始まりは、彼自身も自分ではっきりとは分かっていない。ただ強いて言うなら高校までの成長過程にある気がする。彼は小学生の頃まん丸太っていた。それにつけて頭も悪く、運動も苦手。人見知りで友達も少ない。イジメまではいかないが周りから馬鹿にされる要素を持て余すほど十二分に持っていた。嫌なことを言われても言い返せない。でも、クラスで目立っていてワイワイしてる奴の発言に笑ったとことはこれっぽちもなかった。何故なら彼は心の中で独りでもっとこうしたら面白いのにと思っていたから。「それは分かりにくいわ」「くどいなぁ!何回もしたらおもんないねん」と思っていた。もちろん口には出さない。誰もクラスの端にいる暗い奴に耳をかすはずもないから。いやもしかしたら口には出したのかもしれない。でもどっちにしろ彼の言葉が誰かに届くはずもない。そんな何も持たない飛び方を忘れたような脆い鳥にも光が射してくる。
その光も長くは脆い鳥を飛ばしてはくれなかったのだが...