はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。集団ストーカー被害記録と、趣味のファンタジーといろんなジャンル書いてます。ご興味のある方はこちら。
 
ファンタジー過去作品はこちら。お時間のない方は作詞シリーズが短くてお手頃かと思います。

 

創作発表します。今回は超短編。

 

【お父さんの道】

 

 私のお父さんは頑固一徹、八十年代カミナリオヤジ。

 「箸はちゃんと持ちなさい!!」

 「はい」

 食事中のカミナリ。いや、雷撃ミサイル。お父さんは怒るとめちゃくちゃ怖いけど、あとは普通の人だ。

 

 私は幼稚園の頃からTVのアイドルにあこがれていた。アイドルと一緒に踊っていた。

 「お父さん、私、アイドルになる!」

 「駄目だ!」

 私は諦めなかった。小学校にあがる。

 「お父さん、私、劇団に入る!」

 「許さん!」

 私は中学にあがった。

 「お父さん、私、声学習う!」

 「ならん!」

 又や、お父さんのカミナリが落ちた。

 ぬぅぅぅぅ、最大のライバルはアンタかオヤジ。私は彼に黙って路上ライブの世界に飛び込んだ。何としてもシンガーになる!

 

 ――しかし十年後、アイドルになっていたのはオヤジの方だった。

 

 フリフリのドレスでオヤジが歌う。武道館に轟くファンコール。

 くっ、負けた。アイドルの道はライバルに譲る。私はいろんな意味で冷めてしまって、地道に働くOLになった。

 その年、彼はレコード大賞をとった。フリルのドレスで大号泣して大勢に祝福されていた。もう勝手にしてください。

 (終わり)

 

 

【作者近況】

 

 今作は割と近年の過去作品です。現在は長編シリアス執筆中ですが、廃人になりすぎて、息抜きに笑いが欲しくなりました。シリアスもの、最後まで書けるかなあ。ご覧くださった方に感謝。

 

 

 

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