一杯に あふれる器 もう容れぬ
知識も物も 世に献上す
今日久しぶりに塩谷式呼吸法を発案され世に広められた、塩谷信男医学博士の声をテープで懐かしくお聞きした。95歳の時、熱海のご自宅にお邪魔した時のものだ。上品な言葉使いで丁寧にお話になる先生で、その中で楽しくお聞きした言葉がある。
塩谷式呼吸法を実践する人々に、いろいろな病気が良くなった体験談がご著書に書かれているのだが、塩谷先生ご自身の前立腺肥大と白内障が治らないと仰る。
「僕の本の読者からは、色々な病気が治った良くなったという報告を沢山頂くのだが、肝心の僕の病気が治らない」
「僕も真剣に大断言の『宇宙の無限の力が凝り凝って、真の大和の御世が生り成った』の呼吸法をやるのだが良くならない。精神統一し、無心になってやっているんですがね」
「ところがある時ハッと気付かされたんですな。『わしの中に医者が居る』ってことをです」
「『白内障も前立腺も手術すればすぐ直る』という医学的知識を持った医者が僕の中に居たんです。『これが居る限りは呼吸法では治らん』と気付き、それを真剣に消したらすぐに白内障も前立腺も治りました」
ここで山本はハッと考えさせられたのである。
「同じような悩みを持つ山本には、学問も知識もないのに、良くなる現象が起こらない。ところが、いろは呼吸書法の会員諸氏のように、書いているうちに皆 良くなってしまうのは何故だ!?」(冷や汗)