ども。看護師22年のキムチです。病院で21年、去年から施設で、看護師として生活を支えています。特に、「食支援」に関するサポートに力を入れています。

 

 「命」「幸せ」「繋がり」「思い出」などなど、人として切っても切り離せない食事を、最期の時まで叶えられるように。

 食支援を「医療」から「生活」に戻せるように。

 

 今、絶食になって困っている当事者やご家族、身近でなんとかしてあげたいと関わっているスタッフの方々をはじめ、食事に関わるすべての方へ、なにかのヒントとなることができたらこれ幸いと、今日もブログを書いていきます。

 

※投稿内容は、私や身近な人が体験したことを元にしていますが、あくまでもフィクションとして内容を編集しています※

 

 

 

 

ゴーヤと煮干しの味噌佃煮

 食べることが大好きなその方は、ご家族をこよなく愛していました。ベッドサイドに訪問するだれかれ構わず、「うちの子は本当にかわいいんだよ」「しっかりしてて頼りになるんだよ」と褒めちぎり、軽く引かれるくらいの親バカっぷり(*´ω`*)

 お子さんも、毎日面会に来てはその方が食べられそうなものを冷蔵庫にたくさん入れて、面会中に一品食べさせて帰り際にスタッフにも「これ食べさせてくださいね」と念押しするくらい仲良しでした。

 

 

ある日、その方がご自身が開発したレシピなんだ、と自慢げに教えてくれました。乾燥ゴーヤと小さい煮干しを味噌・黒糖・みりん・酒で味付けた佃煮です。繰り返し教えてくれるから、よほど思い入れがあるのか、もしかして沖縄生まれなのか。本人に聞いたら沖縄全然関係なかった。。。

その話をお子さんにしたら、嬉しそうにゴーヤの佃煮を作って持ってきてくれました。ご本人も「これこれ〜」と嬉しそうに召し上がり。お子さんと思い出話に花を咲かせて、良い時間を過ごされていました。

 

程なくしてその方は、寝ている時間が長くなり、好きなものを一口食べてまた眠る、そんな時間を過ごしていました。お子さんは、本人が望まなかったからと、点滴などの代替栄養などはしてほしくないと希望され、最期まで穏やかで楽しい時間を過ごせるような支援をすることになりました。

 

とはいえ、通常のケアに追加した事といえば、たま〜に目を覚ました時に、スタッフからお話しかけて若い頃の話をうかがったり、そろそろサンマの季節よね~とか、よくできたお子さんよね〜育て方が良かったのよね〜とかたわいない話をすること。

お話好きなその方は、話している時は目に光が戻りステキな笑顔で冗談も言ったりと、良き反応を示す事が多くて、私達もほっこり温かい時間と感じていました。

 

 

最期の時を迎えた時、お子さんと一緒に本人のお支度を整えました。お子さんの言葉「最期までいつも通り過ごせた、自分らしく食べてしゃべって、幸せだったね。ここで過ごせて良かったね」とその時の顔が、今でも胸に残っています。

 

 

 

 

 

そんな事を思い出しながら作りました。
ゴーヤとにぼしの佃煮と
焼きサンマの開きです。