【出展作品 制作秘話⑤】便利になりすぎた世界~Too convenient world~ | そうだ ちょっと、休もう。

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HSP気質なワタシの日常

あにょにょ~!


大阪市北区中崎町にあります
Gallery IYNさんで開催されていた
【MESSAGE展vol.3】へ
出展させて頂いた作品を
一日一枚ずつ公開して来ましたが
今日が最後の投稿です!

インスタには書ききれなかった
制作エピソードも綴ってますので
より深く作品を楽しんで頂けたらと思います!


実際に会場に展示して頂いた
タイトルとメッセージも
こちらでご紹介したいと思います。






それでは
今日公開する作品はこちらです!





【作品タイトル】
便利になりすぎた世界~Too convenient world~


【メッセージ】
指先ひとつで誰かや何かを簡単に評価できてしまったり、感動的な瞬間を手軽にデータに残すことも出来ますが、それだけでは何だかとっても味気ないですよね。自分が「良い」と感じたら自分の言葉で伝えたいですし、大切な瞬間は自分の心に残しておきたいです。




~制作エピソード~

この作品には
他の作品とはちょっとテイストを変えて
風刺的なメッセージを加えました。

ある時YouTubeで
人が行き交う街中に置かれた
誰でも自由に弾くことが出来る
ストリートピアノを演奏する
ピアニストの方の動画を観た時、
そこには何人もの人が足を止めて
ピアノの演奏に耳を傾けている様子が
映されていました。

そして
その半数以上の人が
演奏しているのに気が付くと
すぐに鞄やポケットからスマホを取り出して
ピアノの演奏を撮影しながら
聴いていました。

その様子を観た時に
せっかく
目の前で生演奏なのに
なんだか
勿体ない気がするなぁ…
と、感じました。

その時の気持ちを
絵にしようと思って
この作品が完成しました。

その撮影されていた方々は
きっと
「せっかくの良い演奏だから
データに残したい」
「家族や友人にも
この感動を後から共有したい」
などなど
様々な思いがあって
それぞれ撮影されていたと思います。

これは完全に
価値観の違いなので
どちらが正解というものでは
無いと思います。

ワタシが個人的に
勿体ないなと思っただけの話です。
ただ、その
「勿体ないな」と思った気持ちを
隠さず素直に
表現したかったんです。



それから
今の時代って
SNSが身近にあって、
自分が何かを発信した時に
「いいね」は付いても
コメントを貰えることって
案外少ないですよね?

ほとんどの場合は
「いいね」で
済ませることが出来てしまいますよね?

どんな風に思って
「いいね」を押してくれたのか
その「どんなことを感じたのか」
という部分は
分からないまま
ただ「いいね」の数だけが表示される…。

これってなんだか
とっても味気ないと思いませんか?

せっかく住んでる場所も
考え方も生き方も
それぞれ違う、
それぞれに良い所がある
世界中の人と繋がれる時代なのに
ただ指先でポチっと
「いいね」を押して、押されるだけ。

「いいね」って言葉の響きは優しいし
ハートや親指グーの可愛い絵文字なのに
ワタシはどこか
その「いいね」に
冷たい印象を受けてしまうことがあります。

もっともっと
みんな
自分の心で感じて
自分の言葉で伝える
ことが出来たら
今よりももっと
血の通ったやりとりが
SNS上でも
出来るんじゃないのかなぁと思って
この絵を描きました。


だからワタシには
心がけていることがあります。


それは
「良い!」と思ったものには
ちゃんと自分の言葉で
「この部分が良いと感じました!」って
しっかり相手に伝える
ということです。


例えば
漫画を読んで感動したら
漫画家さんにファンレターを書いたり
漫画家さんのアカウントに
リプを送ったり、
SNSでフォロワーさんの投稿に
素敵だなぁと感じたら
「いいね」だけじゃなくて
「めちゃくちゃ素敵です!」
「美味しそうです!」
「可愛いです!」
って、
たとえコメントしなくても良いような
短い文章だったとしても
なるべく自分の言葉で
コメントも送信するようにしています。

推しさんのイベントでの
フォトタイムも
なるべく
数枚写真を撮ったら
スマホはしまって
あとは五感を使い、
尊い推しさんのお姿を
心に記録するようにしています。


そんなことを表現したくて
イラストの舞台は
歌のコンテスト会場にしました。

ステージ上では
メデューサちゃんが
素敵な歌声を披露している最中です。


イラスト上には3人の審査員が見えます。
両端の審査員は表情を変えないまま
「いいね」と評価しています。

真ん中の河童さんだけは
メデューサちゃんの素晴らしい歌声に
とても感動して
評価スイッチを
弾き飛ばすほどの勢いで
前のめりに立ち上がり、
一人でスタンディングオベーション状態です。

この審査員の反応の対比で
「いいね」の持つどこか冷たい印象や
五感を使って感じることの
大切さを表現してみました。


客席ではほとんどの観客が
スマホで撮影をしています。
エルフさんと人間さんだけは
メデューサちゃんの歌声を
ダイレクトに感じて
心を震わせています。

スマホで撮影していると
メデューサちゃん側(表現者側)からは
観客の顔がよく見えず
「本当に私の歌声は
みんなの心に届いているんだろうか」と
不安な気持ちになります。

画面越しだと勿体ないなぁ
と感じたことを表現したかったですし
SNSの顔の見えないやり取りという
意味も込めて
客席のほとんどの人の顔を
スマホで隠しました。


それから
この作品を制作中、
推しグルさんが
短い期間でダンスを練習して
みんなの前で
披露するという番組内の企画に
一生懸命挑戦する様子を観ていて
その妥協を許さない姿勢と
最高のパフォーマンスを届けようと
奮闘する姿に心を打たれ、
「よし!ワタシも妥協せず
納得いくまで修正するぞー!」と思って、
本当はこの絵の客席部分は
「入稿の締め切りも迫って来たし
肩凝るし手も痛くなるし…
客席数は少なくても良いかな…」
なんて
甘っちょろいこと考えちゃってたんですが
それでは臨場感に欠けるなと思い、
描き込むのに時間はかかりますが
思いきって
座席列を追加することにしました。


それから
客席のみんなにも
色々設定を付けました。

例えば右端に居る
カモノハシJKちゃんには
推しさんが居て、
推しさんのチェキを
透明なスマホカバーに挟んでいる
という設定があります(笑)

客席左端の辺りに居る
烏天狗さんのスマホカバーには
天狗=ヤツデの葉っぱというイメージから
ヤツデの葉っぱの絵を描きました。

嬉しいことに、
このイラストを妖怪やモンスターが好きな
小1の甥に見てもらったところ
「メデューサだ!これは烏天狗でしょ?」って
喜んでもらえて
おばたん幸せでした(笑)





…と、
色々書かせて頂きましたが、
この絵の解釈に
正解・不正解はありませんので
見てくださった方それぞれが
自由に楽しく
色んな想像を膨らませてくれたら
ワタシも幸せです!


みなさんはこの作品から
どんなメッセージを
受け取ってくださいましたか?


お気軽に感想をお寄せください!
制作の励みになりますので
ぜひよろしくお願い致します^^






これにて出展作品5枚の公開が
全て終了致しました!


ここで少しだけ
出展作品全てを通して
ワタシが
伝えたかった・表現したかった
あとがき的なこと
綴らせて頂きます。



実は今回の5枚の作品には
出展条件である
"メッセージ性のある作品"の他に
ワタシが個人的に設定していた
ある裏テーマがありました。


それは
「生きているのも案外悪くないですよ」
というメッセージテーマでした。



ワタシは前に勤めていた職場で
数年の間に
お世話になった2名の先輩が
自らこの世を去ってしまいました。

どちらの方の葬儀にも
参列させて頂いたのですが
ご遺族の方々の
やるせない思いが
痛いほどに伝わって来ました。

葬儀の帰りにある先輩が
こんなことを言いました。

「私ね、先輩が亡くなるまでは、自らこの世を去ることって別に悪いことじゃないと思ってたんだよね。この世に生まれるのって自分の意思じゃないでしょ?だからこの世を去る時くらいは自分で選択出来ても良いんじゃないかって思ってたの。でも、ついこの前まで一緒に居た先輩が亡くなって、葬儀に参列してみて、やっぱり自らこの世を去ることって、あんまり良いことではないのかもって思えたんだよね」

と、本音を打ち明けてくれました。





それから
祖母が亡くなった時
とても急だったこともあり、
搬送先の病院で
祖母の逝去を告げられた時
大きな声をあげて
泣き崩れたのは
長年連れ添った祖父でした。

そんな祖父の姿を見たのは初めてで
何て声をかけたら良いのか戸惑いました。

祖母が亡くなって半年間くらいは
「俺ももう長くねぇから…」
「俺ももうダメだ…」と
祖父は弱音ばかり漏らしていました。

それが今では
「来年は仏壇に供える花は
買わなくても良いように
庭に種撒いたんだ~
おめぇんちにも芽出たら
半分苗やっかんなぁ~持ってけぇ」
と、祖母のために
あれこれ張り切っています。


また、ワタシは精神疾患の叔母と
幼い頃から長い間、同居していたのですが
叔母は祖母とケンカをすると
「私が死ねば良いんでしょ…!」と
泣き叫んでいました。




そのような様々なことから
生きること
死ぬこと
って一体なんだろう?って
幼い頃から、
そして
大人になった今でも
たまに色々と考えることがあります。


ひとつの答えに
たどり着いた訳でも無いですが
ひとつだけ確かなことは見つけました。

せめてワタシの絵を見てくださった方には
「あぁ…生きてるのも案外悪くないかもな」
って思って貰えたら良いなぁ
ということです。


それで今回
この裏設定を
設けることにしたんです。



それから、ワタシの作品には
様々な動物やモンスター
空想上の生き物、
オリジナルキャラクターなど
人間以外の生き物が
たくさん出てきます。


これにも
ちょっとしたこだわりがあります。

ワタシたちって
一括りに
「ヒト」に分類されますが
その中には誰一人同じヒトなんて
居ませんよね。

みんな考え方も感じ方も
表現方法も違う。

一人一人にそれぞれの魅力がある。

だから
ヒトだけ描くのはあまりにつまらないし
なんだか落ち着かないなぁと思ったんです。


それでワタシの作品ではよく
色んな生き物を
ごちゃ混ぜで描くことにしてます。


みなさんに
ワタシの作品の中から
お気に入りのキャラクターなど
見つけて頂けたら幸せです。


さて、ぐだぐだと長ったらしく
書いてきましたが
最後の最後に
みなさんにお知らせがあります…!!!


Gallery IYNスタッフ様より
お誘いのご連絡を頂きまして


来年の12月に開催の
MESSAGE展FINAL
作品を出展させて頂くことが
決まりました~~~!


そしてこのMESSAGE展FINALでは
全ての作品を原画で出展することを
検討中です…!!!
(ひゃ~!言っちゃった~!)



また来年会期が近付きましたら
改めて色々とご案内させて頂きますので
ぜひまた応援よろしくお願い致します!


インスタではこの他にも
ワタシのオリジナルイラストを
多数投稿しています^^

よろしければ
覗いてみてください♬





それでは
最後まで読んでくださり
本当に本当に
ありがとうございました~!!!!!


あにょ~!