みなもと太郎の「マンガの歴史」1巻を読む。
この巻では、円山応挙、山中常盤物語あたりから始まって、戦後の漫画勃興期、トキワ荘の面々、劇画の始まり、サンデー、マガジン創刊の頃までを書いています。
「風雲児たち」を描いている作家らしく、とても丁寧に漫画の創成期の歴史を綴っています。
漫画の歴史では、手塚治虫のことばかり取り上げれられがちですが、みなもと太郎は、有名無名を問わず、重要だと思われる人に優しく光をだけでなく、日の丸文庫発祥の劇画の歴史にもページを割いています。
実に様々な人たちが、漫画の技法を発明、改良して、次世代に繋げていく。
それは、天才一人の技ではなく、多くの人たちが洗練・完成させていった共有財産といった性格のもの。
いま、当たり前に使われている技法や漫符、考え方は、かつて誰かが発明したものです。
その上に立って、日々、漫画が描かれている。
漫画は、オープンソース。
いちいち、特許の申請なんかやってません。
リナックスのイメージに近いかも?
漫画の大河の流れを作ってきた何百、何千という人たち。
読者も加えれば、何百万人、何千万人という数になるでしょう。
たぶん、世界的に見ても、稀有なことだと思います。
今後は、アジアを始めとして、もっと多くの人々が漫画に関わってくる予感があります。