現在見ている動画サービスのNETFILIXで北野武監督作品の2023年公開作品「首」がリリースされていたので見てみました。
元々戦国時代、特に本能寺の変周辺の時代の物語が好きで、NHKの大河ドラマをはじめいろんな作品を
見てきましたが、この「首」はかなり毛色の変わった、ある意味ショッキングな作品でした。
胸を張って「お勧めします!」とはいいがたいですが、映像的はリアルに再現されていると思います。
首をはねるという行為はこの戦国時代にはつきものですが、映像的にはやはりなかなか再現するのは
難しいと思うのですが、見事に再現されています。
でも私的には首をはねるシーンよりもトラウマで二度と見れないと思ったのが、
荒木村重の饅頭シーンです。
演じているのは遠藤憲一さん。
大河ドラマの「軍師官兵衛」では田中哲司さんが演じており、田中哲司さんの演技もとても良かったのですが、
遠藤憲一さんは私的にはさらにピッタリだと感じました。
この映画作品では、なんと荒木村重と明智光秀(演:西島秀俊さん)がなんと男色関係に描かれています。
いやいや、あり得ないでしょうとは思ったのですが、戦国時代といえどもそんな関係はあったかもしれない
ですからね。
とにかくあの饅頭のシーンを見れば、荒木村重が信長に謀反を起こした理由は納得できます。
織田信長を演じているのは加瀬亮さん。
尾張弁全開の残酷なサディストの信長を見事に演じています。
確かに考えたら、信長は絶対、尾張弁で怒鳴っていたはずですよね。
ちなみに羽柴秀吉を監督の北野武さん、黒田官兵衛は浅野忠信さんが演じています。
そして無名の百姓上がりの侍を夢見る男を中村獅童さんが演じているのですが、とてもいい味を出していますよ。
この作品では、不思議なことにまったく姫が登場せず、より男色関係を色濃く見せている作品でした。
それにしても荒木村重という武将は黒田官兵衛を殺しもせず、1年近く城の地下牢に幽閉したり、
謀反を起こして妻や一族は惨殺されているのに、自分だけは毛利方に逃げ延びて、
挙句の果てには千利休の弟子、茶人になったというある意味すごいひとなのですが、
全然、尊敬できる部分があまりないのが、残念な感じの人物です。
(ですがなんか憎めない感じ)
(ストーリー)
時は戦国時代。羽柴秀吉と千利休に雇われ、謀反人と逃げ延びた敵を探して各国を旅する曽呂利新左衛門は、信長に反旗を翻した荒木村重を偶然捕らえる。一方、丹波国篠山の農民・茂助は播磨へ向かう秀吉の軍勢を目撃、戦で功を立てようと軍に紛れ込む。
信長、秀吉、光秀、家康を巻き込み、荒木村重の首を巡る戦国の饗宴が始まり、それはやがて本能寺の変へと繋がっていく。