「せんせ〜!これあげる」
「わたしも」
「ぼくも」



保育科の学生だった私は、
幼稚園の実習があったのです。



年長さんのクラス。
珍しいお姉さん先生(←私のこと(≧∀≦))への
贈り物は、
可愛い絵のついたティッシュ。
それも一枚ずつ。



毎日貰う子どもたちからの
贈り物は、
大切にポーチに入れて
しまっていました。



そんなクラスの喧騒を尻目に、
遠くから私を見ている男の子。
気になってはいるけど、
自分からは来ないタイプ。



私も小さい頃は
モジモジしてて
すっごく大人しかったので、
その男の子のことが
気になって
気になって。


「一緒に遊ぼう」
「何が好きなの?」


折にふれ声をかけるけれど、
彼はつれない態度。
なかなか心を開いてくれません。






2週間の実習期間が終わる日。

「これ、あげる」

彼が差し出してくれたのは、
絵のない真っ白いティッシュ。
「絵がついてないけど」って。


30年以上経ったのに、
忘れられない嬉しかった記憶。



無口で
笑えなくて、
いっつも一人で遊んでた
幼稚園の頃の自分を
彼に重ねていたのでしょう。



今でもやっぱり
大人しい子が気になって
仕方がないのです。

自分自身を振り返れば、
そのまま成長するわけじゃないこと(笑)
わかってはいるのですが…。

やっぱり気になる。


ヒプノセラピスト・占い師  中尾 弥生

ヒプノセラピー&占い
みちくさ野はらクローバー
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