【出展作品 制作秘話④】ふたり暮らし~Living together~ | そうだ ちょっと、休もう。

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HSP気質なワタシの日常

あにょにょ~!


大阪市北区中崎町にあります
Gallery IYNさんで開催されていた
【MESSAGE展vol.3】へ
出展させて頂いた作品を
一日一枚ずつ公開していきます^^

今日は4枚目の投稿です!

インスタには書ききれなかった
制作エピソードも綴ってますので
より深く作品を楽しんで頂けたらと思います!


実際に会場に展示して頂いた
タイトルとメッセージも
こちらでご紹介したいと思います。




それでは
今日公開する作品はこちらです!





【作品タイトル】
ふたり暮らし~Living together~

【メッセージ】
私は子供の頃から「じいちゃん・ばあちゃん子」です。祖母が他界し、祖父は毎日私に祖母との思い出話をしています。この絵を見てくださった方に「たまには祖父母に電話してみよう」「お線香あげに行こうかな」なんて、ふと思って頂けたら嬉しいです。





~制作エピソード~

この絵はメッセージにも
記載した通り
ワタシの祖父母から
イメージを膨らませて描いた作品です。

祖母はもう亡くなっていますが
祖父は祖母が好きだった花を
花瓶に挿したり
祖母の好物だったトマトを
祖父自信はトマト嫌いで食べないのに
毎年プランターで栽培して
お供えしたりしています。

そういった祖父の姿を見ていて
もう亡くなっているから
直接会うことは出来ないけど
亡くなった人との思い出を
ずっと大切にしながら
毎日を過ごすことって
一番の供養なのかもなぁ
思いまして…^^


それで絵の中にも
おばあさんが好きだった
お花や葡萄を
写真の前にお供えしていたり
若い頃から色ちがいで
大切に使っていたマグカップを
少し飲み口が欠けているけど
今も愛用していたり…^^

おじいさんの
おばあさんに対する
変わらぬ愛情
表現してみました。

ちなみに絵の中の設定では
玄関の下駄箱に掛けてある杖は
おばあさんが愛用していたものだけど
「いずれは俺も
使う時が来るだろうから」と思って
おばあさんの棺には入れずに
今も大事にとってあるという設定です。


それから
おばあさんの立てっている近くに
取り付けてある木の手すりは
足腰の弱くなった
おばあさんのためにと
おじいさんが取り付けました。




更にはこんな小話もあるので
しばしお付き合いください…(笑)



今日は天気が良いから
久しぶりに
庭の葡萄の手入れをしている。

すると
「あ~!居た居た。
チャイム鳴らしても出ねかったから~」と
聞き慣れた声がして振り向くと
いつもの郵便屋のあんちゃんが
こちらへ歩いて来るのが見えた。

「お孫さんから手紙が来てるよ~!
もう小学校さ上がったのけぇ?」
郵便屋のあんちゃんはそう言って
手紙を手渡してくれた。

「んだ~。ひらがな習ったから
たまに手紙寄越すんだわ。
いつもどうも~」
郵便屋のあんちゃんは
ポストに入れてけば
時間も食わずに済むだろうに
孫から手紙が届くと
わざわざ手渡しに来てくれる。

(ばあさんがいつも
あのあんちゃん配達さ来っと
缶ジュースやってたから
気にしてくれんだべか…)

足早にバイクにまたがった
後ろ姿を見送りつつ
そんなことをふと思う。

カサリと音がして手元に視線をやると
黄色い便箋にふにゃふにゃ文字で
宛名が書かれた手紙の下に
ハガキもあったことに気付く。

義弟の三回忌法要の
日時案内のハガキだった。
(もう三回忌けぇ)と思いつつ
ふと腕時計を見ると
お昼近いことに気付く。

(飯にするか…)と
玄関へ。

すると玄関脇のポストに
刺さったままの新聞に気が付く。
(あぁ、今朝は洗濯干すのに時間くって
新聞取るのもわすってたのか…)

新聞を引き抜き
玄関扉をガラガラと開ける。

玄関マットの敷かれた上り框に
よっこいせと腰掛け
麦わらと剪定鋏を床に置いてから
最近油の切れて来た膝を
うんしょと曲げて
長靴を脱いだ頃には
ふにゃふにゃ文字の手紙を読むことも
「ハガキ来たど~」と
法事に参列する旨を伝える
電話を掛けることもすっかり忘れ
(昨日娘がこさえて行った
肉じゃが食うか…)と、
台所へ向かうと
それを見ていた愛猫のシロも
廊下のオモチャをけっぽって
昼飯の催促をしに付いて来た。

シロの小皿に
カラ、カラ、カラリと煮干しをあける。

朝の掃き掃除の時に開けたまま
閉め忘れられている
台所の窓からは
そよそよと優しい風が入り込み
"ばあさん"が寸法を間違えて買ってきた
レースのカーテンを
静かに揺らしている。


マグカップに入った
飲みかけの水道水を
グビッと一口飲んでから
一晩置いて
味の染みた肉じゃがの鍋を
チチチチ……ボッと
火にかけ始める。




…という、
ハイパー細かい
設定があったりします(笑)


更に

おばあさんが生きてた頃は
掃除好きだったおばあさんが
隅々まで掃除をしていましたが
今となっては
クモの巣やネズミちゃんとも
おじいさんは
仲良く暮らせるようになりました。

なんていう設定もありますよ!(笑)
(もういいって!)


ちなみにお気に入りポイントは
昭和レトロをイメージした
キッチンマット
玄関マット
電気のスイッチ
花瓶のデザイン
などなどです!(笑)


花瓶には
ワタシの祖母が好きだった
「ヒメヒオウギズイセン」
というお花を挿してみました。
祖母は「キンギョソウ」と呼んでました。


それから
おばあさんのエプロンは
ワタシの祖母がよく着ていた
エプロンの柄を思い出しながら
描きました^^


1ヶ所、反省点は
結婚写真のセピア感を
上手く表現出来なかった所です。
チッキショー!精進します!



おばあさんの姿は
シロちゃんにしか
見えていないみたいだけど
おじいさんは
今でもなんとなく
おばあさんが
すぐ近くに居るような
そんな気がしています。

だからおばあさんの姿が
見えても見えなくても
おじいさんにとっては
そんなことは
どちらでも良いのかもしれません。



玄関に飾ってある似顔絵は
孫ちゃんが幼稚園の頃に
プレゼントしてくれた似顔絵
という設定もありますよ!
(設定ありすぎだろ!)

ちなみにちなみに
肉じゃが作りに来た娘さんが長女で
手紙くれた孫ちゃんのママが次女
という設定です(笑)




あ!
それからひとつ補足です。
展示して頂いたメッセージには

"この絵を見てくださった方に「たまには祖父母に電話してみよう」「お線香あげに行こうかな」なんて、ふと思って頂けたら嬉しいです"

と、綴りましたが
これは
祖父母さんと昔から疎遠だったり
祖父母さんを好きになれないと
思ってらっしゃる方などへ
無理矢理ワタシの価値観を押し付けて
「みんな祖父母さんとは
もっと仲良くしようよ!」と
強制しているのではなく、
普段から祖父母さんと交流があったり
ワタシのように
じいちゃん・ばあちゃん子の人が
この絵を見て
普段なかなか会えなかったり
お線香あげに
行けなかったりすると思うので
祖父母さんを
ちょっとだけ気にかける
きっかけになって貰えたらなぁ
という気持ちで描いた作品なので
そこだけは
誤解のないようお願い致します。




…ワタシ、
心のどこかでなんとなく
祖母が祖父を見送るんだろうなって
勝手に考えてたんです。


でもある日突然
祖母が他界して
「あれもしとけば良かった」
「これをしてあげれば良かった」って
後悔が山盛りだったんです。

だから
じいちゃん・ばあちゃん子の人が
今も祖父母さんご健在であるならば
ワタシと同じ後悔は
して欲しくないなぁと思って
この絵を描きました。


いつまでも若い頃の
じいちゃん・ばあちゃんのままじゃないし
出来ないことも増えてくるから
どうか一緒に過ごす時間を
今より更に大切に思って貰えたらなぁ
思いまして^^



…と、
色々書かせて頂きましたが、
この絵の解釈に
正解・不正解はありませんので
見てくださった方それぞれが
自由に楽しく
色んな想像を膨らませてくれたら
ワタシも幸せです!


みなさんはこの作品から
どんなメッセージを
受け取ってくださいましたか?

お気軽に感想をお寄せください!
制作の励みになりますので
ぜひよろしくお願い致します^^





いよいよ明日が最後の作品公開です!
明日公開のイラストもお楽しみにです!


インスタではこの他にも
ワタシのオリジナルイラストを
多数投稿しています^^

よろしければ
覗いてみてください♬





最後まで読んでくださり
ありがとうございました~!


あにょ~!