かなり空いてしまった。もともと自分をブロガーとは思っていないが、これほど空けばただでさえ少ない読者はより一層離れていく。わかっていても、書く気分になれないときは書けないものである。

 

 しかし、それでもたまに足を運んで読みにきてくれる方がいるのには感謝しかない。

 

 さて、久々の記事。

 

 人間を大切にしない国、日本とかいた。筆者は昔から、「思いやりの日本と、優しさの外国」など、日本の特異な精神文化に触れることが多く、どちらかというと、主観的には好意的な記事ばかりを書いてきたので、「ん?サヨクみたいに自国をディスるのか?」と思われるかもしれないが、そうではない。あくまでも、これもまた客観的な観察の一つであると捉えてもらえるとたすかる。

 

 筆者が長い外国生活から戻って驚いたのは、筆者が日本にいた時にはあまり目にしなかった「派遣労働者」が社会のいたるところで極めて多くいることであった。場合にもよるがこの派遣労働者、3ヶ月ごとの契約更新で企業はいつでもいらなくなったら切り捨てることができる。もちろん、その後の仕事の保証も生活の保証もなく、切られた派遣労働者は悪い時には路頭に迷うことになる。

 

 ましてや日本のように、「新卒一発採用、中途採用はまれ、新卒時に就活失敗したら人生アウト、就職しても脱落したらやっぱりアウト、人材の流動性は恐ろしく低く、中韓から流れ込んで日本文化に寄生している<寄生虫儒教精神>によってパワーハラスメントだらけ」という牢固とした社会風潮の中では、こうした派遣労働制度は一度浸透したらなかなか変わることがなくなる。

 

 就職氷河期世代などは、ある作家によると「貧乏くじ世代」であるが、言い得て妙で、一発チャンスの就活時に不況であったがためにその後何十年と苦渋の人生を舐めることになる。こんな国は世界広しといえどもG7のメンバーの中では日本くらいである。

 

 安倍政権には是々非々で色々な意見もあるが、少なくとも大幅に金融緩和をして景気を底上げし、就活状況を好転させたことはまごうことなき事実であるし、そのお陰で就職できている若い世代は、本当にそのことを自覚したほうがいい。就職氷河期時代は、東京で一流と言われる私立大学を出ていても就職先がなかった例などごまんとあるのである。逆に安倍政権になったあとは、「え?それ大学?そんな大学あったっけ?」というような大学出身者でもほぼ完璧に就職できていたりしているのである。

 

 北米でも派遣的な労働はあるが、正規社員とほとんど労働条件、賃金は同じになり、単純に専門職で緊急性が高いときに派遣会社に高いお金を払って補充してもらうという意味があるだけなので、日本の派遣労働制度とは似て非なるものである。

 

 また、変に終身雇用制度が一方で牢固としてあるために、全く働かない社員がクビにならず堂々と給料をもらい続けるという現象も発生する。

 

 またさきほどのパワハラの例でいうと、最近でもトヨタで自殺者がでているし、三菱電機でも新入社員が上司に「死ね」などといわれつづけて実際に自殺し、三菱電機の上司は自殺教唆で事情聴取を受けていたりする。

 

 一流と言われる大手ほどブラック企業で、パワーハラスメントをする者たちの楽園みたいになっているのである。

 

 そうしたパワハラ天国の結果、日本の優秀な技術者が中国や韓国の企業に札束で顔を叩かれるようにもっていかれ、先端技術の多くが流出したことは、有名な話である。

 

 こういう状況を客観的につらつらと眺めれば、「人間を大切にしない国、日本」という結論にもなる。批判ではなく、客観的事実として、である。

 

 「ティール組織」など、新しい組織形態の時代の潮流も感じられる世の中になっているが、一方では相変わらず、上記のようなおぞましい組織が巷に溢れかえっているし、相変わらず人材の流動性は活発化せず、働かない正社員や働いても絶対むくわれない非正規雇用社員のいる構造は厳然として存在し続けている。

 

 外国には外国でいろいろなことがあるが、上記のようなことは、まあ、一部の国をのぞいたらまず見当たらない。少なくともG7の先進各国ではほとんどないといっていい。

 

 日本はG7の一員ではあるが、こうした現実を直視したほうがいいのではないかというのが筆者の今回の提言である。

 

 恥の概念が日本文化の一大特徴であるならば、これほど恥ずかしいと思える状況はなかなかないであろう。

 

 読者の皆様はどう感じられたか。

 

 今回もお読みいただき、ありがとうございます。