数日前は朝6時からびっくりしました。
何かが私の部屋の窓ガラスにぶつかる音がしたのです。結構な衝撃音でした。下を見てみると雀の2倍ほどの野生の鳥が倒れていました。
私はとっさに鳥の近くに行き体を触って確認してみました。
体は殆ど動かない。
呼吸はあるけど、なんだかきつそうな呼吸。浅くて速い。
脈はどこで確認すればいいか分からなかった。。
全身観察してみて明らかに外傷は表面的にはない。
しかし、口腔内からじわじわと出血があった。血液は綺麗な色でさらさらしている。
夜間動物病院はもう既に閉まってしまっている時間。通常の動物病院もまだ閉まっている時間。
何か出来ることはないかと考えていると、すぐに呼吸が浅くなって呼吸停止した。。。。。
こういった事は初めての経験でありショックでした。
小さな体の生き物が目の前で力尽きていく姿を見て、何も出来ない自分がいる。
医者とはいえ、他の生き物になるとこんなに無力なのか・・・・・と感じました。
口腔内からサラサラした綺麗な色の血液が出ていることを考えると動脈から出血していて頭を中心にかなりの衝撃を受けたものと考えました。衝突後、あっという間に息絶えてしまったことを考えるとかなりの高エネルギー外傷と考えます。
頭を中心に体内ではあらゆる場所で出血している可能性も考えられました。
こういう経験をする人は少ないかと思いますが、今後経験するかもしれない。
そして自分の学びのために「どうすべきなのか?」調べてみました。
≪野鳥の急変時≫
まずは野鳥が感染している可能性もあることを頭に入れておこう!
予防のために必ず手袋をつけて体に触れよう!タオルを持っていこう!
直接触らない。。。私はとっさに触ってしまいました・・・・・
そして確認
①気道は開通しているか?呼吸はあるか?
吐物や出血で窒息している可能性もある⇒綿棒等で口の中をぬぐってあげる。
<鳥の呼吸様式>
息を吸うと➡まず(後)気嚢に蓄える➡肺を通ってガス交換(酸素を二酸化炭素に交換)➡(前)気嚢から二酸化炭素が排出される
ここで、聞きなれない『気嚢!』これは下の図を見てみてください。
ここでのPoint!
●鳥の肺も左右ある(しかし、人と違って肺は収縮しない)
●肺には気嚢という袋が全部で9個くっついてる
●肺は人と違って収縮・拡大しない。代わりに収縮・拡大するのは9つの気嚢!!(鳥があれだけ持久力早く飛べるのも、この気嚢があるからかもしれませんね。。。。。とても効果的な機能を果たしています)
➡気嚢がたくさんあるため、やみくもに胸部を圧迫することは呼吸を障害するので注意!!
呼吸がなければ気道確保し人工呼吸(動物病院であれば気管挿管し1分間に約10回呼気を吹き込む)⇒これは人と一緒です・・・
ただ、くちばしから息を吹き込むため、慣れていないせいかやりにくかったです。
②循環(血圧は保たれているのか)
鳥の血圧測定は難しいようです。。。。。(うちのニャンコ様の血圧は動物病院で測定できてますが・・・)
心臓マッサージの方法;
→腹側を上にする。おなかの皮膚と羽毛をつまんで胸部方向へ突き上げるイメージで 圧迫
圧迫の回数は種類によって異なると思われます。
(理由)
鳥は大きさによって心拍数に大きな差がある
例えば・・・ダチョウだと30回~60回/分
スズメは約800回/分
こう見てみると、回数や圧迫部位は少し異なりますが心肺蘇生の方法は人と同じです。
野生動物の緊急時対応が少しでも出来るようになりたいと感じています。。。