1947年グレゴリーペック主演の白黒映画です。

『ローマの休日』より何年前になるのかな。
グレゴリーペックがあま~いマスクでまだ随分と若く見えました。
ちょっと若大将に似ている…


ユダヤ人の人種差別がテーマの作品です。

ライターのグレゴリーペックは、斬新な切り口から反ユダヤ人主義の記事を書く為に、自らをユダヤ人と偽り新天地で生活します。

そこで目の当たりにする、奥底でくすぶっている数々の差別。
ホテルに入れて貰えなかったり子供がいじめにあったり。

グレゴリーペック自身は全く偏見のない人間なので、その実態に真っ向からユダヤ人として偽ったまま対立していきます。

グレゴリーの彼女も、口では自分も偏見の無い人間だと主張しますが、実際にはやはりどこかでユダヤ人を卑下したセリフが出てきたり、口ばっかりで行動には伴わなかったり。


実際には何かを主張するにしても、彼女のような口だけ人間が大部分を占めていると思います。
私も然り、です。


言うのは簡単。
グレゴリーのように行動して立ち向かう人間はわずかです。

本当の善人とは、正義とは何かを考えさせるような内容でした。


ただ一つ非常に気になったのは、本当のユダヤ人はグレゴリーのような一時期だけのなりすまし人間をどう思うのかなあと言うことです。
ユダヤ人としていろいろ差別を受けながらも最後には
「実はユダヤ人じゃありません♪」てバラすんですから。
彼の辛さは一時期のものだけど、本当のユダヤ人はその差別を一生感じて行くかもしれません。
そう考えると、彼の行動はユダヤ人にとっては、かんにさわるものとも言えるように思いました。
私がユダヤ人なら、ちょっと腹立つなあ…。