ども。看護師22年のキムチです。病院で21年、去年から施設で、看護師として生活を支えています。特に、「食支援」に関するサポートに力を入れています。

 「命」「幸せ」「繋がり」「思い出」などなど、人として切っても切り離せない食事を、最期の時まで叶えられるように。

 食支援を「医療」から「生活」に戻せるように。

 

 今、絶食になって困っている当事者やご家族、身近でなんとかしてあげたいと関わっているスタッフの方々をはじめ、食事に関わるすべての方へ、なにかのヒントとなることができたらこれ幸いと、今日もブログを書いていきます。

 

※投稿内容は、私や身近な人が体験したことを元にしていますが、あくまでもフィクションとして内容を編集しています※

 

 

 

 

100歳のバースデーアイスケーキ

  入院されている方の中には、病院でお誕生日を迎える方も当然います。その方は、100歳の誕生日を病院で迎えました。車椅子生活でしたが、お元気でよく通る声でおしゃべりされる楽しい明るい方でした。ご家族とも和気あいあいおしゃべりが尽きない、そんな入院生活を送っておられました。
 入院してすぐは、病気を理由に「食べたら肺炎を起こすから」と絶食となっていました。しかし、ご本人が「食べたい」と言っており、ご家族も本人の意向を叶えて上げたいとご希望があり、摂食嚥下リハビリテーションが介入し、食事が再開されました。  とはいえ、実際はリハビリテーションというより、お口をキレイにして、姿勢を整えて、体の状態に合わせた食形態で、適切な食事介助を行った、ごく普通の食事に関するケアを行っただけ。それで、発熱もせず、痰がらみもなく、spo2(体内の酸素量を表す数値)もとても安定して、3食食べ続けました。毎食全量は食べられないけれど、「ここのご飯は美味しい」とニコニコ食べていて。ご家族も昼食の時間に合わせて面会に来ていただいて、一緒にニコニコしながら「良かったね」と声をかけていて。
 100歳の誕生日には、ご家族が持参したホールのアイスケーキにろうそくを立てて(火はつけられないけど)、ご家族もスタッフもみんなでその方を囲んで、バースデーソングを歌い祝い。みんなで少しづつご相伴に預かり。奇跡でもなんでもない、普通の団らんの場面でした。そんな場面を写真に撮っていただき、プリントして私もいただきました。今でも大切に持っています。
  私の中では、いい思い出、だけではないのです。 もし、医師の言う通りに絶食を続けていたら、と思い返すといまだにゾッとする思い出なのです。


そんなことを思い返しながら、常温でも1時間は溶けないアイスをいただきました。ごちそうさま(^▽^)