【テーマ・架空日記】
不思議なことに
ふと気づけば朝のラッシュアワー
ということが多々あるように思う。
朝のだいたいがおぼろげで
それは単に寝ぼけているのかもしれないけど
ふと気がついて押し合いへし合いする頃は
朝ごはんを食べた覚えもなければ
どうやって駅にたどり着いたものか
その辺の記憶も危ういことが多い。
よほどの低血圧なのか?
若さにものを言わせて
その辺は気にしたくもない。
今朝は雨。
今朝も星子はずいぶん遠くに見える。
星子を視界の片隅にキープしながら
私は他のいつもの顔ぶれを見回して
そこにいつも乗り合わせている
知ってるようでまるで知らない
完全なる他人の存在に頼って安堵を得るのが
どうも当たり前の日課であることに驚いた。
完全なる他人。
星子とは違う。
星子にしたって他人だろうに
本名さえ知らない他人だろうに
星子はこの連中とは違う、完全に違う。
何がどう違うのか
そんなことはわからない。
いずれにしても
完全なる他人である
いつもの顔ぶれは私に優しい。
決してこちらを見ることもないし
絶対に話をすることもあり得ない。
だって完全なる他人なんだから。
それが私にとって
どれほど優しいことであるのかさえ
彼らは未来永劫知ることすらない。
それがあまりにも最高すぎて
私は視界の片隅に星子がいることを
その事で寛容に許せている気がする。
視界の片隅に星子がいることは
決して星子の責任ではないのだけど。
いや、それは意味不明か。
いや、意味はあるけど理解できないだけか。
私の思考を私が理解できないというのは
それはそれでおかしな話であって
正しくは理解したくない
もっと言えば理解してはならない
そういう分野の思惑なのだろうと、思う。
私の思考が私の産物だなんて
誰が証明できる?
いつもの顔ぶれは
いつものように
決まりきった行いを
惜しげもなく披露してくれる。
あそこの彼は今日も朝ごはんを食べてない。
向こうの彼女は洗いたての髪の毛が
今日もしっとり生乾き。
くたびれた背広のおっさんは
背広に負けずにくたびれて
誰一人として私の期待を裏切らない。
けれど私は安堵の陰で
堪らなく不安になる。
明日彼は朝からたらふくご飯を食べて
信じられないくらい血色がいいかもしれない。
明後日彼女は寝坊をして
朝シャン出来ずに家を飛び出すかもしれない。
一週間後あのおっさんは
パリッとスーツを着こなして
不倫相手とラブラブかもしれない。
完全なる他人は
その完全さにおいて
私に予測を許さない。
だから私は安堵の陰で
どんなときも不安でたまらない。
星子は違う。
星子は完全なる他人ではないのだから
私は刹那の安堵さえ微塵も許されない代わりに
星子が私を裏切ることなど
決してないのだと信じられる。
星子、あなたの本名さえ
私は知りたいとは思わない。
なぜなら私はきっと知っている。
文字にも音声にもできないような
本当のあなたの名前を知っている。
決して呼べないその名前を
誰も呼ばないその名前を
たぶん私は知っているんだ。
今日も視界の片隅で
星子は彼らと笑い合う。
星子の視界のどこを探しても
私の姿はないのだと
私はいつもの顔ぶれに紛れながら
畳んだ傘から滴る雨粒は
たぶん私の涙だったと
私はいつもの顔ぶれを眺めながら
星子から遠く離れ
朝の電車を降りたところで
私の7月25日は終わってしまった。
不思議なことに
ふと気づけば朝のラッシュアワー
ということが多々あるように思う。
朝のだいたいがおぼろげで
それは単に寝ぼけているのかもしれないけど
ふと気がついて押し合いへし合いする頃は
朝ごはんを食べた覚えもなければ
どうやって駅にたどり着いたものか
その辺の記憶も危ういことが多い。
よほどの低血圧なのか?
若さにものを言わせて
その辺は気にしたくもない。
今朝は雨。
今朝も星子はずいぶん遠くに見える。
星子を視界の片隅にキープしながら
私は他のいつもの顔ぶれを見回して
そこにいつも乗り合わせている
知ってるようでまるで知らない
完全なる他人の存在に頼って安堵を得るのが
どうも当たり前の日課であることに驚いた。
完全なる他人。
星子とは違う。
星子にしたって他人だろうに
本名さえ知らない他人だろうに
星子はこの連中とは違う、完全に違う。
何がどう違うのか
そんなことはわからない。
いずれにしても
完全なる他人である
いつもの顔ぶれは私に優しい。
決してこちらを見ることもないし
絶対に話をすることもあり得ない。
だって完全なる他人なんだから。
それが私にとって
どれほど優しいことであるのかさえ
彼らは未来永劫知ることすらない。
それがあまりにも最高すぎて
私は視界の片隅に星子がいることを
その事で寛容に許せている気がする。
視界の片隅に星子がいることは
決して星子の責任ではないのだけど。
いや、それは意味不明か。
いや、意味はあるけど理解できないだけか。
私の思考を私が理解できないというのは
それはそれでおかしな話であって
正しくは理解したくない
もっと言えば理解してはならない
そういう分野の思惑なのだろうと、思う。
私の思考が私の産物だなんて
誰が証明できる?
いつもの顔ぶれは
いつものように
決まりきった行いを
惜しげもなく披露してくれる。
あそこの彼は今日も朝ごはんを食べてない。
向こうの彼女は洗いたての髪の毛が
今日もしっとり生乾き。
くたびれた背広のおっさんは
背広に負けずにくたびれて
誰一人として私の期待を裏切らない。
けれど私は安堵の陰で
堪らなく不安になる。
明日彼は朝からたらふくご飯を食べて
信じられないくらい血色がいいかもしれない。
明後日彼女は寝坊をして
朝シャン出来ずに家を飛び出すかもしれない。
一週間後あのおっさんは
パリッとスーツを着こなして
不倫相手とラブラブかもしれない。
完全なる他人は
その完全さにおいて
私に予測を許さない。
だから私は安堵の陰で
どんなときも不安でたまらない。
星子は違う。
星子は完全なる他人ではないのだから
私は刹那の安堵さえ微塵も許されない代わりに
星子が私を裏切ることなど
決してないのだと信じられる。
星子、あなたの本名さえ
私は知りたいとは思わない。
なぜなら私はきっと知っている。
文字にも音声にもできないような
本当のあなたの名前を知っている。
決して呼べないその名前を
誰も呼ばないその名前を
たぶん私は知っているんだ。
今日も視界の片隅で
星子は彼らと笑い合う。
星子の視界のどこを探しても
私の姿はないのだと
私はいつもの顔ぶれに紛れながら
畳んだ傘から滴る雨粒は
たぶん私の涙だったと
私はいつもの顔ぶれを眺めながら
星子から遠く離れ
朝の電車を降りたところで
私の7月25日は終わってしまった。