漫画の編集者Mのブログ

  • 02Dec
    • 新人漫画家へ/現実の事件からネタを拾うのもアリ。

      毎日いろんな事件が起きますが、漫画家からすれば、使えそうなネタを見つける宝庫でもあります。自分が興味を持てそうなもの、自分の作品に関係しそうなもの、どこに素敵なネタが転がっているか分かりません。ボーっとしていると良いネタを先に使われたり、見逃したりします。同じネタに惹きつけられてしまうというのは、同じ仕事をしている同業者ならではの「あるある」ですね。何か面白い事件はないかな、何か使えそうなニュースはないかなと探していれば、バッティングするのは仕方ないかも。私自身、同じニュースソースから、自分は漫画を作り、ある人は映画を作るというケースがありました。ちなみに相撲の漫画でしたが。そのネタの深い部分は取材が必要ですが、とっかかりは、ちょっとした好奇心で良いと思います。取材して見れば、たいてい自分が想像していた以上のことが分かったりします。それゆえ取材は面白いです。世の中は、知らないことだらけ。ということは、世間の人も、たぶん知らないでしょう。そういう情報は漫画の中で使えそうですね。また、現実の事件の裏を考えたり、世間一般の人とは、違う解釈をするのもアリです。実際の世の中では、すっきりと解決したり、真相が明らかになるこは少ないですから。フィクションの中では、最大限の可能性を探っても良いかも知れません。妄想、想像するのは、自由です。または、快刀乱麻の活躍をする主人公を設定する。スーパーヒーローですね。どこからネタを拾って来ようと、面白い作品に仕上げれば、勝ち。平凡な記事を非凡な解釈で膨らませるのもアリ。フィクションとはいえ、現実の事件・事象からネタを拾うのも有効な方法です。何でもアリなのが、漫画の良い所ですね。

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  • 10Nov
    • 新人漫画家へ/近頃よく思う事など。

      映画やドラマなど、映像系は多くの人たちの共同作業。分業化が進んでいます。ところが、こと漫画に関しては、最小だと漫画家と担当編集者の2人なんてこともある。週刊誌の連載の場合なんかは、アシスタントを使うことも多いから、作画は共同作業ではあるが、何十人とかはない、せいぜい数人。担当とのバディ方式だと、漫画家の負担は重い。テーマ、キャラクター、構成、など漫画家が考えなくてはならないことは多いし、作画部分は編集者は手伝ってくれない。とすれば、もう少し分業にした方が良くはないか?個人的には、編集者が企画を考え、漫画家がキャラクターを作るのが良いのではと思っている。キャラクターは、漫画家にしか出来ないのです。企画書は、担当編集者でなくても書ける。ほかの誰かの企画で仕事を進めるのもアリです。でもでも、キャラクターは、漫画家のお筆先からしか出てきません。。。漫画家が命を吹き込むもの。これが真実。ピノキオも最初は、木彫りの人形でしたっけ。「これだ!」ってキャラクターが出来れば、細かいストーリーやアイデアは、何とかなるもんです。漫画は、キャラクターが命。「人形は顔が命」ってCMありましたが、漫画家はキャラクターの造型が命。キャラクターの出来不出来が生命線。キャラクターって言っても、抽象的ですが、二次元の存在のくせにまるで、実在する友人のように思えるようなヤツ。少なくても、その漫画家が作る世界の中では、実在しています。喜怒哀楽もあります。失敗もすれば、成功もする、ぬか喜びもあれば、大失恋もする。つまり、実在の人間とまったく同じ人間です。パラレルワールドのようなものかも知れませんね。どこかに、漫画のキャラクターたちが住んでいる世界が本当にあるのかも知れません。ピーターパンはいつやって来ても少しも変わらないのに、ウェンディーは、会うたびに大人になっていきます。切ない話ですね。

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  • 11Sep
    • 新人漫画家へ/企画について

      どこでも編集者は、企画企画と言いますが、私の場合は自分が半分、作者が半分くらいでした。つまり、私がA4の紙に企画を書いて、作者に説明して、こういうのをやりませんか?というのが半分、作者が元々持っていた企画やアイデアを使うのが半分という感じ。もちろん、どちらの場合でも、大雑把な企画で了承を得ても、取材したり、細部を詰めたり、主人公像を延々と話し合ったりという作業は必須ですね。どっちからアプローチしても、つまらないものしかできなければ、アウトです。そういう意味で、私は作者のチカラをずいぶんと使わせてもらった方かも知れません。または、左脳的に理詰めでグイグイ行くのが、性に合わなかったのかも知れません。もっと映像化に向いた切り口が、あったかもとかも思います。すべては、結果論で、何も考えていなくても、ヒットして映像化に漕ぎ着ける事もありました。もう少し、計算高くても良かったかなとも思います。もっと頭を使えという影の声に耳を傾けるべきだったかも。反省ばかりの半生ですね。後輩には、無駄撃ちしてもらいたくないという思いはあります。闇雲よりは狙いを絞れるだけ絞った方が、当たる確率は上がると思います。若者に失敗する自由を許容しない世の中になってきています。余裕のないところには、笑いは生まれにくいように思います。

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  • 22Aug
    • 新人漫画家へ/結局残るのは主人公の顔。

      夢中になって読んだ漫画作品も、何年、何十年も経つと、細かいスジはたいがい忘れてしまうもの。残るのは、主人公の顔や表情、仕草、セリフなど。ここ重要。筋書きというのは、その場その場で流れていくものであり、主人公は、静止しているコマ。猛烈な勢いで回っているのだが、どっしりと止まっているようにさえ見える。あるいは、大波が寄せた後に残る、ゴロっとした大岩。前後の流れは覚えていないけど、そのシーンで主人公が言ったセリフ、表情は覚えているなんてこともよくある。あまりあくせくとストーリー作りにばかり気を使わないで、主人公のことをもっと考えてみても良いのでは?ってよく思う。時間を経ても残るのは主人公のことなんだよ。人ひとり生み出すのだから、そんな簡単じゃないにせよ、意識しないと、なかなかしっかりした主人公は生み出せないもの。お金を稼ぎだすのも、主人公のチカラに負うことが多い。キャラクターグッズなんて、言葉そのものです。キャラクターグッズが作りにくいってことは、キャラクターが弱いってこと。大人向けのリアルな漫画は、どうしても、そこが弱点になる。その半面、実写ドラマは作りやすいのだが。まるまっちいフォルムは、グッズ展開がしやすい。丸い顔は愛される。丸絵は古びない。

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  • 29Jul
    • 新人漫画家へ/知っておいたほうが良い原理原則。

      漫画はキャラクターに尽きるとか、新しいものをひとつ入れよとか、主人公は応援したくなる奴にせよとか、ありがたいお言葉はたくさんある。まったく、その通りで、いわゆる「正論」には、反論しようがない。でも、原理原則は、役に立つ。迷ったとき、困ったときに。長い間、漫画の世界にいると、驚くような意見を聞くことは少ない。たいていは、「そりゃそうだよな」ってことが多い。とっておきの「秘密」なんかない。自分自身でも、大作家がふと漏らした言葉を覚えていて、ここに書いたりしているが、新人の時にこういうことを教えて欲しかったなという思いもある。コツコツと蓄積したものを、ここに開陳しているが、書いてみると、意外なことが少ない。いや、ない。漫画を作るにあたって、古典と呼ばれているような古いモノクロの映画は役に立つ。スマホもパソコンも出てこないような時代の映画なんか役に立つのかって思われそうだが、人間界の諸事情の原理原則を描いているから、古くても、応用範囲が広い。「或る夜の出来事」「街の灯」「風と共に去りぬ」「ローマの休日」「グランドホテル」「第三の男」「サンセット大通り」「イブの総て」などなど枚挙にいとまがない。(注:風と共に去りぬはカラーでした。。。1939年作なのに!)基礎力アップのためには、過去の名作(映画にかかわらず、漫画、ドラマ、小説ほかを含む)は、必須科目じゃないかと。昔なじんだ作品から、気が付いたら自分の作品が出来ている。。。。あるいは、好きだから何度も何度も観たアニメや映画から何かヒントやインスピレーションをもらった。。。。なんてことも多いのでは?新しいものを作り出すには、過去のものを取り込む。かの天才ニュートンも、私が遠くを見渡せたのは、ひとえに巨人の肩の上に乗っかっていたからと言っています。(巨人の肩に乗るとは、偉大な先人の功績を元にしているという意味。)科学者と漫画家では違うかも知れませんが、創造的なものは似ていると思います。

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  • 22Jul
    • 新人漫画家へ/猛烈な暑さの中で。

      毎日毎日、暑い。いや、熱い。外は熱風である。こんな暑いときに仕事?ネーム?ペン入れ?ちょっと、かき氷?いやいやいや。自分の仕事に誠実であろうとする漫画家は、みんなどんなに暑かろうと寒かろうと、さぼらずに漫画を描いている。世間が何をしようと、何を考えようと、物語の世界を紡ぐ人には、風のささやきのようなものかも知れない。いま主人公の身には、65℃くらいの熱風が吹き荒れているかも知れない。巨大な氷山が目の前に迫っているかも知れない。現実よりも、はるかに過酷な試練が待っていることが普通だ。主人公だもの。。。。。物語世界の季節も天候も、すべては、作者の思いのまま。外が暑いの寒いのなんて、言ってる場合じゃありませんよ。物語世界に没頭して、暑さなんか忘れましょう。あ、でも、冷房は入れた方が良いと思います。夏だもの。。。。

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  • 17Jun
    • 新人漫画家へ/「半分、青い。」

      朝の連続テレビ小説「半分、青い。」で、いま主人公は、豊悦扮する漫画家・秋風羽織先生のところでアシスタントをしています。設定は20年以上前なので、今とは環境がだいぶ違うのですが、漫画を描く作業そのものはあんまり変わらない気がします。漫画家または表現者は、かくあるべしという哲学を秋風先生はやたらと語ります。自分の言葉に酔っている風でもありますけど、良いこと言ってるんですね。脚本家の北川悦吏子さんは、この作品の裏テーマとして、表現者とは何なのか、自分の実感の中から語ろうとしているのかも知れません。昔、星新一のショートショートにはまっていた頃がありました。ある時、星新一のエッセイで、アイデアが浮かぶまで、書斎の中でうんうん唸ったり、歩き回ったり、頭をかきむしったり、鼻毛を抜いたり、煙草をやたりと吸ったりしているとか書いてあるのを見て、あの作品は煙草のヤニで出来ているのだろうかと訝ったことも。どっちかというと、脂汗で絞り出した感じでしょうか?アイデアの初期段階は、小説でも漫画でも、似たり寄ったりのようです。みんな苦しいんです。ただ、涼しい顔をしているだけ。または、そんなもんだと思っているだけ?まして、経験の浅い新人漫画家にとっては、毎週一本描くとか、信じられないような神業に見えるんじゃないでしょうか?アイデアを思いついてネームを描くだけで終わってしまう?打ち合わせをして、ネームを描いて、絵を仕上げるまでに一週間。週刊連載は、そのサイクルを七日でやっているわけです。そうなると、アイデア、エピソード、事件も大事ですが、モノを言うのは、主人公。こいつが何とかしないと物語が回って行かないのです。主人公がドラマを引っぱったり、掻き回したり、困った反応をしたり、引き戻したりすることで、物語の有機性が増していきます。主人公頼みでも、何とかなってしまうのですね。こいつだったらどうするだろう?たぶん、こんなことやったりするんだろうな?いや、もっと困ったことをやらかしたりして。。。?妄想が膨らみますね。そんな感じ。窮地に追い込むのも、常套的な手段です。主人公の困った顔の裏で、作者がニヤニヤしているのが望ましい。みなさんの健闘を祈ります。

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  • 03Jun
    • 新人漫画家へ/主人公ってさあ。。。。

      普通の人、平凡な人ほど事件や出来事に翻弄され巻き込まれやすい。逆にわがままな人、自己中な人、マイペースな人なんかは、どちらかというと周囲の人が迷惑をこうむったりする。さざ波を立てるどころか、水しぶきもろに浴びせたりして。。。。でも、本人には自覚がなかったり、気づかなかったり。周囲の人は被害者で、主人公は加害者?そこまで言わなくても、(良くも悪くも)周囲に影響を及ぼす人、与える人。主人公の資格あります。そういう人っていますよね。現実に身の回りにいると神経を使います。でも、漫画やドラマの中なら、他人事。むしろ、眺めてて楽しかったりして。そういうキャラクターこそ漫画向き。現実にいると困るけど、作品の中ならOK。安心して読めます。キャラクターをストーリーの大きな流れに乗せていくと安心です。が、主人公が己の欲望のままに動くことによって、ストーリーからの逸脱・破壊を引き起こすような意外性は生まれにくいですよね。ストーリーの予定調和を破る人、それが主人公の役割かも。「なんでこうなっちゃったんだろうなあ?」って、ボヤキが似合います。(自分の言動のせいなんですけど。。。。気づいてないよね?)主人公は普通の人っぽい外見を持っていても、中身は異能の人であって欲しいです。身近にいなくてもOK。いや、いると困るか。。。あくまで、遠くで眺めて楽しむ人。

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  • 08May
    • 新人漫画家へ/世界は動いている。

      一日単位で見れば、毎日毎日代わり映えしないような気もするが、世界はゆっくりと動いている。読者の意識も行動も日々変化している。電車やバスの中で、スマホで漫画を読む人が増えてきて、もう珍しくなくなった。これは、ほんのここ数年のこと。逆に車内で漫画雑誌を広げて読む人は、本当に少なくなった。漫画業界にずっといて、その変化のさまを目の当たりにしてきた者にとっては、信じられないくらいのインパクトだ。読者の意識、行動が変われば、作者の意識、行動も変化してくるだろう。また、漫画編集者の意識、行動も。今は、大いなる変革期だと思う。チャンスはピンチ、ピンチはチャンス。漫画は色々なものを貪欲に取り込みながら、変化、成長してきた。いまデジタルの版図が拡大を続けている。この先、どこまで広がっていくのか想像もつかない。これだけ広大なフロンティアを内包している世界は、そうそうないのではないかと思う。グーテンベルクの活版印刷技術の発明以来の大変革だと感じる。同じような毎日が続いていくのだろうとボンヤリと思っていたが、どうやら違うらしい。気づかぬうちに足元の大地はゆっくりと動いている。着実に。

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  • 29Apr
    • 新人漫画家へ/毎回色々なことを書き綴っていますが。。。

      このブログでは、キャラクターのことや編集者の考え方、新人賞というものの性格など多岐に渡って書かれていますが、私が個人的に考えたことや感じたことのメモでしかなく、偏向は避けられません。さらに言えば、網羅的に詳しく書けば書くほど、平板になっていくに違いないと思うのです。今のままでも十分に偏っていますので、その辺は、了解して欲しいと思います。漫画に必要なもの。世界観(設定)。キャラクター。ストーリー。エピソード(事件・出来事)。まだ、他にもありますが、この辺は必須ですね。この要素をバランス良く配合できれば良いのですが、そんな作品は稀でしょう。たいていは、グラフにしたらいびつです。それでOK。そのゆがみ加減、バランスを欠いているとことも個性です。主要なキャラクターが二人しか出てこない作品。他のキャラクターはあえて捨象して、絞り込んでいるわけです。限られたコマ数では、限界まで要素を絞らなくてはならないので、中心的でない要素は思い切って捨てる。主人公の周囲の人を描きたくなったら、番外編で出せば良いのです。この二人のドラマの裏側では、実はこんなことが進行しているのですと。キャラクターを優先すると、ストーリーがおろそかになるような気がする。。。ストーリーを優先すると、キャラクターがご都合主義に流れる感じがする。。。悩ましいですね。正解はありません。だいたい、どの作品もどっちかに振れています。設定フェチな作家もいます。面白そうな設定に燃えるわけですね。どこに力点があるかが、作家の個性なので、それは、そのまま伸ばしていけば良いのではと思います。無理やり矯正するのは、どうかなと。私自身は、型というか、スタイルを持たない(と思っている) ので、その作家、作品ごとに考えるようにしています。

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  • 12Apr
    • 新人漫画家へ/究極的に目指すもの

      大御所・松任谷由実も、今をときめく米津玄師も、自分の曲は「読み人知らず」が理想だと言う。つまり、何百年も経って、誰が作ったのかもう良くわからないけど、曲だけが、みんなに親しまれて残っていて欲しいとのこと。スケールの大きな話だ。漫画も同様かも知れない。一般に、作者名よりタイトルの方が知られている。あるいは、主人公の名前の方が有名なことが多い。読者にとっては、誰が描いたとか、どこに載っていたかとかは、それほど重要な問題ではない。それでいいのだ。漫画も自然と「読み人知らず」になるものなのだ。いっときでも、面白く読んでくれれば良い。少しでも、気持ちが明るくなってくれれば良い。欲を言えば、生きる元気をもらってくれれば良い。そして、「これは私のことだ。この主人公は私だ」って思ってくれても良い。いろんな読まれ方で、読み続けられれば良い。そういうことを考えてれば、自ずと謙虚に漫画と向き合えると思う。

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  • 10Apr
    • 新人漫画家へ/感動とは…?

      感動とは、深く感じて心を動かすこと。心が動く、動かされること。シンプルですね。面白いとも、ちょっと違う。心の深いところを動かす。これができれば、たぶん人気のことは考えなくても良いくらい。結局のところ、エンタメの世界では、心が動かないと、なかなかお金を払ってもらえないもの。心が動かされると、頼まれなくても、お金を出してくれる。そういうものだと思います。その「感動」のネタは、海を渡って遠くに行かなくても、自分の周囲に転がっているものだと思います。たとえば、道に転がっている平凡な石ころとか、名もない雑草とか。道で、たまたますれ違った人とか。バスの中で、たまたま隣に座った人とか。それに何を見出すかは、人それぞれ。特別なものを追い求めなくても、周囲をよく見れば、何かひとつくらい、心を動かすネタは転がっていると思います。平凡な日常を非凡に切り取る。当たり前を疑う。違う視点から見てみる。色々ありますね。

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  • 08Apr
    • 新人漫画家へ/刺さるセリフ

      漫画ではないが、米津玄師の歌詞が切れている。ありきたりの日常を独特な感性で切り取っている。イントロから10秒もすれば、その世界に取り込まれてしまう。ミステリアスな風貌と相まって、高音域を歌い切る声色にも感動。久しぶりに感動した。小説は言葉だけ。音楽は言葉とメロディー(とリズムとハーモニー)。漫画は絵とセリフ。いずれも言葉が大事。漫画では絵柄はもちろん大事。でも、セリフ大事。新人漫画家は、絵のことはすごく気にするが、実はセリフが大事だったりする。セリフが生きているかどうかは、絵より大事。絵はだんだんと上手くなるが、実はセリフは、感性によるものが大きい。日頃感じていること、考えていることが、セリフに滲み出てくる。作者の思考そのものかも知れない。

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  • 02Apr
    • 新人漫画家へ/癒し系の効用

      疲れている時には、重いものや熱いものより、軽いデザートのような漫画を読みたいと思うのも、また人情。クスッと笑えたり、ホッとしたり、他愛ないけど、なんか読んでしまう。そういう漫画も大事。動物が主人公だったり、主人公の相棒だったり。普通の高校生の群像劇だったり。普通のカップルだったり。特に大きな事件も起きない、困った事態にもならないが、少しだけ心が動くような瞬間。そういうものを、丁寧にすくい取って、短めのページで見せる。これも芸ですね。特に大きな事件が起きなくても読ませるのが、漫画の芸風。ちょっと戸惑っている主人公の表情や、控えめな喜びの反応が大事になってきます。振幅小さめの心の動きを追うというか。日常は、そういうことの連続ですよね。どんな小さなラッキーも見逃さない。それで、すごく得した気分になる。ささやかだっていい、幸せ見つけよう運動です。漫画は、四コマの時代から、日常の小さなシーンを取り扱ってきました。四コマだって、ちゃんと導入もあれば、クライマックス、オチもある。それでもって、主張や、批評もする。意外に高度です。使えるコマが少ないなりに、省略や絞り込みを極限までやる。やはり四コマは、漫画の原点かも知れません。

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  • 01Apr
    • 新人漫画家へ/火の鳥(手塚治虫)から

      時々昔読んだ漫画を思い出したりします。火の鳥/鳳凰編、個人的にオススメ。我王という主人公が歩む壮大な物語です。奈良時代の仏師・我王の一生を描いたもの。永遠の生命を持つ「火の鳥」が随所に現れます。その中で印象に残っているシーン。優しい心なんてかけらもないと思われていた我王が、追われている中で、たまたまそばにいたてんとう虫を助けます。さりげないシーンですが、これが後々ドラマの中で、重要な伏線になります。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を連想するシーンです。もしかしたら、そこからヒントを得たのかも知れません。そのおかげで、我王がどんな人生を歩むようになるのか?ネタバレになるので、気になる人は、鳳凰編を読んで見て下さい。壮大なドラマです。読んだ後に溜息が漏れるような感じ。火の鳥は、未完だと言われていますが、各時代に分かれているので、どれを読んでも面白いです。今となっては、古典の風格が。

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  • 28Mar
    • 新人漫画家へ/桜の季節に思う

      春。卒業、進級、入学、就職……。イベントが目白押し。漫画の世界では、春の新連載攻勢。春休み期間中は、漫画が読まれる時期。書き入れ時というわけです。チカラが入りますね。この時期のために、何か月も前から準備してるわけでして。場合によっては、何年も前から。桜の花びらみたいに、一瞬で散ったりしないで欲しいと切に願います。しぶとくね。でも、次の年の桜の季節になると残っているのは、わずかだったり。切ない。厳しい。毎年、毎年、そういう光景を見ています。その厳しさがあるからこそ、漫画は発展してきたことを思うと感無量。チャレンジし続ければ良いんですよ。何回でも。若さには、失敗する権利がある。

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  • 23Mar
    • 新人漫画家へ/作家性と企画

      編集者サイドでは作家性という言葉を良く使う。絵柄やテーマ他が個性的で、ありきたりではないというくらいの意味だ。それと対極にあるのが企画優先型、または企画性の強いもの。まず企画ありきの話で、絵柄や作風、作家そのものは、次に来る。作家性とは、文字通り、作家そのものに属している。替えは効かない。企画優先の作品は、条件に合えば、作家は多くの候補が上がる場合が多い。作家性が強いという言い方は、必ずしも、肯定的とは限らない。こだわりが強く、人の意見を余り聞かない、融通が効かないという面もなくはない。しかしその個性が、他の人には替えがたい魅力を放っていることも多いので、ファンが爆発的に増える可能性もある。自分の描きたいテーマを描き、描きたいキャラクターを描いて、当たれば万々歳。編集者いらずとも言えるかも知れない。逆に、うまく行かなかった時が怖い。ひとり相撲になり、ドツボから抜け出せなくなってしまう恐れもある。どの作家も、個性や絵柄、キャラクターの考え方等、まったく同じわけもなく、どの人も、余人に替えがたいものである。そういう意味では、全ての人は、個性的である。編集者は、作家性という言葉を便宜上使っていると思って欲しい。ぶっちゃけ、作家性という言葉のニュアンスには、編集者の意見やアイデア、企画に乗ってきやすいか否かも含まれているかも知れない。誰が発案したとしても、当たれば良いのだから、どっちが考えたとかは、どうでも良いことかも知れないのだが。ただし、マーケットの動向とかは、編集者が把握していることも多いので、少しは参考になるのではないか。まあ、今は、読者の審判があっという間に下る時代なので、編集者の出る幕はないかも。とはいえ、良い企画、良いアイデア、良いジャッジをする編集者は、少なからずいるもので、あながち不要とは言えない。作家がまだ未熟な段階では、父のように母のように、見守り、育てる。これは、他の人には出来ない。良い企画を考え、新人を適切に指導し、良いアイデアを出し、うまく作品をプロモーションする。。。。全部きちんと出来たらスーパーマンではないだろうか?そうありたいものだが。

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  • 16Mar
    • 新人漫画家へ/20年後には……

      20年後には私は80歳。その頃は、こんな青臭いブログは書いていないだろう。このブログを読んでいてくれている奇特な新人漫画家たちも偉くなって、「そんなブログが昔あったなあ」なんて思い出すかも知れない。いや、思い出さなくても良い。しっかりした漫画を描いていてくれれば、私は嬉しい。20年後の漫画の風景に想いを馳せてみる。何が違うのだろう?スマホよりも、もっとクールなアイテムが登場しているんだろうか?それとも、あんまり変わっていないのだろうか?人間ドラマは、普遍的なんだろうか?恋愛に心を煩わす人は減っているんだろうか?たぶん、そんなことはないだろう。喜怒哀楽は、DNAの深い所に刻み込まれているはずだ。AIが発達して、もっと余暇の時間が増えているかも知れない。漫画の需要が、今よりも、もっと高まっているかも知れない。楽しそうだなあ。私が生まれたときは、ウチにはテレビもラジオも電話もなく、蓄音機もありませんでした。本も絵本もなく、漫画雑誌もなく、トランプも花札も将棋も囲碁も、ありませんでした。ボールも竹馬も自転車も縄跳びもない。箪笥とちゃぶ台とミシンくらいしかないガランとした部屋で暮らしていました。身近にあったのは、新聞に挟み込まれた折込チラシくらい。そこに何かを描いていた覚えがあります。あれから60年近く経って、世の中は変わったなあというか、自分自身を取り巻く環境は変わったなあと素直に思います。これからの子供は、小さいころから、ゲームや漫画の洗礼を受け続けるんでしょうか。もう少し、自然に接した方が良い気もしますが、老婆心か。ランキングに参加していますクリックをお願いしますにほんブログ村にほんブログ村

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  • 05Mar
    • 新人漫画家へ/絵のチカラ→こぐまのケーキ屋さん

      漫画なんだけど、絵本のような「こぐまのケーキ屋さん」(さく:カメントツ)。装丁がキュートです。奥付を見ると、名久井直子さんですか。さすがです。読むと心がほっこりします。こういう漫画あっても良いなあ。こぐまの素朴なキャラがかわいいです。絵もその素朴さにマッチしていて、無理がありません。長く愛されますように。ランキングに参加していますクリックをお願いしますにほんブログ村にほんブログ村

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  • 04Mar
    • 新人漫画家へ/2001年宇宙の旅

      50年も前に作られた映画なのに、今でも新鮮。宇宙船や宇宙服はカッコいいし、印象的なシーンも多い。「ツァラトゥストラはかく語りき」と「美しき青きドナウ」の音楽も効果的。さらに、物言わぬ謎の石板・モノリス。雄弁に語るコンピュータ・ハル9000。AIの先祖?ハル9000は「私失敗しないので」の外科医みたいに自信満々。自我を持ってしまったので、少々思いあがっています。キャラクターは立っていますが、最後に人間と対立、敗北。なかなか見せますね。全体に説明不足で抽象的なのが難点ですが、たまには分かりやすいものではない映画もよろしいのでは?漫画を作るうえで、ヒントになる部分も多いのではと思います。「ブレードランナー」も示唆する部分が多い映画ですよね。ランキングに参加していますクリックをお願いしますにほんブログ村にほんブログ村

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プロフィール

漫画の編集者M

性別:
男性
血液型:
AB型
お住まいの地域:
東京都
自己紹介:
長い間、漫画編集者をやって来ました。少女漫画から少年、ヤング、青年、女性まで、ほぼ全てのジャンルの作...

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