わたしたちの楽しみでドキドキのチャレンジ「友達の輪」へようこそ!
「普通の毎日を生きる面白い人たち」をクローズアップして、その生き様をご紹介させていただきます。そして、その人から、また別の方へ……ざまざまな個性と魅力に富んだ方々と出会えることを楽しみにしています。
第15回目のゲストは、西久保美千代さん‼︎
常磐未央子さんからのご紹介です。
(まり)お名前と今どんなことをしているかを教えてください。
(美千代)西久保美千代と申します。フォトグラファーです。
(まり)写真家さんなんですか?
(美千代)写真家です。
(まり)どんな写真を撮られているんですか?
(美千代)主に人物写真なんで、いままだ副業なんですけど、いずれは100%にしたいなと思いつつ、3年くらい前から始めました。
(まり)すごーい! 場所は東京をメインに活動されているんですか?
(美千代)そうです。私自身はどこでも行こうと思っているんですけど、今は東京に住んでいるのでここで。
(まり)そうなんですね。3年くらい前に始めたということですが、何かきっかけはあるんですか?
(美千代)旅が好きなので一人旅もしていて、風景とか、ここ8年くらい趣味でずっと撮っていたんです。私、昔から何か自分の好きなことで食べていきたいと20代の頃からずっと思っていて。それがなかなかできなくて、30年くらいたっちゃったみたいな、そんな感じだったんですが、3年前にふと、やるのは今しかないと思ったときに、好きなことって仕事になるのかなって、あまり考えずに写真やろうと思って、そこからです。
(まり)写真は趣味で撮っていて、独学で撮られていたんですか?
(美千代)そうです。
(まり)前回のゲストの未央子さんのプロフィール写真を美千代さんが撮ってくれたということで。
(美千代)そうそう。
(まり)未央子さんから教えてもらったのが、サンチャゴの巡礼の本を出されているということを伺いました。
(美千代)Kindleのね。そうです。
(まり)サンチャゴの話のことも聴きたいんですけど。
(美千代)もちろん!
(まり)私もずっと前から行ってみたくて、若い頃に読んだ「星の巡礼」とかシャーリー・マクレーンの「カミーノ」を読んで、すごく惹かれて。
(美千代)私も読みました。
(まり)最高ですよね! 美千代さんは2回くらい行かれたと聞いたんですけど。
(美千代)真夏と真冬と行きました。真冬の方が2回目で1年半後かな。Kindleの書籍にしたのは、その冬の方。巡礼者もいないという。
(まり)冬はいないの? どんな状態なんですか?
(美千代)雪が降ったりするんですよね。
(まり)山小屋に泊まるんですか?
(美千代)山小屋というか、巡礼宿があるんですよ。アルベルゲていう巡礼者用の。夏は巡礼者が多いから解放している泊まれるアルベルゲが多いんですね。いっぱい、いろんな国からいろいろな人たちが来るし、寂しい思いをすることもなく、次から次へといろんなと出会って、本当に楽しいんですよ。
(まり)うんうん。
(美千代)だけど、冬はみんな来ない。
(まり)アハハハ!
(美千代)歩きにこない、あたりまえなんですけど(笑) でもそのなかでも、チラホラいるんですよね。冬にしか来れないとか、農夫とか。仕事の関係でいましかできないとか。いまだから来たとか。でもそういう人たちも少数で、アルベルゲもあんまり開いてなかったりするんですよ。
(まり)わー、そうなんですね。
(美千代)1年中オープンって書いてあるけど、冬だから閉まっちゃってる。夏とはぜんぜん状況が違うんですよね。
(まり)冬も行ってみたいと思ったんですか?
(美千代)夏はもう知っちゃったから、だけどもう1回ちゃんと歩きたいと思って。2回目に行く前も、いろいろ悩んでいたんですよね。私、悩むと外に出たくなるんですよ。旅に出たくなるの。一人旅とか。それで歩きたいと思って、じっくり自分のことを考える時間がある冬。人がいないだろうから冬がいいだろうと思って行ったら、見事に人がいなくて、村の人たちしか会わなくて。最初ちょっと怖かったんですよね。でも歩いているとだんだん冬の方がいいかもと思い始めて。
(まり)へぇー!
(美千代)景色も夏もちろんいいんですよ。だけど冬の方がなんか手付かずの自然みたいな感じで、雪景色とか本当に素敵で、人もいないから独り占めだし、空っ風吹いて寒くて大変なんですけど、それ以上のものがあると思った。だから冬のことを書籍にしたんですよね。
(まり)人にもよるんでしょうけど、何日くらいかかるんですか?
(美千代)最初、何日かかるんだろうと思って、インターネットでいっぱい調べたんですよ。800キロあるから女性だと平均で40日くらいかかるとあって。それくらいかかるんだーと10キロくらいのバックパック担いで、1日平均20キロ歩く。私はその頃、20キロ歩くこともマラソンとかもしたことなくて。今はマラソンしているから分かるんですけど。したことがなかったから、20キロを10キロ担いで歩くってどういうことなんだろうって。だから平均の40日プラスちょっと余裕持って飛行機の券も取ってた。あとマメができるとか、いろんなことが書いてあって、腰が痛くなって途中で帰っちゃう人が結構いるとか。どうしようどうしようと思いながら、それで行ったんですけど。ぐるナビとかでも、ここが美味しいとか、美味しくないとか、人それぞれのあるじゃないですか。そういうのって私、いつも結構あてはまらないんですよ。
(まり)うんうん。
(美千代)人がまずいまずい、ここは良くないと思っても、私はここ好きとか。あんまりイヤだったとかも特になく。巡礼は初めてでわからなかったけど、行ったら案の定、大好きになっちゃって。そしたら40日歩くっていう意味というのは、1日20キロ以内の人、あるいは1日中休み取った人とかそういうリズムで歩く人の感じで。私は歩く速度は遅いんですよ。誰からも抜かされるみたいな。だけど1日中歩いてるんですよ。朝から晩まで。
(まり)へぇー。
(美千代)だから結局、歩く距離が1日長くて、結局は26日で終わったんです。
(まり)すごい!
(美千代)平均30キロ歩いてました。
(まり)ほぉー!すごい!
(美千代)歩くのが楽しくてしょうがなくて。夏は午後のスペインってめちゃくちゃ暑いんですよ。乾いてて。夏は午後1時くらいになるとみんなアルベルゲに入っちゃうんですね。
(まり)どれぐらいの気温になるんですか?
(美千代)35度とか。日本の夏と違って湿気がないから、そのへんの暑さの感じ方はそれぞれ違うかもしれないんですけど。私は湿気があるよりカラッカラの、例えばエジプトで50度とかあっても元気で、日本の30度の湿気があると全然ダメなんですよ。すぐに熱中症になっちゃうとか、人によってあるけど、私はカラッと暑い40度近くになっても平気で歩けるんです。
(まり)へぇー!
(美千代)午後になると人が少なくなるんですよ。みんなもうアルベルゲに入っちゃうから。そっからがよくって、太陽と私だけ大平原みたいな。ドMなんですよね私(笑)
(まり)アハハハ! 何時くらいまで歩くんですか?
(美千代)夏は日本よりも上でサマータイムとかあるから、21~22時まで明るいんですよね。いつまでたっても太陽が沈まなくて、太陽が沈む前まで歩いていた時もあるし、でもいい加減、18時くらいになると夕飯の時間になっちゃうから。アルベルゲって夕飯を提供してくれるんだけど、それを食べたいから、やっぱりそれくらいまでかな。友達と歩いちゃうと20時とか。結局歩くのが好き。歩く速度とかもないし本当、人それぞれの旅。
(まり)その旅でハプニングとか印象に残っていることありますか?
(美千代)Kindleをぜひ読んでいただきたいんですけど。
(まり)はい!ですよね!
(美千代)私、ワインが好きなんですね。巡礼とはいえ毎晩飲むんですよ。巡礼者もヨーロッパの人が多くて、スペインの人が50%やっぱり地元だから。イタリア、ドイツ、フランスとかヨーロッパの人で70%くらい占めるのかも。
(まり)じゃあ日本人やアジア人はかなり少ないんですか?
(美千代)少ない。たまーに会ったりする。日本人にもたまに会ったりする。夏の巡礼者の多い時でさえ、しかもずっと歩いているわけじゃないから、5人以下とか。冬は1人だけでしたね。
(まり)いたんだ。
(美千代)うん。ヨーロッパって下戸の人がいないんですって。体質的に。
(まり)へぇー!ビックリ。
(美千代)ヨーロッパの人って誰でも飲むんですよ。巡礼とはいえ、ワインて宗教的な意味もあって、神父さんもキリストの血と言ってミサのときとか口に含んだりするし。悪いイメージないというか、だから毎晩酒盛り(笑)
(まり)へぇー!いいですねー。
(美千代)バックパックの横に、前の晩、飲みきれなかったワインのボトルをさしてよく歩いていました。巡礼者のメニューは、水かワインが選べて、同じ値段でワインが出てくるんですよ。水はそのへんで買えばいいから、絶対ワインくださいって。
(まり)そうなりますよねー(笑)
(美千代)昼間から飲んでねそれがガソリンになって午後ずっと歩けるみたいな。すっごい楽しいですよ。
(まり)素敵! 昼から飲んでいることがあるってことですか?
(美千代)そうそう。ヨーロッパの人たちって、みんな昼から飲むから。
(まり)それだったら私も歩けそうな気がする(笑)
(美千代)私、ワインが好きだから、だからといってへべれけになるまで飲むとかそういうことじゃなくて。楽しく飲みたいんですよ。いい気分になるくらいで。だからゆっくり飲むし、バックパックにさして、時々、飲みたいときに飲んだりするし、もちろん水もちゃんと飲みますよ。そういう感じが楽しかったりとか。人との出会いが楽しかったりとか。冬は人にはあまり会わないんですけど、犬によくあうんですよね。
(まり)あーーー私、シャーリーの本でも「星の巡礼」でも犬が怖くて行けないんですよ。
(美千代)大丈夫です。私ですら行っているから。
(まり)本当?
(美千代)たしかに野良犬いっぱいいるんですけど。私ね、その前に30代の頃、足かけ10年メキシコに住んでいて。その時、一回犬に噛まれているんですよ。たまたま高級住宅街を歩いていたら、ドアが開いた所から番犬が出てきて噛まれて100針塗ったという大怪我をしたんですよ。
(まり)えーーー⁉︎ 100針⁉︎ どこを噛まれたんですか。
(美千代)足首だったんですけど。それがあったからスペインでも犬が怖くて怖くて。
(まり)うんうん、そりゃあそうですよね。
(美千代)シャーリー・マクレーンさんの本を夏と冬の間に読んだのかな。夏はまだお互い前後したりして人がいっぱい歩いているからいいけど、冬にどうしよう、もしひとりのときに犬が来たらと思って。そういう怖い思いをしながら。そういう時に限ってたくさん犬にあうんですよね。
(まり)やっぱりね。そういうことですよねー。
(美千代)そういうこといっぱいKindleに書いてあります。巡礼というよりもワインと犬の話しか書いていないんで(笑)
(まり)読ませていただきます!
(美千代)でも両方とも完歩できて。
(まり)それがすごいなー。それをきっかけに何か変化がありましたか?
(美千代)物が少なくても人間は生きていけるんだと。バックパックだけじゃないですか、それだけで村から村へ行く。最初は心配だからいろんな荷物を持って行っちゃうんですね。でも最初に峠を歩くから重くて仕方なくて、2、3日でだんだん気づいてくるんですよ。これいらないから置いていこうとか、人にあげようとか。そうすると『あれ、人間って結構ここにあるものだけで何とかなるんだな』と。そうなると物質じゃなくて精神的なものにいくんですよね。こうやって人と出会うのがいいなーとか、この人といると楽しいなとか、ワイン美味しいとか、怪我なく歩けることが嬉しいとか。そういうことにシフトしていくというか。それが一番大きかった。だから冬も行っちゃったのかもしれない。もう一度それを味わいたくて。
(まり)へぇー!いいなー。そこで写真もたくさん撮ったり。
(美千代)そうですね。その時はまだ一眼レフをきちんと持っていなかったから、デジカメで撮っていたけど、写真やアート関係はもともと好きなんで。巡礼って風景がすごく綺麗だし、人がとても楽しいし、いま考えるといろんなことが絡み合っているんですよね。私、わがままだから、もともと好きなことしかできないんですよ。
(まり)うんうん、そうなんですね。好きなことしかできないって最高ですよね。
(美千代)興味ないことは本当に興味ないからすぐ忘れちゃうし、見向きもしないというか、見向きどころか忘れてるみたいな。
(まり)目に入らないんですよね。
(美千代)そうそう(笑)
(まり)巡礼もひとつになると思うんですけど、人生のターニングポイントって、美千代さんにとって、どのタイミングですか?
(美千代)やっぱりメキシコに行ったときかな。28歳。
(まり)なぜメキシコだったんですか?
(美千代)結局そこから足かけ10年居たんですけど。なぜメキシコかというと、JICAで派遣されたのがメキシコだったんです。
(まり)メキシコのどのあたりなんですか?
(美千代)メキシコシティですね。そこで日本語教師というか、小学校なんですけどラテンアメリカで一番でっかい日本語教育をしている小学校から高校までの大きな学校があるんですね。そこに派遣されて、小学生の担当をしていたんですよ。その契約が2年半で終わって、日本に帰ってきたんですけど、やっぱり好きでまた行っちゃったみたいな。
(まり)それはメキシコに行きたいということで?
(美千代)そう、メキシコ。
(まり)そこでは何をされていたんですか?
(美千代)日系企業で。日本語教育にそこまで興味がなかったのかもしれない。メキシコに行くきっかけにはなったけど。それで日系企業で OLをしていたんですけど、同僚がメキシコ人なので、そういうメキシコ社会にどっぷり浸かってた。私、結婚もしていたので。
(まり)メキシコの方とですか?
(美千代)そうです。その人とはJICAの時代に出会っていて、私がJICAが終わったときに一緒に日本に帰ってきて、日本のやり方で結婚して、しばらく居たんですけど、やっぱりメキシコの方が住みやすいということで、結局メキシコに。それから普通にメキシコで主婦兼、働いて税金払って。在住ですよ。その間に別居とか離婚とかあり、その後もまだ2年くらい居たからね(笑)
(まり)へぇー! それくらいメキシコが好きってことですか?
(美千代)そうです。
(まり)メキシコのどんなところに惹かれたんですか?
(美千代)私にたぶん合っていたんだと思うんですよ。メキシコの人、大好きだし、メキシコ料理美味しいし。旅が好きなんだけど、メキシコって日本の5倍あるから、いろんな亜熱帯から高地の方まであるし、さまざまな部族の方がいるし、楽しい国ですよ。
(まり)メキシコというと、マヤのピラミッドとか。
(美千代)ピラミッド大好き。
(まり)実際行ってみると、ジャングルの中にピラミッドってどんな感じですか?
(美千代)私、大好きでパワーをもらえる。何て言えばいいんだろう。昔からの遺跡とか。日本でもそうなんですよ。神社仏閣とか大好きだし、古いものが好きで、それと同じ感覚なんでしょうね。
(まり)うんうん、未央子さんが美千代さんのことを『魂の声に従って生きている人。宇宙と交信しながら生きているような人』と言われていたんですけど。
(美千代)アハハハ!
(まり)そういう話を聴きたいと思って。
(美千代)あっちゃこっちゃで、いろんなことしていて。メキシコ行く前にアメリカに1年間居たことあって。私、短大卒なんですね。大学4年もいいかなと思ったんですけど、早く社会に出てお金貯めて海外に行きたいと高校の頃から思っていて。自分のお金で好きなことをやりたいと思っていたから、入社の日から3年で辞めると決めていたんですよ。
(まり)アハハハ!
(美千代)OLも楽しいんだけど、この仕事どうなんだろうと思いつつ、でも早く目標があったから。3年で辞めるという。結局2年9ヶ月で辞めて、その頃はまだスペイン語とかメキシコとか全然頭になくて。アメリカの英語と思っていたから、それで24歳の時に社員を辞めて、アメリカに行きますって行ってみたら、見事に私の英語が通じないんですよね。あんなに好きで勉強していたのに、長文読解だったらできるけど発音通じない、分かってもらえない、私の言っていること誰も分かってくれない。その頃にヒスパニック系のスペイン語を話す人たちがアメリカに多いから、その人たちと知り合いになったりしたときに、私、スペイン語の方が肌に合っている気がすると思って。
(まり)へぇー!うんうん。
(美千代)その頃からスペイン語に興味を持ち始めて。もともと外国に住みたいとか、外国の方にすごく興味があったんです。外国人に日本語を教える日本語教育の勉強もしていて。その試験に3年目でやっと受かって。
(まり)それは日本で勉強していたんですか?
(美千代)前々からそういうの知っていたんだけど、ずっと長引いちゃっていて。アメリカに1年いたけど、スペイン語に興味あるなと思って、アメリカから帰ったら、またどこかへ行こうと思ったんですよ。今度はアメリカじゃなくて。でもどこに行ったらいいかも分からないし、とにかく日本語教育の試験を受けて、それをきっかけに行こうと思ったんです。1年、2年目は落ちたんですけど、3年目で受かってすぐにJICAに申し込んでスペイン語圏に行きたいって言ったらメキシコになって。それから今度はスペイン語は長文読解ではなくて、人と話して覚えようと思って。それでも私、耳のセンスがよくないので上手くはならないんですけど、人とコミュニケーションとるのはすごく楽しいなと。
(まり)言葉というよりも人に興味があるんですね。
(美千代)そうそう、そうです。
(まり)人とコミュニケーションをとることが喜びなんですね。
(美千代)そうです。それがたぶん写真にも繋がっていて、写真も景色よりも人物写真を撮るのが好きで、コミュニケーションとりながら撮ると、写真って全然違ってくるから。
(まり)それって、その人のことを知るのが楽しいんですか?
(美千代)話しているだけでも楽しいです。いま真理さんと話しているじゃないですか。私がインタビューをされている側なので、私が真理さんのことをどんどん聴くという形ではないですが、私は相互でこうやって話すのがすごく好き。「真理さんはどうなんですか?」って、人のことを知るのって、1時間しゃべると本一冊読むのと同じくらいのものなんですって。
(まり)わー、鳥肌が立つ。
(美千代)人の人生を知るというのは本を読むのと同じことだって。
(まり)あー、でも分かる。私はこのインタビューをやりはじめたんですけど。まさにその方たちの自叙伝を一冊読んでいる感じというのがすっごく分かります。美千代さんは人に興味があるのは昔からなんですか?
(美千代)興味はあったけど、中学高校までは人見知りが。
(まり)えーーー、ぜんぜんそんな感じがしない。
(美千代)人見知りなんだけど、自分の中ではすごく話したいというのがあるから、自分の中で戦っている感じがあって、ストレスがたまるんですよ。
(まり)ドキドキするのと好奇心と。
(美千代)飛び出したいのに飛び出せないみたいな。今はもうめっちゃ大人というか、人と話すのはドキドキとかしなくなったけど、あの頃はそんな感じで。19歳の時に一ヶ月間だけ、アメリカに行ったんですよ。日本のことを嫌いとかそんなんじゃないけれど、ただなんとなくちっちゃい頃から日本ですごく生きづらさを感じていたんです。狭い感じがあったのかな。だから英語に興味があったんだと思います。語学そのものじゃなくて、英語が話せたら、世界の人と話せるんだって、多分どこかで思ったんですよね。
(まり)なるほどー。
(美千代)だから英語を頑張っていたんだと思います。
(まり)自分の世界を広げたいという感じだったのかな?
(美千代)たぶん。日本島国で一民族、一言語っていうところよりも人類のるつぼみたいなね、そういう所いいなーって。私はアジア人だとか日本人だとか意識して生きていきたいというのは昔からあった。
(まり)へぇー、面白い。
(美千代)日本にいると日本人だってことをすぐ忘れちゃう。
(まり)はぁー面白い!
(美千代)それがたぶん私にとっても楽しんですよね。ウキウキするというかワクワクする。
(まり)自分が日本人だって意識があると何が違うんでしょうか?
(美千代)なんだろう。外国に住むのが楽しんだと思う。マイノリティであるていうことが、私にとってはすごくワクワクすること。
(まり)逆にそれが自分のコンプレックスになる人もいるじゃないですか。でも美千代さんにとってはアイデンティティになるんですね。
(美千代)日本にいると「私、あんなに上手くできないし」とかそういう風にすぐに考えちゃうんですよ。ただ外国に行くと「私は私だし」という覚悟ができるというか。そこが昔からそういうのがあって、言葉で説明できないんですよ。
(まり)日本にいるよりも外国人としての自分の方が生きやすい。
(美千代)うん、自由を感じられる。
(まり)へぇー、面白い。
(美千代)あんまり細かいことも気にしないし、ラテンの世界なんて本当みんな細かいこと気にしていないから、逆に楽なんですよね。日本の方が秩序正しくみたいな、満員電車に乗るために列に並ぶとか息苦しくてしょうがないんです。いまだにそうなんですけど。
(まり)今、日本に戻ってきて何年くらいですか?
(美千代)10年くらい。
(まり)これからも日本に住むんですか?
(美千代)10年前に帰ってきたんですね。その時は日本に帰りたくなかったんだけど、帰らなきゃいけないと思って日本に留学するつもりで帰ってきたんですよ。なぜかと言うと、もともとドMだから(笑)
(まり)アハハハ!
(美千代)楽しすぎちゃうとそこにいちゃダメなんじゃないかとすぐに思っちゃうんですよ。成長がないと思っちゃうんです。メキシコはもう慣れきっちゃって、ラテンの世界すごく楽しくて、日本はもう遠い国になっちゃってて、日本人なのに日本のことを忘れている。冠婚葬祭ってなんだっけ?とか。そういうのが焦りになってきちゃって、いま日本に帰ったら私、日本で生活していけないわって思っちゃって。日本人なら日本のことをちゃんと中庸な目でみないとダメだって思っちゃったんです。
(まり)へぇー、そうなんですね。
(美千代)その頃、訳が分からなくなっちゃったから、どうしようどうしようっなって、でも日本に帰りたくないして思ったときに、1回目の巡礼をメキシコから行ったんですよ。
(まり)そうだったんですね。
(美千代)歩こうと思って。ヨーロッパはその頃、知らなかったから、歩いて何か考えようと思ったら、考えるどころか、人との出会いが楽しくって、何も考えないで帰ってきちゃったんです。その時にピースボートも申し込んでいたんですよね。ピースボートの試験を受けたら落ちたと思っていたんですよ。
(まり)うんうん。
(美千代)メキシコで受けたんですよ。何かこう探っていたんですよね。メキシコにこのまま居てもいいんだけど楽しすぎるから、仕事も一応辞めて違うことがしたいと思って、休憩の時間を取っていたんです。そのときピースボートの記事を見て世界一周してみようと思って。日本の事務局があるしね。
(まり)面白い(笑)
(美千代)スペイン語の通訳ボランティアを申し込んで、電話面接をしていただいたんです。それが全然ダメで、受話器置いた瞬間「あーもうダメだ」ってボロボロひとりで泣いて。これ絶対行けないムリムリと思って、どうしよう甘かったなーって。じゃあスペインの巡礼にいま行ってみようと思って、とっとと行っちゃったんですよ、2週間後ぐらいに。
(まり)すごーい(笑)
(美千代)そしたらスペインで最初歩き始めた頃、インターネットを繋げたらピースボートの事務局からメールが入ってたんだけど全部文字化けしていて。でもコングラチュレーションて書いてあったので、なんだろうとスペインのバルから事務局に電話したら、受かっていて。「すいません。いま巡礼しているんですけど」って言ったら、船が出るまでに時間があるから、巡礼が終わってから日本に来て研修を受ければいいよって言ってくださったので、両方できたんです。そのピースボートで未央子ちゃんに出会ったんです。
(まり)そうだったんですね。
(美千代)未央子ちゃんもスペイン語できるから、すっごく助けてくれて。未央子ちゃんがよくしてくれて、本当に助かってそこからの出会いなんです。
(まり)素敵な出会いですねー。
(美千代)それでその時に、世界一周している間に考えようと思ったんだけど、毎日が本当に楽しくて、日本がドンドン近づいてくるときに、もしかしたらいま私は日本に帰るべきなんじゃないかな、このままメキシコに居ても同じだろうなって思って、10年振りの日本に帰ってきたんです。ピースボート終わってからメキシコに荷物取りに帰って、日本に定着したのが今から10年前。
(まり)へぇー、そうなんですね。
(美千代)それから2年間、日本の社会に復帰できず。
(まり)アハハハ!
(美千代)もうムリ、日本ムリですみたいな(笑)日本怖いーって。ラテンの雰囲気に慣れているから、みんなちゃんと並んでいるとか、大人しいとか、空港が病院みたいに感じたりとか、すっごく静かって思ったりとか、一人だけ冬でも色が黒いし、2年間就職活動ができなくて。会社に縛られたくないみたいな。
(まり)うんうん。
(美千代)まだその頃、終身雇用じゃないけど、なんとなくそういうね。昔から好きなことを仕事にしたいって頭のなかにあったから、私は一生ここで働くていうのがなかなかできない。満員電車とか本当ムリと思って。
(まり)2年間、何をしていたんですか。
(美千代)バイトです。ポスティングのバイト。歩くのは好きだから、巡礼やっているくらいだから半日歩くってなんてことないんですよ。でも歩いて考えるだけじゃなんの解決にもならないんですよ。
(まり)あーなるほど。
(美千代)結局1年半くらい頑張って歩いてポスティングしてたんですけど、給料も少ないからどんどん貯金もなくなっていくし、それでもうヤバイと思って、巡礼が恋しくなっちゃって。真冬の巡礼に行って、そこで考えようって。
(まり)それで行ったんですね。
(美千代)ひとりの時間がもてるだろうと。それが甘いのか、なんなのか分からないんですよ、私。人には、なんで冬にそんな厳しいところに行くの?と言われたんだけど、私は自分は甘ちゃんだなって思ったから行ったの。巡礼で考えるということ自体も甘いんじゃないのかなと思ったんだけど。それしか方法がなかったんですよ。
(まり)うんうん。
(美千代)何も考えられないから行ってくるって、真冬に行って、Kindleに書いてあるんだけど、スペインに住みたいと思っていたんだけど、その時に思ったのはスペインであれ日本であれメキシコであれ、人は土地じゃないんだって思って。
(まり)ほぉー。
(美千代)どこであっても楽しく、自信を持って生きていけるんだったら、どこに居てもいいんだなって。だからいまスペインに住んだら、また同じことになると思ったんですよ。外国好きだから楽しくなるのはあたりまえなんです。もちろんそこの生活に慣れるまでは大変な思いってするじゃないですか。
(まり)うんうん。
(美千代)でも私にとっては日本の方が寂しくなっちゃったりするから、いまこそ日本に帰って日本でちゃんと自信をつけたら、また海外に住んでもいいやって思ったんです。冬の巡礼の終わる頃にやっとその結論になったんです。言っちゃったKindleの内容を(笑)
(まり)あっ(笑) あとでアドレスくださいね。載せたいので!
(美千代)みんな、面白いって言ってもらえるので(笑)こんな内容だったんだって。
(まり)お知らせで載せたいです!
(美千代)私は悩んでいたから巡礼だったんです。
(まり)じゃあ、終わった時にはスッキリして日本に帰ったんですか?
(美千代)逆に怖い感じでした。
(まり)覚悟なのかな。
(美千代)そう覚悟。成田に「おかえりなさい」て書いてあるじゃないですか。私、あれを受け取れないんですよ。「おかえりなさい」じゃないんですよ。またすぐ行っちゃうから(笑)
(まり)アハハハ!
(美千代)そういうのを日本の友達とか、家族にも言ってない。言ってもみんな分かってくれないから。ちょっとね、診療内科に行こうかなと思った時期もあったんですよ。
(まり)えっ?本当に?
(美千代)はい。
(まり)それくらい自分の中では思い悩むテーマだったんですね。
(美千代)言ってみたりもしたんだけど、みんなやっぱり、なんで?って言われて。こういうのって分かってもらえないんだなって。あの頃、こういうことも含めて私が日本で突破していかなきゃいけないものがあるんだなって。
(まり)はぁー、そうだったんですね。
(美千代)そこから就職活動もちゃんとして就職をして、休みのときにはひとり旅をして。今度は日本の1道1都2府43県、全部潰そうと思って。外国だけじゃダメだと思って。
(まり)アハハハ!すごーい!
(美千代)私は日本人だから日本を知らないとダメだと思って、その頃にちょうど通訳案内士をしようとしていて、スペイン語で。日本に来た外国の方をガイドする。
(まり)へぇー。
(美千代)それって日本のことを学ぶんですよ。自分が日本のことを説明しないとできないじゃないですか。私は10年間海外に居たから、やっぱり日本のことがうやむやになっちゃって分かっていないんですよ。
(まり)うんうん。
(美千代)日本のことを外国の目で見てるんですよ。日本の文化が嫌いとかそういうことじゃないんです。ただ外国人の目で見ているから日本はクールみたいな。日本の食事美味しいしみたいな。
(まり)はぁー。うんうん。
(美千代)そういう感じだから勉強が楽しくて仕方なくて。そしたらもともと旅が好きだから1道1都2府43県、その土地土地で代表的な食べ物ってあるじゃないですか。
(まり)うんうん。
(美千代)これ食べたい!と思って。試験はありがたく合格いただいて、その頃に行ってない県、全部行こうと思ったんです。
(まり)へぇー、うんうん。
(美千代)ちっちゃい頃から行った県を塗りつぶしていったら、13県行ってない所があったんです。ただ通るだけじゃなくて、泊まって温泉に入るなり、何かそこでしたと思い出せるものを除いたら、13県。その頃から私ランニングも始めたんです。
(まり)すごいなー、アクティブ。
(美千代)身体動かずことが好きで、人と話すことも好きだから、部活っぽいものにね。そこのランニングチームに入ったときに、最初は42キロとかマラソンとか走れないわけですよ。
(まり)うんうん、そうですよね。
(美千代)でも巡礼では40キロとか何回か歩いているから、身体では40キロという距離は分かっているんです。ただ私、みなさんみたいに速く走れないから。マラソンがある県で、行っていない県を検索すると出てくるんですよ。
(まり)すごーい、面白い(笑)
(美千代)なになにマラソンと言うのが出てくるんですね。山形のさくらんぼマラソンとか、鹿児島の菜の花マラソンとか、そこに行くんです。
(まり)すごーい!
(美千代)ひとりで行って、ひとりで走って、でも日本のどこかしらに友達がいるから。夜はご飯を食べる人がいて、久々の友達に会えたり。昼間は勝手にマラソンを走り、とにかく完走して、お酒も好きだからお酒も飲んで、みたいな。そういうことしているうちに、3年くらいたって全部制覇して。
(まり)全部?もう全部?
(美千代)全部、制覇している。
(まり)行ってない県がないってことですか?
(美千代)はい。
(まり)すごーい。
(美千代)日本って本当に奥深い。単純に県庁所在地だけ行っても、全然そこを知っているわけじゃなくって。もっといろんな所あるし、電車に乗るのも長距離バスに乗るのも大好きだから。その間に一眼レフを買ったし。
(まり)へぇー。
(美千代)マラソンは5本の指の5番目くらいなんですよ。
(まり)1番は何ですか?
(美千代)写真かお酒かな(笑)
(まり)アハハハ!
(美千代)とにかく撮れればいい。飲めればいい。あとは友達に会う。その3つが一番。マラソンは口実みたいな感じ。
(まり)面白ーい!じゃあ人生のターニングポイントって、メキシコに行った時と日本に帰ってきたのもひとつになるんですかね?
(美千代)そうですね。結局そういうことです。日本に帰ってきたということの方が私にとっては結構大きいかもしれない。私の成長という意味では。
(まり)お話の中で成長という言葉が何度か出てくるけど、成長したいという欲求があるんですね。
(美千代)あるんでしょうね。ちっちゃい頃から自己肯定感が低くて、私はダメだとずっと思い続けていて。だから成長しなきゃいけない、頑張らなきゃいけないというのが、ずっと今まであって。でも成長するって曖昧じゃないですか。
(まり)うんうん。
(美千代)何をしたら成長なのかも分かんないし。自分が今までできなかったことができることが成長になるという風に思っていたのかもしれない。だから日本で楽しいと思える私になれたら成長できるんだなって思ったのかな。
(まり)そうかもしれないですね。
(美千代)今は大丈夫なんですよ。だいぶバランスが取れたから。
(まり)なんでバランス取れるようになったんですか?
(美千代)自己肯定感の低さは、最近までずっとあったんです。人からは気が強そうとか楽しそうで、自己肯定感が低いようには全然見えないって言われて、それを聞いてまたびっくりなんだけど。日本で生活しても、まだ私、OLやってる。OLの仕事を下に見ているっていうことじゃなくて、私自身にこれでいいのか、これが合っているのかというのが、ずっと昔からあったのに。いまなんとかしないと、ずっと自己肯定感が低いまま…というときに本田健さんの本を読んで、そこのプログラムに行き始めたのが3年前です。そこで人間関係やお金のことや人生とか、いろんな方面から学校で習わなかったことを学んで。健さんのコミュニティの人たちもたくさんいて。そこで好きなことを仕事にするってどういうことなんだろうということも。人生って一度だから、やるかやらないかなんですよね。
(まり)うんうん、本当よね。
(美千代)趣味を仕事にするって馬鹿げているじゃないですか。ハッキリいったら。でもその裏返しで、やるかやらないかで、やらないんだったら私はもうこのまま楽しく働いて、健康をいただいて、なんとなく幸せに。あれもやりたかったけど、やれなかったって。でもやるんだったら、野垂れ死にしようがやるってことをやってみる。成功するとかしないとかじゃなくて。どっちを選ぶってなったら、ちょっと一回やってみようと思って。写真を仕事にしたらどうなるんだろうと思ったのが2年前か3年前。
(まり)へぇー。
(美千代)その頃ってちょうど、いままでいたサラリーマンの人たちの世界とはまた違う、起業されている方とか独立されている方とかもたくさんいて、若くてもそういう志を持っている。そういう人たちが写真を撮ってくださいって。やっぱりそういう人たちってひとりで何かされる時、自分を売り込む時に写真ってやっぱり重要で。
(まり)うん、そうだね。
(美千代)そういう方たちに写真を撮ってくださいって言われることがすごく多くなって、こういう状況にビックリして。
(まり)すごいね!
(美千代)だって私まだ全然ね。写真は好きで旅で撮ってきたけど、仕事としてやってきたことはないから。取り始めた頃の写真はヘタ(笑)
(まり)そっかー。
(美千代)今でも全然まだ伸びしろがあるというか、上手くなりたいし。
(まり)それ最高ですね。
(美千代)上手くなれると思っているし。
(まり)うんうん、それ最高。
(美千代)私の努力次第なんですけど、2年前はまだ全然わかんなくてやっていて。そこから撮る機会に恵まれて、いまもう300人近い。
(まり)すごーい! すごい!
(美千代)セッションとしては200セッション近くはやってた。こういう機会に恵まれたということだけでもみなさんに感謝なんですけど。私、ひとりじゃできない。
(まり)だけど魂の道筋というか自分の魂の目的は、そっちだよって、いろんな人を介してそうなっているんでしょうね。
(美千代)そうですね。ありがたいことに。今でも全然悩んでいる時っていっぱいあって、こんなんじゃ甘いなという思いもあるんですけど。みなさんが「この人が写真撮ってるから」って言ってくれて、そういう機会を受けさせていただいていて。写真って撮れば撮るほどいろんなことが分かってくるんです。
(まり)写真を撮るときに美千代さんが大事にしていることってどんなことですか?
(美千代)やっぱり人とのコミュニケーション。その人が楽しんでくれるかどうか。
(まり)撮られながら?
(美千代)そう。私もそうだったんだけど、写真って撮られるのが苦手な人って多いんですよ。だけど楽しんでると本当にその人の自然な笑顔って出てくるんですよね。
(まり)うんうん。
(美千代)作り笑顔じゃないっていうのは私でも分かる。それは作ってるとか、目が笑ってないとか、笑い慣れてる人もいる。職業柄なのかな。でも本当の自然な笑顔って、みんな無防備なんですよ。
(まり)だよねー。
(美千代)写真を撮ってない時の方が全然無防備な笑顔。そういう顔を本人も知らない。
(まり)そっかー。
(美千代)みんな、自分の顔って鏡でしか見ないから。
(まり)作った顔ですもんね。
(美千代)だから無防備な笑顔を撮れたときに私が嬉しくなっちゃうんですよ。構えているふりして結構撮ってなかったりするんですよ。撮って撮って撮って、はい終わるよーって言ったときに、ハァーってした時にまたカシャって撮るんですよ。
(まり)アハハハ!
(美千代)そういう時の顔の方がすごくいい顔する。
(まり)人って構えている顔の方がいいと思って構えるけど、構えていない素の方がその人の魅力ってことですよね。
(美千代)そういう写真を納品するじゃないですか、するとみんな「私、こういう顔してるんだ」って驚くんですよ。「そうだよ、こういう顔をしているんだよ。みんな、こういう顔を見ているんだよ」という風に伝えてあげられる役目ができたときにすごく嬉しいです。
(まり)写真を撮るというのと同時に、ひとつのカウンセリングみたいな感じですね。
(美千代)そういう風に皆さんからその言葉を言われたのが最近なんですよ。それを聞いて
とんでもない!私はセッションをいつも受ける側で、私がするなんてありえないていう風に言ったんですけど。
(まり)お話を聞いてて、その役目というかそれが才能として美千代さんにあるんだなというのを感じました。
(美千代)ありがとうございます。何人かから言われたことがあって。
(まり)きっとそうなんですよ。
(美千代)私はどっちかというと写真を撮ることそのものが好きだし、人と楽しく過ごすのが好きだから、私の楽しい時間になっちゃうんですよね。もちろん相手のことを考えているし、考えなきゃいけないんと思っているんですけど、撮ってて自分が勝手に舞い上がっちゃって(笑)
(まり)だから相手も楽しくなるんですよね。引き出されてしまうんでしょうね。知らず知らずにカウンセリングみたいなことをしてしまっているんじゃないですか。
(美千代)してたら、それが役に立ってたらいいなーと思うけど。
(まり)最高だと思う。
(美千代)私が楽しい時間をもらっちゃってる。いつもありがとうって思ってるんですけど。
(まり)それ最高の仕事ですよね。最高の働きと役割でね。これからはもっともっと写真を極めていったり、たくさんの人を撮りたいと思っているんですか?
(美千代)思いますね。そのうちまた自然と人間を融合したものテーマも大きくしたいとも思うし、人物はずっと撮っていきたいなと。人と関わることって一生、どの人も離れられることじゃないし。むしろ離れたくないというか。人との結びつきとかね。いろんなところでお世話になっているし、人がいてはじめて私も楽しいと思えたりするから。そういう人間っていうものを撮りたいです。
(まり)美千代さんは写真においても大事にしているのはコミュニケーションって、さっきおっしゃったんですけど、人生のなかで大事にしているのも人との繋がりですか?
(美千代)そうそう、人との繋がり。写真ってそれができるんですよ。自然を撮る時も自然とのコミュニケーションなんですね。
(まり)その時、自分はどんな状態でいたいと思いますか?
(美千代)ピュアな感じ、前にあるものに感動しきっているというか。惚れてるというか。だから撮っているときは、その人の笑顔は男性でも女性でも年配の方でも小さな子供でも、かわいい!と思って他のこと忘れちゃうんです。
(まり)へぇー。
(美千代)普段の私はいろんなことで思い悩んだりするんだけど、写真を撮るときは目の前のことに集中できるというか、他のことを考えないんですよ。私、いろんなことに煩わされちゃって、だからよく落ち込んだりしているんですけど、誰もいない大自然が相手だと私がひとり占めできるから。もう惚れてる私と太陽だけとか。
(まり)これからの人生で叶えてみたいことはありますか?
(美千代)写真はずっと付き合っていきたい、写真を通して他人も自分の幸せになっていく、大きく言えばね。
(まり)そっかー。
(美千代)その人を幸せにできたら私も幸せになっているし。大きいことかもしれないけど、みんながいい気分になって、みんながいい世の中を作っていくとき、そこに貢献できるとしたら私は写真を通してなのかなと思う。日本にもお世話になって、日本でも楽しくできるようになったから、これから海外にどんどん出ていきたいなと思うし。日本と海外を行き来したい。
(まり)最初の方で美千代さんが言った言葉がすごく印象深くって。2回目の冬の巡礼の時に気づいた、場所じゃないってこと。場所じゃなくて、自分がそこでどう生きるか、自分次第だって気づいたというのが心にきました。
(美千代)それに気づかせてくれたこの世がすごいと思って?
(まり)本当ですね! では、次のお友達をご紹介していただけますか。
(美千代)はい、見上歌奈子さんです。彼女はパティシエさんでいまメキシコで自分のお店を持ってやってます。彼女は本当すごい!私は憧れる。なぜかというと綺麗なのにファイトがあるし、頭いいし、ケーキのデザインのセンスいいし。メキシコ人の旦那さんと可愛い子供が一人いて、彼女が帰ってきた時、必ず会うんだけど、友人もすごく大事にする人だし。大好きな友人です。
(まり)次回は、メキシコ在住の見上歌奈子さんです。
西久保美代子さん、どうもありがとうございました。
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