【テーマ・さんすう】
ずいぶんと前のことですが
気まぐれでお香を買いました。
六種類の香りがセットになっていて
ときどき焚いておりました。
ある程度部屋がきれいに
片付いたときにだけ
炊くようにしています。
最近は少しずつ
焚ける機会も増えてきました。
もっとも気に入ったのは
サンダルウッドのお香でした。
いい香りだなぁ
と思っていました。
これをわたしの点Aとします。
…
むかし子どものころ
祖母か誰かが
頂き物のお線香を仏壇で焚きながら
これは高級なお線香だ
と言ったような言わないような
あいまいな記憶が残っています。
その後どこかで
高級な仏具に白檀という香木が
使われるのだと知りました。
これをわたしの点Bとします。
…
わたしは日本人であり
仏閣の前で否応なしに
なにかを感じる性質を
先祖累代脈々と受け継いでいます。
それはわたしの表面が
どんなに西洋のものにかぶれようと
どんなにグレて無神論を豪語しようと
意識の触手の届かない
根底に脈打つ血の流れがもたらす
逃れられない安寧でした。
これをわたしの点Cとします。
…
おのおのの点だけでは
ただ点の意味しかもたなかった
点A、点B、点Cが
サンダルウッドが白檀だと
知ったとき
線分AB、線分BC、線分CAとなり
白檀の香りを知っていたと
気がついたとき
すべての点を結ぶ
△ABCとなりました。
…
こんな些細なことですが
生活のなかで得られたひとつの点が
生活の継続によって得られる他の点と
ある日突然つながると
いきなり次元を飛び越えて
別のものに生まれ変わるのだなぁと
懐かしい香りに煙られながら
ほんのひととき
うっとりしたのでした。
うっかり屋のわたしでも
こんな風にうっとりできる。
どんなひとの人生も
時に刻まれた点の集合ならば
美しくないはずがない
ほんとうに
そう思いました。
ずいぶんと前のことですが
気まぐれでお香を買いました。
六種類の香りがセットになっていて
ときどき焚いておりました。
ある程度部屋がきれいに
片付いたときにだけ
炊くようにしています。
最近は少しずつ
焚ける機会も増えてきました。
もっとも気に入ったのは
サンダルウッドのお香でした。
いい香りだなぁ
と思っていました。
これをわたしの点Aとします。
…
むかし子どものころ
祖母か誰かが
頂き物のお線香を仏壇で焚きながら
これは高級なお線香だ
と言ったような言わないような
あいまいな記憶が残っています。
その後どこかで
高級な仏具に白檀という香木が
使われるのだと知りました。
これをわたしの点Bとします。
…
わたしは日本人であり
仏閣の前で否応なしに
なにかを感じる性質を
先祖累代脈々と受け継いでいます。
それはわたしの表面が
どんなに西洋のものにかぶれようと
どんなにグレて無神論を豪語しようと
意識の触手の届かない
根底に脈打つ血の流れがもたらす
逃れられない安寧でした。
これをわたしの点Cとします。
…
おのおのの点だけでは
ただ点の意味しかもたなかった
点A、点B、点Cが
サンダルウッドが白檀だと
知ったとき
線分AB、線分BC、線分CAとなり
白檀の香りを知っていたと
気がついたとき
すべての点を結ぶ
△ABCとなりました。
…
こんな些細なことですが
生活のなかで得られたひとつの点が
生活の継続によって得られる他の点と
ある日突然つながると
いきなり次元を飛び越えて
別のものに生まれ変わるのだなぁと
懐かしい香りに煙られながら
ほんのひととき
うっとりしたのでした。
うっかり屋のわたしでも
こんな風にうっとりできる。
どんなひとの人生も
時に刻まれた点の集合ならば
美しくないはずがない
ほんとうに
そう思いました。