はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。集団ストーカー被害記録と、趣味のファンタジーといろんなジャンル書いてます。ご興味のある方はこちら。
 
ファンタジー過去作品はこちら。お時間のない方は作詞シリーズが短くてお手頃かと思います。

 

前回までの話はこちら。

vol.297「友の会の子供1」

 

あらすじ。

冬彦は十一歳。母の朝子と友の会に所属している。母の指導で悪者のやっつけ方を教わった。しかしやっつけている時、ハーメルンと名乗る男女が現れた。

 

登場人物

佐藤冬彦……十一歳、横浜市旭区鶴ヶ峰に住む。

佐藤朝子……冬彦の母。悪者のやっつけ方を冬彦に教える。

雨風塔吉郎……三十代、ハーメルン隊員。

 

【友の会の子供2】

 

 冬彦達親子はハーメルン本部に連れていかれた。塔吉郎は親子に監視画像を見せた。

 「冬彦君は常に彩さんの視界の左右45度近辺でアクロバットしてますよね。彼女が下を向いている時はほぼ真正面でもやってる」

 「偶然です」

 朝子は平然と笑っているつもりのようだが、冬彦は怒っていると感じた。彼女はいじめられて自分を守ろうとしているのだ。

 「冬彦君の笑い方をどう説明しますか?」

 「子供が笑ってて何が悪いんですか」

 朝子はキレた。冬彦は後ろにしがみついていた。塔吉郎は朝子と対照的に優しそうなふりをしてるので冬彦はむかついた。キレている朝子の方がみっともないみたいな気にさせる男が許せない。冬彦は心の中で朝子を応援し続けた。

 「西光での冬彦君の蹴りについてはどう説明なさいますか?」

 朝子はうっとおしそうに言った。

 「もう謝りました。子供のやったことじゃないですか。何を本気で怒っているのです」

 「朝子さん、常に逆切れするように指導されているようですが、かまいませんよ。冬彦君本人に聞きます。そのためにこの映像、永久に保存しましょう」

 朝子はかみついた。

 「未成年に責任なんかないでしょ!」

 「未成年にも質問に答えてもらいます。逃げられません」

 「一体何の権利があって」

 「ハーメルンは憲法マイナス第5条にのっとり、冬彦君に面会を要請できます。時と場合によって強制します」

 

 冬彦はハーメルン取り調べ室で一人責任を負わされて泣いた。

 「僕わかんない。何もわかんない。お母さん、お母さん」

 「そうか、何もわからないのか。じゃあ、中学生になったら説明してもらおうかな」

 冬彦は中学に上がった。取り調べを受ける。彼は泣いた。

 「僕わかんない。何もわかんない」

 「そうか。じゃあ、高校生になったら説明してもらおうかな」

 冬彦は高校に上がった。すでにハーメルンが警察に対抗できる武装組織であることを知っている。冬彦は取り調べを受ける。

 「子供の頃のことなんか覚えてませんよ! 映像を処分してください!」

 「そう来ると思った。映像は処分しないけど、もう取り調べはやめてあげよう。でも君、幸せにはなれないよ」

 「大きなお世話です」

 冬彦は捨て台詞を吐いてハーメルンを後にした。

 (続く)

 

 

 

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