【テーマ・きゅうしょく】


うんとこしょ
どっこいしょ

定かな記憶ではありませんが
子どものころ学校で
「おおきなかぶ」の寸劇を
した覚えがあります

何の役だったやら
残念ながら思い出せませんが
前の子の身体や衣服に触れるのが
どうにも申し訳なくて

とても遠慮しながら
引っ張るふりをしたものです


娘が小学一年生のとき
やはり国語の教科書には
「おおきなかぶ」が掲載されていて
やはり寸劇をしたそうです

娘はねずみの役だったようで
かわいいねずみの
お面を持ち帰ってきました

天敵ねこの
お面をつけたお友だちの
身体や衣服に触れながら

おおきなかぶを
抜いたのでしょう

あの日わたしが
遠慮しながら引っ張っていたのは
お友だちの身体や衣服ではなく

おじいさんが丹精こめて
育て上げた
おおきなおおきな
かぶであったのです

わたしの後ろの子が
力いっぱい引っ張っていたのは
わたしの身体や衣服ではなく

おおきなかぶであったのです




先日娘と買い物に出掛けたら
おおきなかぶがありました

いつも見かけるかぶよりも
ずいぶん白くて大きくて
みずみずしい葉をいっぱいつけて
束ねて売られておりました

わたしと娘は迷わず買って

漬け物にしていただきました





白いところは甘い浅漬け
みどりのところは
ピリリとわさび漬け

たいへん美味しく
いただきました






【テーマ・りか】


たくさんのひとびとが
今朝は大空を見上げたことでしょう

わたしも今朝は
たくさんのひとびとの
一員でした

一番見たいものを
直に見てはいけないなんて
壮大な意地悪を
自然はさりげなくするものですね

遮光板や観察メガネを
準備することが出来なかったので
昨日子どもたちと一緒に
メガネなしで観察できるグッズを
いろいろ作って待ちました

厚紙にたくさんのピンホールを開けたり
ラップの芯でスコープを作ったり

間接的に観察するタイプのものばかりですが
部分日食、バッチリ観ました

レジ袋のスクリーンに
ゴマ粒のように映る太陽が
少しずつ欠けていくと

最大食のときには
にっこり笑ったお口のようで

かわいらしい

はしゃぐ子どもたちの側では
そんな風に思いました

けれども
世にも稀なる天体ショーを
フツーに体感するわたしの内部では
スーパームーンに誘われた
同じわたしがソワソワしていた

わたしが観ているのは
太陽だけど太陽じゃない

わたしが観ているのは
月でもあるけど月じゃない

わたしたちがもっとも
感じていたのはきっと

ここが地球であること
だったのではないのかな

三つの星は
三位一体

どれが欠けても
この奇跡は生まれない

そして当然
わたしたちの見る目がなければ
この現象は成り立たない

ちょっと大袈裟ですけれど
この星に生まれてよかったと
こっそり胸のなかで呟きました


あいにくのお天気で
観察できなかった子どもたちも
たくさんいたでしょう

あいにくの環境で
観察できなかった子どもたちも
たくさんいたでしょう

それを思うと
少しいたたまれないのですが


ほんとうに
しあわせなひとときでした









【テーマ・こくご】


ハナコちゃんは自転車がすき

でもハナコちゃんは
まだ小さいから
自転車には乗れないよって
お母さんは言うの

でもお友だちはみんな
かっこいい自転車にのって
川の向こうの公園まで
橋を渡って遊びに行くの

だからハナコちゃんも
大好きな自転車に乗って
遊びに行きたいの

お父さんが買ってくれた
かわいい自転車
補助輪がついてないの

お母さんは危ないから
乗ってはダメだって言うの

でもハナコちゃんは
もう小さくなんかないから
川の向こうの公園まで
橋を渡って行きたいの

自転車に乗って
行きたいの


ハナコちゃんが転ぶと
お母さんが泣いちゃうの
お父さんがいけないって
お母さんが泣いちゃうの

ハナコちゃんが転ぶと
かわいい自転車に傷がついて
ハンドルが少しだけ
曲がっちゃうの


どうやったらハナコちゃん
転ばないでいられるか
うんといっしょうけんめい
考えていたら

あの子がハナコちゃんの
自転車を支えてくれるって
教えてくれた

でもせっかくあの子が
ハナコちゃんを支えてくれても
なかなか上手に乗れないの

転んじゃったらどうしよう
泣いちゃったらどうしよう
壊しちゃったらどうしよう

なかなか上手に乗れないの


でもやさしいあの子は
ハナコちゃんの自転車をね
風がふいても
雨がふっても
いつでも支えてくれるって

転んじゃってもいいのかな
泣いちゃってもいいのかな
壊しちゃってもいいのかな

なかなか上手に乗れないけれど

あの公園に行きたいの
橋を渡って行きたいの



ハナコちゃんは自転車がすき

もうハナコちゃんは
小さくないから
お母さんが泣いちゃうの

ハナコちゃんが遠くに行くと
お母さんが泣いちゃうの

ハナコちゃんは自転車乗れたら
川の向こうの公園まで
橋を渡って遊びに行くけど

自転車より大好きな
お母さんに会いに行くよ
お父さんが買ってくれた
かわいい自転車に乗って
お母さんに会いに行くよ

転んじゃっても
泣いちゃっても
壊れちゃっても

ハナコちゃんは自転車乗れるよ



風がとっても気持ちいい

あの子が支えてくれたから?
でもあの子はいるけどいない

風がふいても
雨がふっても

いつでもあの子は
いるけどいない


ハナコちゃんと自転車の精
川の向こうの公園まで
橋を渡って遊びに行くよ

お母さん
いってきます
夜ごはんまで
帰ってくるね