コントなおばあさん | 祖母、南タカ子<下杉正子

祖母、南タカ子<下杉正子

思い出と、今と、これからと。


おばあちゃん、かわいいな。

ピントがあってはいないけれど、この写真が好きだ。

タカ子ばあちゃんは、そんなに耳はとおくならなかった。

私は、スマホのことでショップへ行くと、杖をついたおばあさんがいた。

スマホが鳴っていたけれど、気付いていないのか、知らない番号からなのか。

スタッフがおばあさんのところへ。

「あたしゃね、耳がとおいもんで。そこんとこよろしく」と。

そこんとこよろしくかぁ。

ロックンローラーみたいだった。

耳元で話すスタッフの男性

「どこも故障していないですよ。」

「あんだって?」

絶叫会話は、ショップ内に響き渡っていた。

志村けんのコント状態に。

「これね、ちっともならないし、鳴ったと思って出てもなんにも音しないのよ」

しかたなさそうに、スタッフは、「僕の方から電話かけてみてもよろしいでしょうか」と。

おばあさんの真横でかけはじめ、絶叫会話をしていた。

スマホと、スタッフの絶叫会話によって、おばあさんは納得して帰っていったが、また来るだろう。

耳が遠すぎて、スマホの着信音もなかなか聞き取れず、スマホが繋がったとしても、真横で絶叫もしもしがなくなったら聞こえないかもしれない。