絵仏師良秀とは、鎌倉時代に書かれた説話集『宇治拾遺物語』の登場人物です。
自分の家が火事になった時、通りの向かい側に立って家が燃えるのを見てうなずきながら「長年、不動明王の炎を下手に描いていたが、今見て炎はこのように燃えるのだとわかった。」と言った話です。(因みに妻子を忘れて逃げたのですが・・)
その後良秀の描く不動明王は、「良秀のよぢり不動(背後の火炎をよじった様に描いた不動尊)」と称賛されるようになりました。
この話は、芥川龍之介の『地獄変』のモデルになったと言われています。
さて、6月最後の日曜日、夏合宿の準備の為に北浦道場に行きました。
前回に刈っておいた草や篠竹を燃やしていたのですが、火炎を見ていると「良秀のよぢり不動」を思い出しました。
火炎は刻々と変化します。
不動尊の炎と言うよりは、それ自体が命を持った何者かに見えてきました。
仕事を終え帰路につくと、待ってましたとばかりに雨!
火(か)水(み)=「神」を意識した一日でした。 EMI