【テーマ・こくご】


どこまで続くのかなあ
どんなに考えたって
わかりはしないよ

どこから続いたのかなあ
どんなに振り向いたって
見えてきはしないよ

わかっているのになあ
どんなに言い聞かせたって
わかってもらえはしないよ

もう疲れたなあ
どんなに音をあげたって
なにも変わりはしないよ

そばにいてほしいなあ
どんなに泣いたって
誰も来はしないよ


どこまで続くか
わかったらいいのかい?

どこから続いたか
わかったらいいのかい?

わかっていること
わかってもらったらいいのかい?

疲れたから
休んだらいいのかい?

寂しいから
慰めたらいいのかい?


ほんとの疑問はなあに?
ほんとの望みはなあに?

ほんとのこたえを
こたえるための
ほんとの問いかけをしようよ












【テーマ・こくご】


ぼんやりとしたものを
わずかな時間の中だけで
かたちにして表すのは
本当はひどく乱暴なことだ

ふと芽生えた決心のようなものを
写真におさめて後生大事にするからと
誰にともなく約束をする

そうして本葉が繁り花を咲かせ
老いていくころには
むかし切り取った新芽の思い出ばかりに思いを馳せて
まるで約束を果たしたような自己満足に浸り

枯れてゆくものに寄り添うことを忘れる


思いを言葉にすることは
そのような現象に似ている

現在進行形はあり得ない
いつも言葉は思いのあとを追いかけるばかりだ

立ち止まって考えていると思っているときも
時は刻々と流れていて
ハタと気づいて膝を打つ自分は
いつも少しばかり過去にいる

まして
膝を打たせたその想像を
捏ねて練って形にするころには
わたしはずいぶん未来のほうへ
運ばれてしまったあとなのだ





未だ来ぬ時を追えばそれは不安につながる

過ぎ去りし時を思えばそれは苦悩につながる

けれども
未来と過去に両手をひいてもらわねば
立っていることもままならないほど
いまという時の足場は危うい

わたしたちは不安と苦しみを承知で
時の流れのなかを
いまという舟に乗って旅しているのだ

そしてそれに
気づいていないのだ





言葉とは
水面に残る波紋や揺らめき
あるいは大気に残した飛行機雲
または地球に届いた北極星の輝きのようなものだ

いまそこにあると思ったころには
実はもうそこには存在しない

しかしそれでも見えるものを信じなければ
水面に投げられた石も
大空を横切った飛行機も
何千何百光年離れた星の光も

すべてなかったことになってしまう

たとえ言葉が
いまの思いを追いかけるものでしかなかったとしても
わたしは言葉にできない未来と
言葉になった過去に両手をひかれて
いまという時を生きているように思う

そう思う限り
思いを言葉にすることを
やめてはいけない





老いて枯れゆくものを
憐れむためだけの記憶なら
新芽の思い出はいらないのだ

老いて枯れゆく身だからこそ
新芽のような決心を
忘れずにいたいのだ




わたしは
わたしが意識できるよりも
少しだけ未来を生きていて
わたしが意識する現在を
過去としてあらわしている

それが
ぜんぶで
いまということだと思う




そう思ったその日のことを
いま一度その意味を

それが
ぜんぶで
いまということだと

いま一度