佐江ちゃんからプレゼントもらって、嬉しかったのに、その分切ない。
だって好きだから。
これ以上私からアピールできないし、気持ちを抑えなきゃいけないのに。
苦しくて、トイレに駆け込む。
なかなか出てこないから佐江ちゃんが来た。
「どうした?具合悪い?」
私が泣いてるから佐江ちゃんびっくりしていて。
佐江ちゃんのせいじゃない。なのに、、。
今の悩みをこれ以上佐江ちゃんに言いたくないし困らせたくもない。
だって友達だから。
ひたすら佐江ちゃんは何も言わない私に抱きしめてくれた。
嬉しいのに、辛かった。
佐江ちゃんはその後優子ちゃんに電話を入れた。2人が来てくれた。
一旦、私と優子ちゃんで話をした。
どうしたら友達っぽくなれるのか?
「ゆきちゃんさ、佐江ちゃんはもう気持ち知ってるんだから、普通に聞いてみたら?手を繋ぎたいとかさ。少しは気持ち楽にならない?
佐江ちゃんは言われたからって嫌いにはならないよ。逆にゆきちゃんの気持ちを読めないから心配になってる。」
「私嫌われそうで怖いです」
「大丈夫だよ。佐江ちゃんはそういうことしないから。ギューしてほしいでもいいから言ってみな。少しは気持ちが楽になるから。」
優子ちゃんからのアドバイスを聞いて、佐江ちゃんに言ってみる。
「佐江ちゃん手を繋いじゃだめかな?手を繋ぎたい」
「いいよ。恋人繋ぎかふつうどっちがいい?」
って触れてくれた。嬉しかった。
普通に繋ぎたかったから、普通に繋いだ。
1日佐江ちゃんと遊べて幸せだったけど、佐江ちゃんが送ってくれたとき、素直に喜べなくて。家で泣いた。
学校行きたくない、今の気持ちのまま佐江ちゃんに会いたくなくて。
佐江ちゃんから最寄り駅に着いたよって連絡が入った。
(具合悪いから学校休むね。ごめんね)
(えっ?大丈夫?)
佐江ちゃんは心配して、学校終わりに家に来てくれた。けど、お母さんに話して帰ってもらった。
(佐江ちゃん来てくれてありがとう。明日はできれば行きたいけど、まだわからない)
(心配だよ。無理しないでね)
優子ちゃんからは電話が。
「佐江ちゃんのこと?」
「このまま会うのが辛くて私無理だから。佐江ちゃんは優しいからハグも手を繋ぐのも普通にしてくれる。意識ある私にはそれすら苦しい。また、佐江ちゃんにキスしそうでもう顔見れない」
そう話した。
気持ちの整理もつかず、佐江ちゃんの顔をみたくなくて学校を次の日も休む。
お母さんにはほんとのことを話した。
(ゆきが行きたいって気持ちになるまでしばらく休んだら?って。)
佐江ちゃん3日間休んでる私を気にかけて毎日家に来てくれていた。なのに、門前払いにしてごめんね。好きになってごめんなさい。
担任の先生には、お母さんが話したみたいで、
(クラスに来たくなかったら保健室登校でもいいですよ)って言われたらしい。
時間をずらして9時から保健室に行くことにした。
先生には今悩んでること、休んだ理由すべて話した。
「柏木さんが休んでる間宮澤さんはだいぶ落ち込んでたわ。佐江が何か嫌なことしたかな?とか、嫌われること何してたんだろうとか。
かなり落ち込んでるから、寂しかったはずよ。柏木さんは深く悩んでるみたいだけど、宮澤さんも同じくらい柏木さんのこと思ってるんじゃないかな?
実は柏木さんが来るなら午前中って宮澤さんには話したから多分来るわよ。」
佐江ちゃんはやってきた。
「ゆきちゃん」
泣きながら抱きしめてくれた。
「佐江のこと嫌われたかなとか色々気にしちゃって、どうしようかなって思ってた。よかった、来てくれて」
先生が話したほうがいいって。
休んだ理由を話した。
「佐江ちゃんへの気持ちが高まっていること、これ以上好きになって嫌われたくないから休んだこと。」
話したら佐江ちゃんに抱きしめられて、
「佐江だってほんとはずっとゆきちゃん好きだよ。ただ、付き合えるか自信なかったから。家まで行って拒否されたから、どうしようかなって思ってた。」
佐江ちゃんはギューって抱きしめてくれた。
「ゆきちゃんが好き。付きあってください。」
「私が休んでたから言ってるんじゃなくて?」
「ずっと好きだったよ。だから、常にそばにいたじゃん、佐江」
たしかにどんなときも佐江ちゃん助けてくれたから。ありがとう。
「抱きしめあってるならもう大丈夫ね」保健の先生が。
「ゆきちゃん、教室行こうよ」
「うん」
正式に付き合い始めたんだ。