「なんで鉄は、すぐ錆びてしまうん…」 第2話
その後、鉄子は何日眠っていたかわからない。
日も射さないし雨も降らない、風も吹かない大きな部屋に閉じ込められていたから、時間の流れがわからなかったらしい。
その広くて暗い部屋に、ちょっとした光がもれてきたはずみで、鉄子は目を覚ました。
あたりを見回すと、自分と同じようにあきらめ切った顔をして寝ている銀色の塊が大勢いる。ふと隣を向いたら相手も鉄子を見ていた。
「こんにちは。あたし鉄子」
「ちーっす。ぼくは鉄郎」
「ねーねー、ここはどこなの?」
「倉庫。ここでぼくたちは、再び人間に運び出される日を待っているんだ」
「え!今度はどこに連れて行かれるの?今度はどんな目に遭わされるの?」
「行き先はいろいろ。どんな目に遭うかもいろいろ。わかんないね」
「ああ、そうですか」
さらに光がたくさん入ってきて、何人かの人間がやってきて、ちょっと騒がしくなってきた。
「誰かを連れて行くのかな…」
そう思った直後、人間と目が合ってしまった。そしてその時の人間の様子から、自分になにか記号のような番号のようなものが付いていることを知ったのである。
「あたし、鉄子なんですけど…」
そんな訴えが人間の耳に入るはずもない。
人間は自分たちがわかりやすいように、鉄子も鉄郎もひっくるめて、似たような性質の物に、エスなんとかの何番といった名前をつけるらしい。
じつに理不尽である。
「いよいよ、ぼくたちの番みたいだ」
「えっ!」
そして人間たちは、鉄子と鉄郎を倉庫から運び出した。
「いやだ!もう痛いのや熱いのはいやだー!おかーさーん!!」
ヽ(`Д´)ノウワァァァン!!
つづく
日も射さないし雨も降らない、風も吹かない大きな部屋に閉じ込められていたから、時間の流れがわからなかったらしい。
その広くて暗い部屋に、ちょっとした光がもれてきたはずみで、鉄子は目を覚ました。
あたりを見回すと、自分と同じようにあきらめ切った顔をして寝ている銀色の塊が大勢いる。ふと隣を向いたら相手も鉄子を見ていた。
「こんにちは。あたし鉄子」
「ちーっす。ぼくは鉄郎」
「ねーねー、ここはどこなの?」
「倉庫。ここでぼくたちは、再び人間に運び出される日を待っているんだ」
「え!今度はどこに連れて行かれるの?今度はどんな目に遭わされるの?」
「行き先はいろいろ。どんな目に遭うかもいろいろ。わかんないね」
「ああ、そうですか」
さらに光がたくさん入ってきて、何人かの人間がやってきて、ちょっと騒がしくなってきた。
「誰かを連れて行くのかな…」
そう思った直後、人間と目が合ってしまった。そしてその時の人間の様子から、自分になにか記号のような番号のようなものが付いていることを知ったのである。
「あたし、鉄子なんですけど…」
そんな訴えが人間の耳に入るはずもない。
人間は自分たちがわかりやすいように、鉄子も鉄郎もひっくるめて、似たような性質の物に、エスなんとかの何番といった名前をつけるらしい。
じつに理不尽である。
「いよいよ、ぼくたちの番みたいだ」
「えっ!」
そして人間たちは、鉄子と鉄郎を倉庫から運び出した。
「いやだ!もう痛いのや熱いのはいやだー!おかーさーん!!」
ヽ(`Д´)ノウワァァァン!!
つづく