スマホで漫画を読むことは、すっかり日常化した。
過去の作品も容易に読めるようになって、ライバルは、現在連載中とか、コミック最新刊発売中のものだけではなくなった。
とはいえ、一人が1日に読める量は限りがあるだろう。
となると、レコメンドされているとか、プッシュされているとか、無料配信中とか、何らかの機能に従って選ぶことになる。
あまりに、アーカイブは巨大だ。
この50年というもの、毎日毎日、新作が発表され続けてますから。
いくら、その当時にヒットしていても、時流れ、今では面白さが、伝わらないものもある。
漫画は、少なからず、時代と寝ているはずだから当然だ。
それゆえ、過去作は、恐るに足らずと言いたい。
歴史的な名作を除いては。
今、目の前にいる読者を信じて描くしかない。
バブルも右肩上がりの時代も知らない世代だ。
描き手だって、そんな時代のことは、遠い昔の話。
懐かしがることも、羨ましがることもない。
もう帰って来ませんから。
スクリーントーンを手で貼ることのなくなった時代というのも、もっと賞賛されても良いのに。
よく見ると、他にも、褒められるようなこともありますよ。
今を受け入れ、今を呼吸し、今を生きる。
そして、今を描く。