SDMA」という血液検査があります。

これは糸球体濾過率(GFR)が低下すると上昇してくるものです。

BUNやCrよりも早期に腎機能低下に気付くことができる検査のようです。

 

腎機能に問題ない時のSDMAの値 ⇒15μg/dL未満

うちのボタンは大学病院を受診時にSDMAを測定し60でした。

その値は経過するごとに上昇し、値として測定できないレベルまで上昇をしました。

 

SDMAという検査があることを知ったのは大学病院を受診したときからでした。

病院によっては検査できない項目のひとつでしょう。

早めの腎機能低下を知りたいときはこの「SDMA」を検査しましょう。

 

 ボタンもお母さんもお疲れ様。 よく頑張ったね・・・

 

腎不全と診断されてから約4か月、ボタンは頑張ってくれました。今年の3月から約2か月間、我が家でも一緒に生活しうちのニャンコ達とも家族になりました。

ボタン、本当にありがとう。よく頑張ったよ。そして最期まで毎日ボタンの近くに寄り添って介護してきた母、本当にがんばったよ。お疲れ様。


「虹の橋」を読みながら

一緒に暮らしてきた動物が天国に行ったときは、やはり「虹の橋」という本が頭に浮かびます。

『愛するペットとの別れは永遠のものではありません。どうしてか? 』

『だって、いつか「虹の橋」で再会できるのですから・・・』