すらすらストレスなく読める。
大事なことです。
でも、あまりに流れが良くて、どこも引っかかるところがないと、それはそれで物足りない。
贅沢な話ですね。
文章や歌詞でも、ちょこっと難しい言葉や、違和感のある言葉、存在感のある言葉を入れるのは有効。
目が一瞬でも止まるんですね。
クリエーターは意識して使っているようです、目や耳に残る言葉。
漫画でも、あえて変形コマを使う、ちょっと変わった描き文字を使う、背景に特殊効果を試みる、微妙な表情をさせる、いきなり場面転換する、長めのセリフ回しを入れる、ちょっと長めの間を取る、主人公に誰かの格言を語らせる、会話に数式を入れる、しゃべらせずに表情だけで見せる、後姿だけで語る、難しい言葉を入れて煙に巻く。
等々、セリフも含めて、いろんなテクニックがあると思います。
ちょっと、流れをゆっくりさせたい時、注目させたい時なんかに使うといいかも。
別に法則的なものはないですが、ある種のテクニックです。
どんな引っ掛かりのある言葉を配置するかもセンス。
「トレビアン」って、フランス語で、とっても素晴らしいという意味ですが、特定の人が使うと個性になる。
「ありがとう」って言う代わりに、「メルシーボクー」とか「謝謝」とか言ったり。
漫画は絵と吹き出し内のセリフで出来てますから、セリフの中に個性的な単語や言い回しを含ませるのは、けっこう大事です。
日常会話の中にパソコン用語を使う、流行りのフレーズを入れる、社会科学用語で語る、心理学用語を使う、大和言葉の色遣いにたとえる、漱石の小説の一文を引用する、隠語を使う、まあ、色々ありますね。
「セリフも絵のうち」って、言葉もありますから、目に飛び込んでくる文字面も意識していただけると、幸いです。
そう言えば、コピーライターって、そういう「言葉を扱う仕事」でした。
タイトルを考えるとき、決め台詞を考えるとき、ひっかかりがあるって、けっこう大事ですよ。
よろしくお願いします。